スキャルピングとは、FXや株式投資で、新規注文から決済(反対売買)までを数秒~数分といった超短期で完結するトレード手法のことです。
元々「頭の皮を剥ぐ」という意味があり、薄い皮を何枚も剥ぐように、相場から小さな利益を何度も繰り返し取ります。結果的に、1回のトレードが超短期になるのが特徴です。
「スキャルピングで早く大きな利益を稼げるようになりたい」と興味を持ったのはいいものの、投資の世界は甘くはなく、思うように稼げない方も多いと思います。
もし、そのような悩みを抱えているなら、このページで解決できます。なぜなら、このページでは、私がFXのスキャルピングで勝てるようになった経験を基に、
- 勝つために必要な知識と考え方
- 損小利大のスキャルピングを実現する具体的なノウハウ
など、必要なことを全て解説しているからです。ぜひ、お役立て下さい。
執筆者
ぶせな
FXの専業トレーダー。認定テクニカルアナリスト。 本格的にFXを開始してから10年で1億6,500万円の利益を突破。著書に、『最強のFX 1分足スキャルピング』『最強のFX 15分足デイトレード』(共に、日本実業出版社)がある。ツイッターアカウントは、『@busena_fx』、ブログは『億トレーダーぶせなブログ』。
1.はじめに:私のトレード実績について
まず始めに、私のFXの実績をお伝えします。下のグラフをご覧下さい。これは、私が2009年に本格的にスキャルピングを開始してから、2019年末までの利益の推移を表したものです。

オレンジの折れ線は年間利益、青い棒グラフは累積利益です。2009年にFXを始めてから、3年目の2011年には5,000万、5年目の2013年には1億を超えることができました。そして、グラフにはありませんが、2020年現在は、1億6千万円を超えています。
前置きはここまでにして、肝心のスキャルピングについて、説明していきます。
2.スキャルピングとは
最初に、スキャルピングとは、どのようなトレードなのかをしっかり説明します。
FXには、大きく分けて、次の3つのトレードスタイルがあります。イメージとしては、次の表のような感じです。
トレード手法 | 特徴 | トレード回数 | 利幅 |
スキャルピング | 1回のトレードは数秒から数分 | 平均20回/日 | 1~10pips |
デイトレード | 1回のトレードは数十分から数時間 | 平均1~5回/日 | 10~100pips |
スイングトレード | 1回のトレードは数日から数ヶ月 | 平均1~10回/月 | 数十~数百pips |
トレード 手法 | 特徴 | トレード 回数 | 利幅 |
スキャルピング | 1回のトレードは 数秒から数分 | 平均 20回/日 | 1~10pips |
デイトレード | 1回のトレードは 数十分から数時間 | 平均 1~5回/日 | 10~100pips |
スイングトレード | 1回のトレードは 数日から数ヶ月 | 平均 1~10回/月 | 数十~数百pips |
この表だけでは細かい特徴を伝えきれないので、さらに詳しく解説させていただきます。
2.1.スキャルピングは短期で利益が積み上がるスタイル
スキャルピング(“scalping”)は、上述の通り「頭の皮を剥ぐ」という意味があり、薄い皮を何枚も剥ぐように、相場から小さな利益を取ることを何度も繰り返すこといいます。
私の場合、1日10回程度の時もあれば、ボラティリティが高い日は100回以上トレードすることもあります。相場により、トレード回数が大きく変わるのもスキャルピングの特徴です。
2.1.1.私のスキャルピングのトレード事例
スキャルピングをやると、どんな売買結果になるのでしょうか?
実際に見ていただいたほうが分かりやすいと思いますので、私の実際のスキャルピングの取引履歴をご覧下さい。

