FXの専業トレーダーというと、皆さまはどのようなイメージをお持ちでしょうか?
プラスの面では、
「何億円も稼いでいてお金持ち」
「人生勝ち逃げして自由を満喫している」
逆に、マイナスの面では、
「収入が不安定で破産する可能性がある」
「社会的地位がなく、フリーターと一緒」
というように、様々な考えがあるでしょう。
FXは、短期間で驚くほどの収益を上げることもできる、夢のある投資です。1年で1,000万円、3年で5,000万円など、会社員の数倍の年収を稼げる可能性も秘めています。
みなさまの中には、いずれ、本業を辞めて専業トレーダーに転身することを目標にしている方も多いと思います。トレードの利益だけで生涯賃金を稼ぐことができるのは、魅力的ですよね。
そこで、この記事では、FXの専業トレーダーである私が、専業になるメリットとデメリットを比較し、成功するために必要なポイントを、心構えから実践まで全てお伝えします。
執筆者
ぶせな
FXの専業トレーダー。認定テクニカルアナリスト。 本格的にFXを開始してから10年で1億6,500万円の利益を突破。著書に、『最強のFX 1分足スキャルピング』『最強のFX 15分足デイトレード』(共に、日本実業出版社)がある。ツイッターアカウントは、『@busena_fx』、ブログは『億トレーダーぶせなブログ』。
はじめに:専業トレーダーの1日の生活スケジュール
まず始めに、FXの専業トレーダーとなった私の、月曜日から金曜日までの1日の大まかなスケジュールをご覧下さい。ただし、専業トレーダーの全てが同じスケジュールではないので、あくまでも一例として、イメージしていただければと思います。
時刻 | 行動 | 注釈 |
8:00 | 起床、チャートとニュースのチェック | |
8:30 | トレード開始 | 値動きを見る程度でほとんど取引はない |
11:00 | 外出(ランチ、所用、散歩など) | 自由時間 |
15:00 | 帰宅、トレード開始 | 本格的に参戦、食事、風呂以外はトレード |
25:00 | トレード終了、読書、就寝準備 | |
26:00 | 就寝 | |
FXは平日24時間取引可能なので、得意な時間帯がトレーダーごとに異なります。午前中の時間帯が得意な方は、昼過ぎにはその日のトレードを終わりにする場合もあるでしょう。
私の場合は、日本時間の15時から25時までの、売買が活発になるヨーロッパからニューヨークタイムが主戦場です。サラリーマンなら、帰宅後の21時頃から数時間トレードできますね。
このように、夜間にトレードできるのも、FXが人気である理由の一つです。詳しくは、『FXの取引時間別の特徴とトレード戦略の立て方』をご覧下さい。
FXで稼いで生活するためには、仕事と同じで、24時間のうち、どこかの数時間を集中してトレードすることが重要です。
仕事も、1日8時間くらいしますよね。これと同じで、専業の場合も、トレード時間は8時間くらいで充分です。ただし、ボラティリティ(価格変動の度合い)が高い相場だと、トレードチャンスが増えて取引時間が長くなるなど、日によって変わります。
余談になりますが、私が専業トレーダーになりたての頃は、毎日15時間はトレードしていました。当時は今よりボラティリティが高く、1日中スキャルピングのチャンスがあり、何よりも、トレードが楽しくて仕方ありませんでした。
ただし、このままでは不健康で体を壊すと思い、1日中着席してチャートに張り付くことは数年前に辞めて、現在はデイトレードのウェイトを高めています。
そして、11時から15時までは気分転換の時間と決め、この時間帯は必ず外出するようにしています。サラリーマンとはオンとオフの時間が昼夜逆していますが、平日の昼間が毎日オフな生活は、すごく充実感があります。
ちなみに、土日は完全に家族サービスの時間に充てています。ただし、子供が寝た後、21時から数時間を、トレードの復習と来週の予習の時間にしています。相場が動いていないからこそ、冷静にできることがあります。
ポイント!
