FXの両建てで利益を上げるたった1つの超重要な知識

FXの両建てとは、同じ通貨ペアの買いと売りのポジションを同時に保有することをいい、注文方法の1つです。

実は、FXは株と違い、買いと売りを同じようにトレードできます。株では、空売りをすると余分な手数料を取られたり、空売りできない銘柄があったりなど、売りと買いでは少し異なります。

しかし、FXは全く平等です。どの通貨ペアも、売りと買いは同じ条件ですることができ、すぐにでも両建てできます。

しかし、多くのFX会社では両建てを推奨していません。なぜなら、両建てしても損益は変動しない上、ポジション管理スキルがない初心者では混乱する上、そもそもスプレッドも2倍かかるからです。

ただし、相場が分かって、「ここぞ!」という時が判断できるようになると話は別です。そこでこの記事では、両建ての上手な使い方について、事例を交えて紹介しますので、参考にしてください。そして、FXの注文方法の幅を広げて下さい。

執筆者
ぶせな

ぶせな

FXの専業トレーダー。認定テクニカルアナリスト。 本格的にFXを開始してから10年で1億6,500万円の利益を突破。著書に、『最強のFX 1分足スキャルピング』『最強のFX 15分足デイトレード』(共に、日本実業出版社)がある。ツイッターアカウントは、『@busena_fx』、ブログは『億トレーダーぶせなブログ』。

1.両建ては注文方法の1つである

両建てをやったことがある方なら、次のような経験をしたことがあるかもしれません。

  • 両建てしてとりあえず損益をロックした
  • 買いも売りも含み損でどうしていいか分からない
  • 戦略はなく、とりあえず両建てして安心する
  • あわよくば、買いも売りも利益は出したい
  • ヘッジのつもりで両建てした
  • 両建て外しはあとで考えればいい 

これらは、両建ての勘違いパターンで、結果的に損をします。なぜなら、両建ての使い方を分かっておらず、意味もなく買いと売りを持っている状態といえるからです。

そもそも、両建ては注文方法の1つであって、手法ではありません。

手法ではないので、両建てが上手だからといって、利益が増えるわけではありません。まず、これを勘違いしないようにしましょう。注文方法を変えたところで、利益が出しやすくなるわけではありません。

それでは、FXの両建てについて、デメリットから見ていきましょう。
メリットと私のテクニックについては、後述します。先にデメリットを知ることで、後々に両建ての良さが分かります。

1.1.両建てはスプレッド(=取引コスト)が2倍になる

両建てに必要な証拠金や設定方法などは、FX会社ごとに違いがあります。例えば、私が使っているヒロセ通商のホームページを見てみると、両建てについて、次のような解説があります。

ヒロセ

画像の一番下に、「当社では両建てを推奨いたしておりません。」と書いてありますね。

実は、ほとんどのFX会社にこのような注意書きがあります。なぜなら、買いと売りを無意味に持つことで、スプレッドが2倍かかるからです。両建てすると損益変動がロックされますが、いずれ買いと売りのポジションどちらも決済することになります。

結局、スプレッドコストが2倍かかり、経済的合理性に欠けることになります。特に海外では、両建ては無意味だとする傾向が日本よりも高く、中には、最初から両建ての注文方法を設定していないところさえあります。

1.2.戦略なき両建ての心理的な損失は甚大

次に、両建てをすることによる心理的な損失を考えてみましょう。

実際のトレードでは、投資心理が無意識に働きます。そのことを知って対処できるようになっていないと、不利な結果になります。こと両建てにおいては、初心者が戦略なき両建てをすると、高い確率で心理状態はパニックに陥ります。

その両建てが、戦略通りに機能し、含み益を一時的にロックしたものなら問題ありません。しかし、損切りしたくないからという理由で含み損のポジションを両建てした場合、メンタルは徐々に崩れていくでしょう。

なぜなら、「買いと売りのポジションを早くなんとかしなきゃ」という焦りから、ポジションを持っていること自体が強いストレスになるからです。両建てポジションのホールド期間が長くなるほど、このパニックは大きくなります。