このように、スキャルピングは、値動きのある通貨ペアでは、1日の間で何回もトレードチャンスがあります。そのため、期待値が高いルールを基に、コツコツとトレードをやり続ければ、利益が増えていくスピードが圧倒的に早いのが特徴です。
2009年にFXを本格的に開始した私の目標は、「少しでも早く専業トレーダーになりたい!」でした。そのため、利益が積み上がるスピードが早いスキャルピングに専念し、毎晩21時から26時までトレードしていました。
幸い、この時間帯は世界中で為替相場が活発になる時間です。そうすると、相場が上下動してスキャルピングのチャンスが多くなり、収益機会が増えます。
結果的に、3年目に5,000万円の利益を達成し、専業トレーダーになることができました。スキャルピングは、上手くいけばとても夢のあるトレードスタイルなのです。
2.1.2.トレードスタイルごとに稼ぎ方は違う
もし、あなたが、どのトレードスタイルを選ぶべきかで悩んでいるなら、元手資金と目標から逆算して決めるといいでしょう。
それには、理由があります。
「どのトレードスタイルがいいのか?」と聞かれると、本当の答えは「人による」になってしまいます。しかし、そう言われても、困ってしまいますよね。そのため、あなたが判断する時の参考にしていただければと思っています。
トレードスタイルについては、元手資金と目標に応じて、次のようにお考え下さい。
トレードスタイル | 元手資金 | 目標 |
スキャルピング | 少ない | 会社員以上に稼ぎたい。専業トレーダーになりたい。 |
デイトレード | 普通 | 給料以外の収入源を得たい。 |
スイングトレード | 多い | 未来のために長期的にお金を増やしていきたい。 |
トレードスタイル | 元手 | 目標 |
スキャルピング | 少ない | 会社員以上に稼ぎたい。 専業トレーダーになりたい。 |
デイトレード | 普通 | 給料以外の収入源を得たい。 |
スイングトレード | 多い | 未来のために長期的に お金を増やしていきたい。 |
少ない元手資金から始めて、給料以上に稼げるようになりたいなら、スキャルピングは最適です。「簡単そう」などと、甘い考えは持たないでいただきたいのですが、リスクを取れば、1年で数十~数百%という利回りが可能な世界です。
しかし、スイングトレードで同じ利回りを目指すとなると、1回あたりのトレードで負うリスクがとてつもなく大きくなってしまいます。
スイングトレードで、短期的にものすごく稼ぐ人もいますが、結果だけで判断すべきではありません。なぜなら、リターンに潜んでいたリスクは膨大であり、そのリスクを乗り越えた結果、短期的に稼げたということだからです。
ただし、スキャルピングよりも、スイングトレードのほうがハイリスクなわけではありません。リスクに晒(さら)される時間が、スイングトレードのほうが圧倒的に長いということです。
そのため、初心者ほどメンタルが崩壊してしまう恐れがあります。リスクの大きさではなく、リスクを取る時間の長さにになります。
私の実例を元に、詳しく説明させていただきますね。
実は、私は、2009年より以前の2005年からFXはやっていたのですが、スキャルピングをやるまでの4年間は、スイングトレードをしていました。そして、1,000万円以上の大損失を出してしまいました。
失敗の最大の原因は、目標とトレードスタイルが合っていなかったことです。元手資金を、短期間で急激に増やそうとしてしまったのです。そして、全てが無茶なトレードになっていました。
結果、本来スイングトレードにかけるべき水準をはるかに超えるレバレッジでトレードをして、リーマンショックが来て、一発で1,000万以上の大損失を被ったのです。
当時はまだ20代でしたので、危うく人生を台無しにするところでした。
なお、詳しくは、『FXで失敗して1000万円以上の大損をした事例と重要な教訓』をご覧下さい。私のようにならないように、あなたは、必ず元手資金と目標に合ったトレードスタイルを選んで下さいね。
2.2.スキャルピングで勝つための2つの大前提
スキャルピングは、小手先のテクニックで勝てるほど甘くありません。
そこで、スキャルピングで稼ぐための知識や考え方をはじめ、他のトレードスタイルと比べた時のメリットとデメリットを徹底的に解説させていただきます。
これからお伝えすることは、スキャルピングで利益を得たいなら、当たり前のように知っておくべきことばかりです。
しかし、このような当然の知識や考え方を持たずにいきなりトレードして、負ける方が非常に多いのが事実です。そのため、あなた自身で心底納得し、実践していくイメージでお読み下さい。
2.2.1.薄利を繰り返して爆発的な利益を得る手法
スキャルピングは、3つのトレードスタイルの中で最も爆発的に利益が増えるスタイルです。
少ない元手資金でも、会社員では不可能と言えるほどの大きな利益を得ることも可能です。しかし、これは、1回のトレードで大きな利益を得られることを意味するわけではありません。
1回当たりのトレードで得られる利益は、ほんの僅かです。例えば、トレード1回当たりの期待値が+100円だとします。このトレードを1,000回行えば10万円の利益、1万回行えば100万円の利益です。
このように、回数を多くトレードすることで、最終的に爆発的な利益になります。まずは、このことをしっかりと理解しておいて下さい。
2.2.2.取引回数が多いのでコストを徹底的に下げる必要がある
FXでは、1回トレードを行うごとに、業者に取引コストを支払うことになります(コストが何かは後述します)。
そして、上述の通り、スキャルピングで本気で稼ぐには、何千回、何万回という回数をこなす必要があります。これは、取引コストが高い業者を使っていたら、トレード手法がいかに優れていても、負けてしまうことを意味します。
例えば、「1回の勝ちで+500円、1回の負けで−500円、勝率60%のトレードルール」があるとします。この時、1回当たりのトレードの期待値は、100円(=500円×60%-500円×40%)のプラスになります。

トレードの期待値がプラスなので、トレードをやればやるほど利益が積み上がっていきます。
スキャルピングは、このように、期待値がプラスのトレードを淡々と行っていくものです。しかし、もし1回のトレードで150円の費用がかかるとしたら、どうでしょうか?
その場合、1回の勝ちで得られる利益は、350円(=500円-150円 )に下がります。一方、1回の負けで出ていく損失は、▲650円(-500円-150円)に上がります。この時、1回当たりのトレードの期待値は、▲50円(=350円×60%-650円×40%)のマイナスになります。

この場合、トレードの期待値がマイナスなので、やればやるほど損失が増えていきます。本来は勝てるトレードルールのはずなのに、取引コストが高いせいで最後は負けてしまうのです。
それでは、1回の取引コストが150円ではなく、30円の業者だったらどうでしょうか?
この場合、1回の勝ちで得られる利益は、470円(=500円-30円 )です。一方、1回の負けで出ていく損失は、▲530円(=-500円-30円)です。この時、1回当たりのトレードの期待値は、70円(=470円×60%-530円×40%)のプラスになります。