専業トレーダーになって成功すれば、全てが自由になり、ストレスがない生活が可能になります。
次の章では、私が専業トレーダーになるまでの経緯を振り返ってみます。
1.専業トレーダーになって大きく変わった2つのこと
私は、大学卒業後、普通の会社員として約10年間働いた後に、FX専業トレーダーになりました。
現在、専業トレーダーになって10年経ちますが、月間の勝率は90%を超え、年間の損益では一度もマイナスはありません。
そして、専業トレーダーになって後悔したことも一度もありません。
私には、会社員の経験もあり、「専業」と「兼業」の違いがよく分かるので、良い面も悪い面もよく知っています。専業の良い面と悪い面を1つずつ挙げると、次のようなことがあります。
《専業トレーダーの実態》
- 良い面:とにかく自由でストレスがない
- 悪い面:勝てなくなって収入がなくなる不安
専業トレーダーである限り、上の2つは頭の中から消えることはないと思って下さい。
この章では、専業の良い面と悪い面を、私の経験を通じて具体的にお伝えします。
良い面:悩みが消えてストレスから解放
私が会社員の時に一番ストレスを抱えていたことは、職場の人間関係でした。
今思うと、私は、誰とでも上手にコミュニケーションが取れる人間ではなかったのかもしれません。毎日顔を合わせていくうちに苦手意識がどんどん強くなり、あと30年も人間関係で悩むのかと考えると、大きなストレスになっていました。
このような事情もあったので、会社を辞めて専業トレーダーになり、ストレスから解放された瞬間の感覚は、今でも忘れられません。
なぜなら、上司や同僚の目を気にすることもなく、全て自分で決断し、自分のためだけに生活できる環境を手に入れたからです。また、「満員電車に乗らずに済む」「好きな時間にランチに行ける」など、日常の小さな喜びも感じられるようになりました。
くだらないと思う方もいるかもしれませんが、このことは、私にとっては重要なことでした。
このように、専業トレーダーになって、毎月安定して勝てるようになることが、悩みを解消できる方法だと考えたのです。
悪い面:勝てなくなる不安が常に付きまとう
ただし、専業トレーダーになることがゴールではなく、ここからが本当のスタートです。
なぜなら、会社員から「デイトレーダー」という職種に”転職”しただけだからです。専業になった瞬間から、トレードで生涯賃金を稼がなくてはなりません。少なくとも、会社員の年収以上は稼ぎたいですよね。
もし、年収500万円で会社を辞めずに、定年まであと20年働いたとしたら、1億円の賃金を得ることになります。つまり、専業トレーダーに転身するなら、トレードで最低でも1億円以上は稼ぐ必要があります。
果たして、何億円も稼げるでしょうか?
また、トレードで損する場合もあるので、同じくらいの金額を減らす可能性もあることを常に考えなければなりません。
いつか大損するのではないかという不安は、専業トレーダーになってから常に私の心に付きまとっています。
一度稼げなくなると、今の生活は全て崩れてしまいます。FXに限らず、トレードのリスクとリターンは常に同じで、この不安を拭い去ることはできません。
少し勝てない時期が続くと、いつか稼げなくなる不安が一気に襲ってきます。私も、会社員の給与のような定期的な収入がない状態は、想像していた以上に日々のプレッシャーになりました。
厳しいことを言いますが、皆さまも例外なく同じようなプレッシャーを感じるとお考え下さい。
さらに、トレードは、昨日まで勝てたからといって、明日以降も勝てる保証はありません。私の現在の平均年収は、会社員の時と比べて相当増えていますが、将来もそれがずっと続く保証はどこにもありません。
トレードで1億円を稼げるとすごいと思うかもしれませんが、一生分の生活費を考慮すると、1億円では足りないことに気付きます。
会社員で安定した収入がある1億円と、専業トレーダーのような不安定な職業での1億円を、同じ感覚で扱ってはいけません。
ポイント!