例えば、含み損がどんどん拡大しているポジションを持っていると、大きなストレスを抱えることになると思います。そのような時は、まだ資金が枯渇していないとしても、メンタルが崩壊することは多々あります。

これと同じで、損失のポジションを両建てしていると、何かしらの打開策がないと、ポジションは外せなくなります。

「ポジションを外したい。けど、できない!」

文字ではなかなか表し切れませんが、このもどかしさは、尋常ではないプレッシャーとパニックに繋がります。

例えば、買いの含み損ポジションだけを持っているなら、戻るまでお祈りさえしていればいいです。何も行動する必要はありません。しかし、両建てをしていると、買いか売りのポジションを上手に外して利益に変える行動を取らなければならないですね。

皆さんは、不利な状況から有利にできるスキルは持ち合わせていますか?

片方だけの含み損ポジションでお祈りしている状況とは、辛さが違います。このように、両建てに失敗すると、あなたのメンタルを徐々に蝕んで(むしばんで)いくのです。

2.私の両建ての使い方

両建ては注文方法の1なので、手法というほどのものではありません。上述した通り、FX会社がおすすめしていないこともあり、一切使わなくても勝てないことはありません。

ただ、上手く使いこなすことで、利益を最大限に出しやすくなります。ここからは、私がFXで最大限の利益を出すための、ちょっとしたテクニックとして捉えてお読みいただければ幸いです。

まず、両建ては、「押し目」と「戻し」で行うことが重要です。これが分かれば、「この上ない楽しさ」や「極限の喜び」を感じることができます。詳しく見ていきましょう。

2.1.戦略的な両建てで上昇も下降も根こそぎ取る

相場は一方向へ進むことはなく、必ず押し戻しがあります。そこに合わせてタイミングよく両建てすることで、押し戻しの上昇と下降の両方を根こそぎ取ることができます。

次のチャートをご覧下さい。

1

3本の移動平均線が上向きになっており、上昇トレンドになっています。

もし、Aでロング(=買い)してBで利益確定できれば、かなりの利益ですね。ド底で入って天井で出ることになります。「そんなことができるのか?」と疑問に思われるでしょうが、チャート分析のスキルが上がれば、不可能ではありません。

これができるようになっているということは、、相場の波が読めるようになっていることを意味します。具体的には、上昇トレンドでは、上昇して反落し、また押し目をつけて上昇トレンドに回帰していく流れがあることが肌で分かっている状態です。

まずは、このレベルまで到達することが先決です。

そして、このような押し戻しの波が理解できたら、両建てを活用します。そうすると、上昇と下落を根こそぎ利益にすることができます。

具体的に見ていきましょう。次のチャートは、先ほどと同じものです。例えば、Aの安値で買いポジションを持ったとします。

2

AとBが同じ値幅でN波動を描いていますので、この時点で上昇トレンドの継続を予測し、Cはまだホールドする判断、そして、Dに来た時がポイントです。ちなみに、波動については、『相場の波を徹底的に理解するためのエリオット波動理論の全て』で解説しています。

2.2.トレンドの一時的な反転で両建てする

多くの方は、Dのポイントで利益を確定しようとするでしょう。

ただし、私はこうした場合に両建てをします。買いポジションを決済せずに、売りポジションを同時に持つのです。その後、Eで売りポジションだけを決済します。そうすると、買いポジションが残りますね。当初、底で買いポジションを持っていた状態に戻ったことになります。

そして、Fに来た時に再度売って両建てをし、Gで売りを決済して買いポジションだけにし、Hで再度両建てし、Iで売りポジションを決済します。この後、チャネルラインのIを下抜けた後に上昇トレンドが終了したと判断し、買いポジションを利益確定しても良いでしょう。