話を整理すると、取引コストが高い場合は期待値がマイナスだったのに、取引コストが安い場合は期待値がプラスに戻りましたね。このように、スキャルピングで勝つには、取引コストを徹底的に下げる必要があるということを絶対に忘れないようにして下さい。
2.3.スキャルピングのリスクと注意点
FXに限らず、投資は、リターンが得られる分、損するリスクもあります。
それは分かっているよ、という方は多いでしょう。
それでは、スキャルピング特有のリスクがあるとしたら、答えられますか?
もし知らなければ、あなたもリスクに晒(さら)されることになります。これからスキャルピングやるなら、絶対に理解しておきましょう。
結論からお伝えすると、スキャルピングのリスクは、「売買回数の多さ」です。
なぜ売買回数が多いとリスクになるのかは、次からわかりやすく説明するので、しっかり付いてきて下さいね。
2.3.1.期待値に収束する時間が短い
スキャルピングのように売買回数が多いと、その手法の期待値に収束する時間も短くなります。
ある手法で100回トレードした場合の期待値を検証してみましょう。
スイングトレードの場合、100回のトレードをこなすのに1年かかるとします。しかし、スキャルピングなら、1ヶ月でこなせるでしょう。
その手法の有効性を検証するのに、スイングトレードなら1年、スキャルピングなら1ヶ月です。つまり、スキャルピングなら12倍の速さで検証できることになります。
これだけで考えると、スキャルピングのほうが上達も早く、儲かるように感じるかもしれません。しかし、損するスピードも12倍になることを忘れてはいけません。
あなたのトレードスキルが上達するスピードよりも、損するスピードのほうが速いと、あっという間に資金が減っていきます。スイングトレードをやった時よりも12倍で上達することはあり得ないのです。
言い換えると、期待値が低いトレードを短期間で繰り返していると、ものすごいスピードで負けていくことになります。
また、1回のトレードのリスクが少ないと、取引回数をもっと多くして稼ぎたいと思うようになります。そして、期待値が低いタイミングで無駄にトレードを繰り返し、いくらやっても勝てない状況に陥りかねません。
問題は、その状況に気付かないことです。売買を繰り返していると、トレードをしている満足感は得られるため、無駄なトレードを繰り返していると自分で気付くのは困難です。
このように、売買回数が多いと余計なトレードをしてしまいがちになるので、1回のトレードの期待値は低くなります。そして、この状況に気付かないということが、スキャルピングのリスクになります。
2.3.2.売買回数が多い人ほど負けていく
FX業界には、「1年間で勝つ人の割合は30%前後」という統計があります。
これは、FX人口が500万人いるとしたら、そのうちの30%の150万人が1年間プラス収支ということになります。勝つと言っても、定義が難しいので、ある程度満足できるような結果を出せる人だとお考え下さい。
こんなにいるの?と思うかもしれませんが、この150万人のうち、次の年も勝てる人の割合も30%で、45万人です。その翌年も30%で13.5万人、5年後には1.2万人しか残らない計算になります。そして、10年後も勝てている人は、わずか30人です…。
つまり、10年間毎年勝ち続けられる人は、500万人のうち30人程度ということです。
これは、大雑把な計算ですが、この統計は「取引回数が多くなるほど勝ち続けるのは難しい」ということを示唆しているのではないでしょうか。
仮にスイングトレードだとしても、何年も継続していけば取引回数は増えていきます。ということは、もともと取引回数が多いスキャルピングだと、早い段階で勝ち負けの結果が出やすいということになります。
さらに、上述のようにスキャルピングでトレード回数が多いと、短期間で莫大なコストがかかります。期待値が低いトレードをしつつ、莫大なコストを払っていたら、負けてしまうのは目に見えています。
2.3.3.リスクを知ることですでに優位性がある
では、スキャルピングにはリスクがあるので、やらない方がいいのでしょうか?
いえ、そんなことはありません。リスクを解消できれば、短期間で大きく稼ぐというメリットを享受できます。リスクとリターンは同じです。リスクを解消すれば、自ずとリターンが返ってきます。
スキャルピングには、先ほどのようなリスクがあることを認識するだけでも、すでにあなたは優位な立場です。なぜなら、リスクを認識することで、その行動を回避できるからです。ほとんどの人が、このリスクを知らずにトレードを始めてしまいます。
売買を繰り返すと、トレードした気分にはなります。しかし、スキャルピングで稼ぐことを目的とするなら、期待値の高いポイントに絞ってトレードを繰り返すことが重要になります。
私は、スキャルピングを始めて10年以上経っていますが、リスクは絶対に忘れないようにしています。今のところ毎年利益が出ていますが、リスクを解消する行動を取っているからかもしれません。
そのため、スキャルピングに興味を持った方は、リスクは忘れずにいて下さい。そして、このあと説明する知識をしっかり吸収しましょう。そうすれば、大きなリターンを得ることができるはずです。
3.スキャルピングで勝つ環境を作る~おすすめFX会社
それでは、ここからあなたがスキャルピングで勝つための具体的な内容に入っていきます。
まずは、スキャルピングで勝てる要素を満たしたFX業者で口座を開設する必要があります。しかし、FXを始めたばかりの方は、口座を選ぶ時に、何をチェックすればいいのか分からないと思います。そこで、最初に、口座の選び方について解説します。
3.1.FXでかかる2つの取引コストを知ろう