専業トレーダーになると、心の状態が変化します。まず、今の自分の状況をしっかり認識することが必要です。
2.専業トレーダーのメリットとデメリット
次に、専業トレーダーのメリットとデメリットを具体的に考えてみましょう。
早く会社を辞めたい気持ちが先行しても、デメリットを考えずに勢いだけで専業トレーダーになってはいけません。メリットとデメリットを何度も天秤にかけ、それでも気持ちがブレないようなら、専業トレーダーの道を選択してもいいと思います。
2.1.メリット
専業トレーダーのメリットを享受するためには、「勝ち続ける」という大前提があります。
トレードで勝ててこそ、専業トレーダーとしての生活が成立します。会社員のように、毎月安定した給料が入ってくることで生活ができるのとは対象的ですよね。
これを踏まえた上で、専業トレーダーの主なメリットを挙げてみましょう。
《専業トレーダーになるメリット》
- いくらでも稼げる土俵がある
- 自分の時間が大幅に増える
- 金銭的な余裕が生まれる
- ノートパソコンが1台あればどこでも仕事ができる
- 人間関係の悩みが一切無くなる
- 満員電車や通勤の苦痛から解放される
このように、お金と時間に余裕ができるので、やりたかった事が実現できる上、趣味にも没頭できます。また、生活に困らないくらい稼いで早くリタイヤできれば、最高の人生です。
言うまでもなく、これを可能にしてくれるのが、FXです。
2.2.デメリット
次に、専業トレーダーの主なデメリットを挙げてみます。先ほどのメリットと見比べて下さい。
《専業トレーダーになるデメリット》
- 稼げなくなる不安とプレッシャーが大きい
- 資産の変動が激しくなる
- 社会的な地位が一切なくなる
- 孤独感が強くなる
- 損益変動によりメンタルの浮き沈みが激しくなる
専業になるということは、会社員の肩書きを捨てて起業するようなものです。しかし、トレードで稼いで資産を増やせるようになれば余裕が生まれ、このデメリットは次第に薄れていきます。
結局のところ、いかに勝ち続けるかが重要になってきます。
資産が順調に増えれば、先ほどお伝えしたメリットを享受できますが、途中で大損して資産を大幅に減らしてしまうと、デメリットが突然あなたの身に降りかかります。
ただし、継続して勝っていれば、これらのデメリットを押しのけることは可能です。問題は、思うように勝てない時期にどう対処するかです。
厳しいことを言うかもしれませんが、デメリットを受け入れられないなら、専業トレーダーになることに私は賛成できません。
2.3.私からのアドバイス
私は、35歳までに専業トレーダーとして成果が出なかったら、年齢的に再就職が可能なうちに定職に就くつもりでいました。なぜそう思ったのかというと、私には家族がいるので、資金が底を突く状況は絶対に避ける必要があったからです。
そこで、最初に投資する運用資金を1,000万円と決め、これで負けたら35歳にならなくても再就職するつもりでした。資金については後述しますが、たとえ専業で上手くいかなくて撤退したとしても、いくらかお金を残しておけば、家族が路頭に迷うことはありません。
最悪なのは、全財産を運用して無一文になることです。そうなれば、家庭も崩壊しかねません。それだけは避けるために、資金管理を徹底しました。負けたら、欲もプライドも関係ありません。割り切って、再就職する覚悟も必要です。
ちなみに、現在もこの考えは変わっていません。具体的には、1,000万円負けたら、いったんFXから撤退するつもりで毎日真剣に取り組んでいます。
トレンドと同じで、勝ち続けて調子がいい時はそれを継続し、負け始めて調子が悪い時は躍起にならずに損切りする。このように資金管理を徹底すれば、お金は残ります。
もちろん、大元の運用資金1,000万は失わないようにしています。1,000万円は残るという安心があれば、あとは思う存分リターンを伸ばすことに集中できます。
ポイント!