両建て判断のポイントは、上昇トレンドは、上昇した後に押し目をつけるために反落する、ということです。一時的に反落し、その後トレンド回帰するので、上昇していきます。

この反落の時に、両建てをするのがポイントです。そうすることで、買いオンリーで長時間ホールドするよりも、売りの利益も得られるため、もの凄い値幅を稼ぐことができます。相場の仕組みが分かっていると、「一時的に反転するため含み益も一時的に減ることがある」と理解できます。

たとえ含み益が減っても、いずれトレンド回帰するので含み益は回復しますが、この「一時的に含み益が減る場面も利益にしてしまおう」という発想です。これが、私の両建てのテクニックです。

2.3.両建てでポジションを育てる感覚を養う

ここで、「両建てをしないで、買いポジションを利益確定したら、ドテン売りすればいいじゃないか?」と思うかもしれません。ドテンとは、買いを決済すると同時に売りポジションを持つこと(もしくはその逆)のことです。

確かに、買いポジションの含み益が減るのが分かっていれば、あえて両建てせずにドテン(買いを決済して売りを持つ)し、また押し目ができたらドテン(売りを決済して買いを持つ)すればいいですからね。

ここで影響してくるのが、あなたの考え方やメンタルです。ここからは、「この上ない楽しさ」や「極限の喜び」を得るために、ポジションに思い入れを持つための考えとして捉えて下さい。

ポジションを長くホールドするつもりでトレードするデイトレードやスイングトレードは、細かい売り買いはおすすめしません。長いホールドほど、「ポジションを育てる」「ポジションを作る」感覚が出てきます。

この感覚がまだない方は、「ポジションを作る」という捉え方をすると良いかもしれません。

よく、ピラミッディングという建玉操作がありますが、これは、ポジションを長い時間かけて作り上げるという感覚でしょう。1回のエントリーだけでなく、どんどんポジションを増していきますからね。

そのトレードに対する思い入れも大きいでしょう。

ポジションがスクスクと育ち始め、含み益が出てくると喜びは大きいです。このポジション、すぐに決済したいでしょうか?育ててきた感覚があれば、すぐに決済したくありませんよね。しかし、ポジションを長く持てば、一時的に反転するポイントがやってきます。

一時的とはいえ、含み益が必ず減ります。

ここで両建てすれば、育てているポジションは決済せずに済みますね。一度手放してからまたエントリーすることと、最初から持っているポジションを育てていくのでは、喜びや思い入れは違います。

このように、ロング(=買い)をホールドしたまま両建てのショート(=売り)をすることには意味があります。上昇トレンドなら、買いポジションを育てながら押し目を作る場面では両建てのショートでも利益を上げる、これが最高のトレードといえるでしょう。

トレードを長く、そして楽しく続けるために、ぜひこのレベルを目指して下さい。ポジションを育てる感覚は、とても楽しいです。

なお、FXのポジションの建て方については、『FXの資金管理で利益を上げるために必要なノウハウの全て』で解説しています。

2.4.N波動を理解してこそ正しい両建てができる

買いも売りも根こそぎ利益にする両建てを可能にするかどうかは、あなたの知識レベル次第です。どのような手法にせよ、トレードで大勝ちしたいなら、適切な知識を付けて土台を強固にすることは欠かせません。

しかし、両建てで根こそぎ利益にするまで到達するのが難しいかというと、そんなことはありません。重要なのは、N波動をよく知ることです。N波動とは、「トレンドは必ずN字を描く」という次のような相場の波です。

3

N波動を理解すると、両建てする押し目と戻しのポイントや、両建てを外す場面などが分かり、適切なトレード戦略を立てることができます。

まとめ

両建てがストレスなくできるようになったら、一人前だと考えてもいいでしょう。トレードで利益を出す喜びを、この上なく実感できるようになります。

そうなるためには、まず練習が必要です。両建てをすることで自分がどんな心理状態になるかを経験し、そこから自分に合ったポジションの取り方を決めると良いでしょう。そして、FXを長く続けるつもりでしたら、買いと売りのポジションを”育てる”感覚を意識してみて、真剣に取り組んで下さい。

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