先ほど、スキャルピングで勝つためには徹底的に取引コストを下げる必要があることをお伝えしました。それでは、スキャルピングの取引コストとは、具体的には何でしょうか?
答えは、スプレッドとスリッページの2つです。
スプレッドは「買値と売値の差」、スリッページは「注文して約定するまでのコンマ何秒のズレ」のことです。詳しく見ていきましょう。
3.1.1.スプレッドが狭い口座を選ぶ
スキャルピングでは、スプレッドが狭いほうが有利になります。
なお、スプレッドの知識が不十分な方は、次の記事を先に読んでおくと、この後の理解も深まりますので、参考にして下さい。
≫ FXのスプレッド|手数料を抑えて利益を最大化するコツと業者間比較
スプレッドの数値はほとんどのFX会社が公開しているので、取引する通貨ペアごとに比較可能です。ただし、スプレッドは「原則固定」が一般的で、経済指標時や売買が急増するポイント(高値や安値ブレイク時など)では、一時的にスプレッドは拡大します。
相場が大きく変動する局面は、スキャルピングのチャンスであることが多いですが、エントリーしたくても、スプレッドが拡大してエントリーしにくい、ということはよくあります。
このような一時的なスプレッド拡大は、FX会社次第です。
表面上は狭いスプレッドを提供していても、実際にエントリーしたいタイミングではスプレッドが拡大している口座もあるので、やはり、その口座を使って体感することが必要です。
3.1.2.スリッページが少ない口座を選ぶ
スキャルピングでは、スリッページが少ないFX会社を選ぶことも大事です。
なお、スリッページの基礎知識は、次の記事を参考にして下さい。
≫ FXのスリッページを理解して勝つために必要な4つのコト
スリッページは、実際にその口座を使ってみないと全く分かりません。ネットを調べると、トレードした人の評判が書いてあったり、FX会社がホームページで言及しているところもあります。
しかし、当てにならないとお考え下さい。なぜなら、評判は一個人の感想ですし、FX会社も自ら悪いことは書きませんよね。クリックしてから約定するまでの感覚は、色々な相場環境でトレードしてみないと分かりません。
スリッページは目に見えないものだからこそ、実際に使って体感してみましょう。
その他には、「約定スピード」や「約定力」も重要で、スリッページの感触を試す時に同時に確認できます。約定力は抜群だけどスベリがある(スリッページが発生する)、逆に、約定力は悪いけどスベリがないなど、実際に体感してみることが大切です。
3.2.良い口座の選び方を知ろう
スプレッドとスリッページが理解できたら、次に、両方において優れている業者を選んで口座を開設する必要があります。
私がメインで使っている口座は、次の4社です。
なお、私が複数の口座を使っている理由や使い分け方など、口座選びの基準については、次の記事を参考にして下さい。詳しく説明しています。
≫ FX口座のおすすめ|初心者に絶対知ってほしい6社の徹底比較
3.3.テクニカル分析がきちんとできるチャートを使う
スプレッドとスリッページの次に重要なのは、チャートツールです。
チャートは、実際に売買する口座と同じ業者である必要はありません。スプレッドとスリッページに加え、チャートツールも三拍子揃って優れているFX会社はないと考えた方がいいでしょう。
取引する口座の基準と、使うチャートの基準は、しっかり分けて考えましょう。
チャートは、FX会社のサーバーによってレートの配信が遅れたり、ティック(取引レートの一回一回の値動きのこと)回数が少ないなどの差が出てきます。スキャルピングは、ティックチャートや1分足で細かい瞬時の動きを捉えるので、脆弱なシステムを使うことは致命傷になります。
しかし、現在はどのFX会社もシステムは整備しているので、ほとんど心配はありません。明確な理由がなく、なんとなく使っていた、ということでなければ問題ないと思います。
チャート選定で重要なのは、テクニカル分析がきちんと行えるか、の一点です。
テクニカル分析の方法は無数にあります。その中で、あなただけのテクニカル分析をするはずです。そのチャートツールが、あなたのテクニカル分析スキルを最大限に引き出してくれるものを使いましょう。
なお、チャートは、FX専用のMT4がおすすめです。詳細は、次の記事を参考にして下さい。
≫ FXチャートのおすすめ|MT4でテクニカル分析を最大限に活かす方法
4.私が億を稼いだFXのスキャルピング手法
初心者の方が思いがちなのは、勝てる手法は限られていて、それを知っているかどうかにある、ということです。勝てるやり方を知れば、自分も同じように稼げるようになると思っている方は多いのではないでしょうか?
たとえ勝てるやり方だとしても、あるトレーダーには合っても、別のトレーダーには合わないことはよくあります。スキャルピングで稼ぐやり方は、1つではなく、無数にあります。
実際に稼いでいるトレーダーは、皆、自分で考えた手法を使っています。最初は誰かの勝っている手法を真似し、いずれ自分なりのやり方変えていくイメージです。すぐに勝てるものではなく、時間と経験が必要になります。
ここでは、私が実際にスキャルピングで大きく稼いだ手法を紹介するので、参考にして下さい。
4.1.私のスキャルピング手法の要点
私がスキャルピングで使うローソク足は1分足で、エントリーからイグジットまで、短くて数秒です。長い時でも2分~3分程度の手法になります。また、使うインジケータ(テクニカル指標)は、次の2つです。
《私がスキャルピングで使うインジケータ》
- 移動平均線
- エンベロープ
1分足のローソク足チャートに、この2つを表示します。移動平均線は1本、エンベロープは移動平均線の上下に6本づつ表示します。
※クリックすると拡大します