専業トレーダーには、メリットとデメリットがあります。デメリットを受け入れられるかどうかを自分に問いましょう。
3.専業になるために必要な「資金」で注意すべきこと
専業トレーダーになる時に、いくらくらいの資金が必要なのか不安になる方も多いと思います。
資金は多ければ多いほど有利で、1,000万円と1億円だとしたら、1億円のほうが当然有利です。ただし、必要な資金は、年齢や家族構成、リスク許容度などに応じて異なります。
詳しく解説していきます。
3.1.トレード時間と利益は比例しない
参考までにお伝えすると、私が専業トレーダーになった時の資産は、約5,000万円でした。30代前半の貯金で考えたら、恵まれていたかもしれません。なぜなら、当時はサラリーマンの安定した収入があった上、副業のFXで稼げていた状態だったからです。
しかし、5,000万円という資金は、専業トレーダーとしては決して多い金額ではありません。その理由は、毎月の生活費が必ず発生する上、少し損失が膨らむと、数年でなくなってしまう金額だからです。
どういうことかというと、専業トレーダーになるということは、これまでの定期収入が一切なくなり、トレードだけの利益で生活していくことを意味します。「何とかなる」と甘く考えていると、徐々に資産が減っていき、自分自身のメンタルが崩れていくことにもなりかねません。
厳しい現実をお伝えすると、プレッシャーに耐え切れずに兼業トレーダーに戻る方も多いです。
専業トレーダーになれば、トレードできる時間が大幅に増えて利益も増えると思うかもしれません。しかし、トレード時間と利益は比例しません。むしろ、「稼がなくてはならない」というプレッシャーを抱えて1日中トレードしているので、精神疾患を患う方も多いのも事実です。
専業になる前となった後のギャップに耐えられなくなり、思い詰めてしまうのかもしれません。
3.2.年齢や環境によって異なる
専業トレーダーになるために用意する資金は、あなたの環境にもよりますが、たとえ1,000万円でも充分にも不足にもなります。
もし、あなたが今20代前半の独身で親と同居していたら、贅沢しなければ生活費はほとんどかからないでしょう。
そして、たとえトレードで勝てない月があったとしても、すぐに資金が枯渇することはないはずです。万が一、1,000万円負けて資金がゼロになっても、まだ若いので仕事も探せます。
この場合、「たとえ負けてもまた働けばよい」と腹をくくっていれば、定期収入がなくてもプレッシャーにはなりません。つまり、リターンを得るためにいくらでもリスクが取れます。
一方、50歳の妻子持ちで住宅ローンがある場合、1,000万円の資金で専業トレーダーになるには少な過ぎるでしょう。もし負けたら、年齢的にも再就職は難しいのではないでしょうか。そうなってしまうと、ローンの返済ができずに家族を路頭に迷わすことになりかねません…。
このように、年齢や環境によって、専業トレーダーになる時に必要な資金は全く異なります。そのため、最悪の場合を想定して、どこまでリスクが取れるのかをよく考えることが大切です。
3.3.生活に余裕を持ってトレードできるかどうか
たとえトレードで勝てない時期があったとしても、何年も生活できるだけの貯金はしておくべきです。
今月勝てないと家計が火の車、という切羽詰まった状況では、専業トレーダーとしての成功は難しいでしょう。なぜなら、毎回負けられないトレードの連続になると、適切な利食いや損切りの判断ができないからです。
おそらく、利益が出ていても、含み益がなくなる恐怖が邪魔をして、利益を伸ばすことができずにすぐに利益確定してしまうと思います。逆に、含み損の場合は、損失を受け入れられずに戻るまでお祈りするようになります。そうなると、待っているのは一発大損です。
トレーダーは、資金が少ないほどリスクを取って大きく稼ごうとします。
元手が100万で毎月50万円稼ぐ場合と、元手が1億円で毎月50万円稼ぐ場合では、前者のほうがかなりリスクを取る必要があります。50万円稼ぐために絶対に負けられないというプレッシャーがかかるほど、メンタルに悪影響を及ぼし、無理なトレードをしてしまいがちです。
そうならないために、常にリラックスした状態で、あなたが決めたルール通りのトレードができる資金を用意することが重要です。
ポイント!