私のスキャルピング手法の概略を説明します。
チャートに真ん中にあるのが、ローソク足と移動平均線です。これを囲い込むように、上下にエンベロープを表示させます。すると、上下に5つのゾーンができますね。
ここが重要なのですが、1分足の99%がこの5つのゾーンの中で推移します。
そこで、トレードポイントを5つの場面に絞ります。そうすることで、勝てる土俵で戦うことができるので、これだけでも期待値の高いトレードができるようになります。
概略だけではイメージがわかないと思いますので、具体的なトレードルールは、次の記事で詳しく解説しました。
≫ FXのエンベロープで1億円以上稼いだ具体的な使い方
最初は、スキャルピングって何をしたらいいの?って思うかもしれません。しかし、このようにインジケータを活用し、トレードポイントを明確にするだけでも、相当レベルアップできます。そして、具体的なトレードルールを組み合わせると、スキャルピングで稼げるようになります。
4.2.スキャルピングで稼げるタイミング
スキャルピングは、取引回数が多い手法なので、1日中売買を繰り返すイメージがあるかもしれません。しかし、スキャルピングだからといって、期待値が高い場面が多い、というわけではありません。逆に、本当に期待値が高い場面は、1日の中でもそう多くはありません。
スキャルピングで稼げるタイミングは、乱高下してボラティリティ(価格変動の度合い)が高まる時です。理由は、、相場が乱高下すると、1回のトレードで利幅が取れるようになるからです。
例えば、エントリーしてから10秒保有するとします。仮に乱高下して値幅が出ると、同じ10秒でも変動幅が大きくなるため、利幅が稼げるということです。普段なら10秒で3pipsのところ、乱高下した時は10秒で10pipsくらい取れることもあります。
ボラティリティが高まって相場が乱高下する時間は、おおよそ次の2つです。日本時間だと、15時~18時と21時~25時になります。
《相場が乱高下しやすい時間帯》
- 重要な経済指標発表時
- ロンドンとニューヨーク時間の午前中
相場は1日中動いているわけではなく、売買が少ない時間のほうが多いです。そのため、スキャルピングで効率よく稼ぐには、ボラティリティが高くなるチャンスを狙う必要があります。
チャートに張り付いていても、相場が動かない時間だとしたら、それは時間の無駄になってしまいます。相場が動く時に集中してスキャルピングすることで、効率よく稼ぐことができます。
なお、経済指標の中でも、最も重要と言われるのがアメリカの雇用統計です。こちらについては、次の記事で説明しています。私の実際のリアルトレード動画もありますので、スキャルピングのイメージをつかむためにもご覧下さい。
≫ FXの雇用統計とは|必ず押さえておきたい知識と具体的トレード方法
5.スキャルピングで勝つための正しい知識を得よう
スキャルピングで勝つためには、勝てる手法やテクニックが大事だと考える方が多いです。しかし、それは間違いです。どのようなトレードでも、それを知りさえすれば勝てるというような魔法の手法、テクニックはありません。
勝つために必要なことはただ1つ、「正しい知識をインプットし、アウトプットすること」です。
これさえ心掛ければ、努力次第で勝てるようになります。繰り返しになりますが、FXの世界で資産を築けるトレーダーは、全体の5%もいないと言われています。理由は簡単です。95%の敗者は、「簡単に儲けたい」というような軽い気持ちでトレードをしているからです。
この記事をお読みのあなたは、そうではないと思います。必要な知識を身に付け、それを実際のトレードで試し、上手くいかなかったらその理由を見つけ、さらに実践していくというサイクルを回して下さい。これをやり続けた人が、勝てるようになります。
それでは、スキャルピングには、どのような知識が必要なのかをこれから順にお伝えしていきます。ここから先の内容は全て、私のトレード経験を基に、本当に必要な知識だけを選んだものです。焦らず、一つ一つ習得していきましょう。
5.1.トレードの土台となる3つの知識
まず、これからあなたのトレードの土台となる知識をご紹介します。
5.1.1.スキャルピングで成功するための通貨ペアの選び方
FXでトレードできる通貨ペアは何十もあります。その中から、スキャルピングでは、売買量が多く、スプレッドが狭い通貨ペアを選ぶことがポイントです。
ここで、日本で取引されている通貨ペアの上位10個と、スプレッドの目安を見てみましょう。
順位 | 通貨ペア | 取引金額(単位:円) | スプレッドの目安 |
1 | 米ドル/円 | 185,987,849 | 0.1~0.3銭 |
2 | 英ポンド/円 | 6,9461,911 | 0.8~1.0銭 |
3 | 豪ドル/円 | 18,229,148 | 0.6~0.7銭 |
4 | ユーロ/円 | 14,473,801 | 0.4~0.6銭 |
5 | ユーロ/米ドル | 12,253,538 | 0.3~0.4pips |
6 | 英ポンド/米ドル | 11,229,517 | 0.8~1.3pips |
7 | 英ポンド/豪ドル | 2,247,345 | 1.5~3.0pips |
8 | NZドル/円 | 1,759,841 | 1.0~1.5銭 |
9 | 豪ドル/米ドル | 1,082,463 | 0.8~1.5pips |
10 | ユーロ/豪ドル | 794,481 | 1.5pips前後 |
順位 | 通貨 ペア | 取引金額 (単位:円) | スプレッド の目安 |
1 | 米ドル/円 | 185,987,849 | 0.1~0.3銭 |
2 | 英ポンド/円 | 6,9461,911 | 0.8~1.0銭 |
3 | 豪ドル/円 | 18,229,148 | 0.6~0.7銭 |
4 | ユーロ/円 | 14,473,801 | 0.4~0.6銭 |
5 | ユーロ/米ドル | 12,253,538 | 0.3~0.4pips |
6 | 英ポンド/米ドル | 11,229,517 | 0.8~1.3pips |
7 | 英ポンド/豪ドル | 2,247,345 | 1.5~3.0pips |
8 | NZドル/円 | 1,759,841 | 1.0~1.5銭 |
9 | 豪ドル/米ドル | 1,082,463 | 0.8~1.5pips |
10 | ユーロ/豪ドル | 794,481 | 1.5pips前後 |
※取引金額は、金融先物取引業協会の2020年1月のデータによる。
例えば、スワップ取引で人気のあるトルコリラ円などはスプレッドが広いわりに値動きが乏しいので、スキャルピングに向いているとは言えません。
このように、通貨ペアによっては、スキャルピングに不向きなものもあるので、注意が必要です。誤った通貨ペアを選択すると、手法が優れていても利益を出せません。
そこで、次の記事を読んで、スキャルピングに適した通貨ペアの選び方をマスターしましょう。
≫ 通貨ペアとは|FXで勝つための正しい選び方
具体的には、次のことが書いてあります。
- そもそも通貨ペアとは何なのか?
- トレードで勝つための通貨ペア選びの基本
- スキャルピングでの通貨ペアの選び方
- デイトレード、スイングトレードでの通貨ペアの選び方
- 私がトレードしている9つの通貨ペア
5.1.2.損切りの重要性
スキャルピングをするにあたり、先に損切りの重要性を知っておく必要があります。
損切りとは、相場が逆行して、あなたの持っているポジションが損失を抱える状態になった時に、これ以上の損失を防ぐためにマイナスを確定させることです。
初心者の多くは、「これから戻るかもしれない」という淡い期待で、なかなか損切りができません。それでは、失敗は目に見えています。そうならないように、次の記事を読んで、実際にトレードを行う前に、損切りの重要性と損切りルールを徹底的に頭に叩き込んでおきましょう。
≫ 損切りとは|億トレーダーが徹底している3つのロスカットルール
5.1.3.トレード記録をつけることの重要性
スキャルピングで勝つためには、日々のトレードを記録して、常に問題点を見つけ、改善し続ける仕組みが必要です。ただし、最初のうちは、そもそも何を記録すれば良いのか、問題点をどのように見つければいいのかさえ分からないと思います。
私は、次の3つの項目を毎週チェックしています。
そうすることで、自分のトレードのクセを把握できます。トレードルールを作るには、まず自分のクセを把握することが必要です。自分がどのようなトレードをしているかを知ることで、アイディアが浮かんできます。そのために、この3つが役に立つというわけです。
これについては、次の記事でさらに詳しく解説しているので、ぜひ知っておきましょう。
≫ バルサラの破産確率でトレード技術を飛躍的にアップさせる方法
5.2.相場の動きに関する3つの知識
次に、相場の動きに関する正しい知識をお伝えします。相場には、大きく分けて、次の2つしかありません。
- トレンド相場
- レンジ相場
まずは、この2つの相場の特徴をしっかりと理解することが重要です。そして、相場の動きには、基本となるパターンがありますので、それについてもお伝えします。
5.2.1.トレンド相場の正しい知識
最初に、トレンド相場です。スキャルピングに限らず、 FXでは、トレンドが発生して相場が動いている時にチャンスがあります。