専業トレーダーに必要な資金は、各々の環境によって異なります。どこまでリスクが取れるか、よく考えておきましょう。
4.専業トレーダーになると求められる能力
専業トレーダーになる決意をするということは、勝てる手法が構築できて、専業でも食べていける自信がある程度できたからだと思います。しかし、「安定して勝ち続ける手法は存在しない」ことを知っておく必要があります。
このことについて、詳しくお伝えします。
4.1.相場の変化に応じて手法を修正する
もしあなたが、1つの手法だけでこの先ずっと勝ち続けることができると考えていたら、少し危険です。なぜなら、相場は変化するからです。
相場には、同じトレンドは存在しません。また、値動きやボラティリティ(価格変動の度合い)は毎日違います。
さらに、機関投資家の手口(注文の状況)や、実需勢の変化、注目の通貨、ファンダメンタルや各国金融政策など、相場の変動要因は刻々と変わり、それに応じてテクニカル分析のやり方も違ってきます。
ようやくトレードで勝ち始めたとしても、それはあなたのやり方が、偶然その時の相場に合っていただけかもしれません。もし、相場全体の値動きが変わってしまったら、そのルールが機能しなくなる可能性があります。そのため、相場の変化に対応するスキルが求められます。
多くの方は、1つの方法で勝てるようになっただけで、「FXで勝てるようになった」と安心してしまいます。しかし、専業トレーダーになるためには、勝てるルールがあるのは当たり前で、その後のこともしっかり考えておく必要があります。
専業トレーダーには、相場の変化に日々対応して、トレード手法を修正する適応力が求められます。相場が変わった途端、勝てなくなることがあってはいけません。
4.2.勝てる基盤を一度作っても戦略の引き出しを増やす
「勝ち続ける手法は存在しない」というと、全く異なる手法をいくつも持っていないとダメと思うかもしれません。しかし、全てを変えるということではなく、1つの基盤を作ったら、相場に合わせてエントリーからイグジットの「タイミング」を変えるだけでも、改良になります。
手法を1つ構築したということは、戦略を立てる基盤ができているはずです。例えば、私の手法の1つであるエンベロープを使った逆張りスキャルピングは、チャートの設定は専業になってからもずっと同じです。そのため、エントリーサインが出るタイミングは、どんな相場でも同じです。
しかし、サインが出たからといって、むやみにエントリーしているわけではありません。
その日の相場に合わせて、サインが出る前にエントリーすることもあれば、我慢してエントリーを遅らせることや、見送ることもあります。また、逆張りではなく、順張りに変更する日もあります。
つまり、チャート設定と手法が同じでも、利益が取れるポイントは毎回違うのです。そのため、基盤となるルールを作ったあとは、相場に合わせて戦略を立てる「引き出し」を増やしていくことが重要になります。
基盤があってこその手法です。そして、その基盤が強固なほど、どんな相場が訪れようと崩れません。そして、基盤を作るためには、相場の知識が必要です。
相場に関する知識があれば、例えば、「こういうチャートパターンが出ると反転する」「ローソク足のここを見るとスキャルピングができる」など、相場を予測するスキルが身に付きます。
このような知識が多ければ、最初に出来上がる基盤をより強固にすることができます。
ポイント!
同じやり方でずっと勝てる保証はありません。相場に応じて、利益の出し方も変えていく必要があります。
4.3.健全なトレードができる能力や環境を整える
専業になって生活するためには、次のような能力を、バランス良く発揮する必要があります。
- トレードルールの構築
- ルールを淡々と遂行
- メンタルの維持
- 資金管理を守る
- 新しいやり方を発見する
- モチベーションを持ち続ける
- 攻めと守りの見極め
- ファンダメンタルとテクニカルの分析
- 人間関係が変わることへの対処
- 健全な生活を送ること
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以上はほんの一例ですが、どれかが優れていたとしても、他の項目が足を引っ張るようだと、いずれ勝ち続けることができなくなります。
一つ一つの能力を最大限高めることも必要ですが、広い視点でバランス良くスキルアップの向上に取り組むことも必要です。そのためには、ダメな項目をなくしていかなくてはなりません。
例えば、トレードは格段に上手でも、運動不足で体を壊してしまったら、本末転倒ですよね。
これを同じで、最初の数年間はずっとチャートに張り付いていても問題ないでしょうが、運動不足は、将来的にトレードに悪影響を及ぼします。不規則な生活や人付き合いがない環境は、あなたが気付かないうちに、脳に悪影響を与えている可能性もあります。
感覚的なことですが、私も実際、自分の殻に閉じこもったり、運動不足だと、勝ち続けることができない気がしています。
逆に、健全な生活をしていても、唯一、守りのトレードができずに無茶なトレードをして失敗することもあるでしょう。また、どんな素晴らしい着眼点があっても、ルールを遂行するスキルが欠けていれば、それがメンタルへ波及するなど、勝てなくなる要因はいくらでも発生します。
誰しも、「今は大丈夫、問題が発生した時に考えよう」と思うものです。しかし、いざ悪い状況になると、解消できずにズルズルと落ちぶれていくトレーダーもいます。そうならないように、先回りして、せめて心の準備だけでもしておきましょう。
ポイント!