そして、相場には超短期から超長期までのトレンドがありますが、面白いことに、時間軸に関わらず、全てのトレンドには同じ特徴があります。それが何かは、次の記事で解説しているので、しっかりと理解しておきましょう。
≫ トレンド相場の3つのパターンと2つのルール
5.2.2.レンジ相場の正しい知識
次に、レンジ相場です。相場の7割から8割はレンジ相場と言われています。

そして、レンジ相場の時は、いずれどこかで必ず「ブレイク」という現象が起きます。ブレイク後は、1つの相場の流れが終わり、新しい相場の流れが始まります。
次の相場の流れを見極めるには、レンジ相場の時に準備しておくことが必要です。下の記事を読み込んで、理解しておきましょう。
≫ レンジ相場の2つのルールと3つのブレイクパターン
5.2.3.相場の動きの原理原則
トレンドやレンジについてはご理解できましたか?
次に、知っておきたいのは、「相場は常に波を描く」ということです。そして、波の描き方にもパターンがあり、そこから、相場の行方を見極める大きなヒントが得られます。
そのような相場の波の動きを最も正確に表している理論に、エリオット波動があります。

言葉だけ聞いて難しそうに感じるかもしれませんが、次の記事でなるべくわかりやすく解説したので、ぜひお読み下さい。
≫ エリオット波動理論とは|相場の波を理解して利益につなげる方法
5.3.チャートの正しい見方についての5つの知識
ここからいよいよ、トレードの実践的スキルであるチャートの見方についてお伝えします。チャート分析は、FXで成功する要因の中で最も重要なものです。特に、超短期トレードのスキャルピングでは、日々のトレード判断はチャートの情報で行います。
つまり、チャートの正しい見方ができれば、相場がどちらに動くのかが高い確率で分かるようになるということです。
ここで、その知識をしっかりと身に付けましょう。
5.3.1.チャートの見方と正しい知識
スキャルピングの世界は、チャートを制するものがトレードを制します。次の記事では、なぜFXではチャートが機能するのかをお伝えしています。
≫ チャートの見方|トレードで勝つための正しい知識
その他にも、次のことが書いてあります。時間がある時に、ぜひお読み下さい。
- チャートの基本的な見方
- 時間軸による違いと効果的な見方
- チャートを開いたらまずやるべきこと
- チャートからエントリーポイントを具体的に判断する事例
5.3.2.ローソク足の見方と正しい知識
ローソク足は、チャートを構成する基本要素です。1本のローソク足には、実は様々な情報が凝縮されています。そして、時には、ローソク足が重要なエントリーの根拠を与えてくれることもあります。

ローソク足からの重要な情報を逃さずにキャッチするためには、ローソク足がどのように作られているのかと、その見方を知っておく必要があります。次の記事で解説しているので、しっかりと理解しておきましょう。
≫ ローソク足チャートの正しい見方を初心者にもわかりやすく解説
5.3.3.移動平均線の見方と正しい知識
移動平均線は、ローソク足と同じく、とても有名なテクニカル指標の一つです。トレーダーであれば、必ず目にするでしょう。

ローソク足の正しい見方と移動平均線の正しい見方ができるようになって、初めてチャートを正しく理解するための基礎ができていると言えます。
次の記事では、移動平均線の基本的な見方と、トレードで活用するための方法、移動平均線の特徴的なパターンを解説しています。
≫ 移動平均線とは|FXや株式チャートでの正しい見方と使い方の全て
5.4.チャート分析の4つの知識と技術
さて、チャートの見方が分かったら、ここからいよいよチャート分析の知識と技術です。
チャート分析は、正しくチャートを見られるようになって、初めて機能するものです。そして、チャート分析から得られる情報は、トレーダーにとって、何よりも重要です。
しっかりと分析してからトレードに臨むトレーダーの多くは、最終的には負けることはありません。しかし、分析せずにいきなりトレードするトレーダーは、遅かれ早かれ負けてしまいます。
あなたは、どちらになりたいですか?
5.4.1.トレンドライン
トレンドラインは、トレンドの強さや方向性、長さを見極めるために引くものです。しかし、それだけではありません。トレンドラインそのものが、価格が動き出したり、反転したりする重要なポイントにもなります。

つまり、トレンドラインを使いこなせるようになると、トレードポイントが分かるため、あなたのトレードは一歩上のレベルに進みます。
≫ トレンドラインの役割と正しい引き方を初心者にもわかりやすく解説
5.4.2.サポートラインとレジスタンスライン
サポートラインやレジスタンスラインは、相場の節目になります。ブレイクしてトレンドが発生したり、価格が反転するポイントとなる重要なラインです。


この2つのラインは、重要なチャートパターンでは非常に多く使います。トレンドラインと同様、欠かすことのできないラインなので、確実に押さえましょう。
≫ サポートラインとレジスタンスラインで相場の反転を見抜くコツ
5.4.3.チャネルライン
チャネルラインは、トレンドラインと並行に引く線のことで、主に、価格がどこまで上がるか、どこまで下がるかという値幅に関する重要な情報を与えてくれます。値幅が分かるようになると、どこまで利益を伸ばせるかの目安が分かるようになります。

トレードの鉄則は、損小利大です。そのため、値幅を観測するメリットはとても大きいです。
≫ チャネルラインでトレンドの値幅を知り利益を伸ばすための知識と方法
5.4.4.フィボナッチ
フィボナッチは、相場の波をより深く捉えるための指標です。相場は、上昇トレンドでも上がり続けることはなく、一時的に下落し、また上昇して、また少し下落してといったように、波を描きながら上昇していきます。

フィボナッチは、そのトレンドの間の、一時的な反転ポイントがどこになるのかを示す指標です。これを知ると、トレードの幅がまた広がります。
≫ フィボナッチを使ったテクニカル分析で相場の反転を見抜く方法
5.5.チャートパターンの4つの知識
スキャルピングで爆発的な利益を稼ぐために必要な知識の最後は、チャートパターンです。
チャートパターンを知っておけば、エントリーおよび利益確定すべきポイントが明確になります。チャート分析ができて、チャートパターンも理解できると、トレード成績はグングン伸びていきます。
5.5.1.ヘッドアンドショルダー
ヘッドアンドショルダーは、最も強力なチャートパターンで、これが出てきた時は、大きく稼げると言えるぐらい重要なものです。

次の記事では、ヘッドアンドショルダーとは何か、どこでエントリーすべきか、どこまで値幅を伸ばすかを判断する方法を、詳しく解説します。
≫ ヘッドアンドショルダーの正しい見方とトレード戦略
5.5.2.三角持ち合い
三角持ち合いは、レンジ相場の時に見られるチャートパターンです。

三角持ち合いをブレイクした時がポイントになり、これを見極めることができれば、非常に高勝率で高利益率のトレードになります。私は、ヘッドアンドショルダーの次に、この三角持ち合いを気に入っています。
≫ 三角持ち合いとは|見方とトレード戦略
5.5.3.ダブルトップとトリプルトップ
ダブルトップとトリプルトップは、ヘッドアンドショルダーと似たチャートパターンです。