専業トレーダーは、勝てる手法だけがあっても成り立つとは限りません。勝ち続けるためには、色々なことをバランス良くこなしていく必要があります。
5.専業になってFXで生活する目標を明確にしよう
FXに本気で取り組んで勝ち始めると、ロット数(取引通貨量)も大きくなります。そうすると、損益変動も大きくなり、メンタルの起伏も激しくなります。また、精神的に辛いことも、多々出てきます。
そのような時は、「何のためにFXで生活をしているのか?」と自問自答してみましょう。FXに限らず、仕事で嫌な気分になった時に目標がないと、会社を辞めたくなりますよね。
この答えが明確でないと、途中で挫折してしまうかもしれません。
特に、FXはハイリスク・ハイリーンの投資なので、目標がないと、挫折した時にそのまま諦めてしまう可能性が高いです。そうならないように、明確な目標を持ちましょう。
ちなみに、私の目標は「勝ち続けること」です。少し控えめに言うと、「トレードで生活が維持できればそれで良し」です。専業トレーダーになる時、「トレードで生計を立てるんだ!」と意気込んでいた時の目標は達成できていますからね。
このように、FX専業トレーダーになってからも、これからも利益を出し続けるために何をしたらいいかを常に考えています。例えば、損切り1つにしても、勝ち続けるために最適な行動なのか?と問いかけると、答えは出てきます。
また、連敗する日が続くと自信をなくしますが、「勝ち続けるために」今すべきことは何か?と考えることで、ここで立ち止まるわけにはいかないと思い、翌日から普通にトレードできたりします。
その際、その時の一時的な感情ではなく、長期的に見て最適な行動を心掛けることがポイントです。これは、勝っている時期でも同じです。
具体的には、トレードの調子が良い時期でも決して奢らず、新しい手法を考えたり、ロットの調整が適切かなどを常に考えるようにしています。
このように、「勝ち続けるために」という明確な目標を決めておくことで、全ての行動において、一貫性のある理由付けができるようになります。
その結果、損益が変動してもメンタルがブレなくなりました。
ポイント!
専業トレーダーになって何をしたいのか、目標を明確にしておくと良いでしょう。負け込んだ時は、それを思い出すと基本に立ち返ることができます。ただし、無茶な利益目標は、逆にプレッシャーになるので注意して下さい。
まとめ
専業トレーダーは、一言でいうと、「勝てば天国、負ければ地獄」です。そのため、専業になるかどうかは、決して決断を急がず、リスクとリターンを熟考した上で決めるようにして下さい。
専業トレーダーになる決断が早過ぎると、後々問題を引き起こしかねません。専業トレーダーになったら生活がどう変わるのか、メリットとデメリットをよく比較して、今のうちから考えておきましょう。
専業トレーダーになる前にリスクを把握して、それにしっかり準備するのか否かで、専業になった時のスタートが大きく変わります。
普通の会社員だった私でさえ、専業トレーダーで生計を立てることができているので、みなさんもきっとできるはずです。
まずは、「帰宅後は1時間はチャートを見る」「寝る前にFXの本を読む」など、負担にならない小さなことから始めることが、成功への第一歩につながります。がんばって下さい。