ダブルトップとトリプルトップは、ヘッドアンドショルダーとローソク足の形が少し違うだけで、考え方は同じです。特に、トレンドが発生している時に出ると、信頼度の強いパターンに生まれ変わります。
≫ ダブルトップ/ダブルボトム・トリプルトップ/トリプルボトムとは
6.利益を加速させるためのスキャルピングのコツ8つ
スキャルピングは、やみくもに回数をこなすだけでは、なかなか上達しません。そこで、早期に上達するコツをまとめました。これから紹介する8つを意識しながらスキャルピングすることで、早くコツをつかめるようになります。それが、爆発的な利益を上げることにつながります。
6.1.スキャルピングに慣れてきたら損小利大を意識する
FXで勝率を上げることは、少しトレードに慣れてくると簡単にできてしまいます。しかし、大事なのは勝率ではなく、損益率です。
例えば、100回トレードして99勝1敗だとします。勝率は99%なので、計算上は文句ありませんね。しかし、利益確定は1pipsで、損切りが200pipsならどうでしょう?たった1回の負けで99回の利益を吹き飛ばした上、口座資金を失ってしまうこともあります。
ある程度コツがつかめて、勝率を残せるようになったら、今度は損益率を改善しましょう。つまり、「損大利小」ではなく「損小利大」のスキャルピングをするのです。
特に、スキャルピングは損大利小のトレードになりやすいので、これを強く意識することがポイントです。
上述のように、正しい知識を習得してトレードすれば、勝てる確率をグッと引き上げることができます。知識を覚え、何度も実践することで、結局、相場は同じパターンの繰り返しだということが分かるようになります。
6.2.レンジではなくトレンドでスキャルピング
スキャルピングで使うチャートは、一般的に、1分足やティックチャートが多いです。ただし、その人の手法によって、5分足をメインにする方もいるかもしれません。
どんなやり方にしても、すでに少し触れましたが、スキャルピングはトレンドでトレードすることおすすめです。
なぜなら、トレンドが発生すると、サポートラインやレジスタンスラインをブレイクしたり、上下動のリズムができてチャートパターンができるなど、価格が動くポイントを見つけやすくなるからです。
一方、レンジ相場は、一定の値幅をキープして上下動します。レンジ相場は、方向感のない時に発生するので、レンジ相場にトレードを絞ってしまうと、やり方も限られてしまいます。
また、売買が急増するアジア、ヨーロッパ、ニューヨーク時間の各前半はトレンドが発生することが多く、テクニカル分析が機能しやすくなります。
さらに、トレンド発生時は、順張り(トレンドに沿った手法)と逆張り(トレンドに逆らって反発や反落を狙う手法)のどちらの方法でもチャンスがあります。
例えば、日足は順張りになっても、1分足レベルでは逆張りになるという具合に、上位足と下位足で環境が違う場合は多くあります。過去と似たような相場状況はあっても、全く同じ環境はないので、その環境に合わせて順張りと逆張りを選択するのが理想的です。
少なくとも、1分足レベルでトレンドが発生している時にスキャルピングすることがコツです。その際、トレンド発生時のチャートをよく分析するようにしましょう。
6.3.動き出すポイントは順張り、反転するポイントは逆張り
順張りと逆張りを選択してトレードするのが理想でも、2つのやり方には定義がありません。
私のスキャルピングの基本は逆張りですが、これは、1分足で逆張りに見えるだけであって、1時間足や日足などの上位足では、順張りになることもあります。
一般的に、「逆張りはトレンドに逆らうようで怖い」と言われますが、時間軸を変えたら順張りになることもあります。そのため、順張りと逆張りはあまり関係なく、気にし過ぎないことが大切です。
ただし、スイングトレードのように、数日~数週間ポジションを保有する場合は、逆張りは危険です。なぜなら、中長期トレンドに逆らったまま持ち続けると、含み損がじわじわ拡大してしまうからです。
私の1分足のスキャルピングは、価格が動く方向にエントリーしてすぐに決済するので、そこには順張りも逆張りも関係ないという感覚です。
コツをつかむために、順張りと逆張りを明確に分けてFXを始めるのは良いことかもしれませんが、慣れてくると、逆張りができれば順張りもできるし、その逆もできるようになります。
スキャルピングのコツという観点でお伝えすると、順張りと逆張りのどちらかにこだわり過ぎず、価格が動き出すポイントは順張りで、反転するポイントは逆張りになるという認識を持つことをおすすめします。
6.4.時間帯別の特徴を理解する
為替市場は、月曜日から金曜日まで平日は休みなく24時間動いています。そのため、時間帯によって売買が増減したり、マーケットに参加する人の特性が違ってきます。
例えば、日本時間の午前はアメリカでは深夜になるので、マーケット参加者はアジア投資家の割合が増えます。逆に、日本時間の夕方は世界最大の取引量があるロンドン市場が午前中にあたるので、売買が1日のうちで最も急増します。
このような特徴はある程度決まっているので、次の記事を読んで把握しておきましょう。
≫ FXの取引時間別の特徴とトレード戦略の立て方
選択する通貨ペア、そして時期と時間帯によってスキャルピングのやり方も変わるので、あなたがトレードする時間帯の特徴は押さえておくことがポイントです。
6.5.ボラティリティが出たら絶好のチャンス
繰り返しになりますが、私のスキャルピングは、レンジ相場ではなく、テクニカル分析がより機能するトレンド相場でトレードします。ただし、トレンドに強弱があるように、1分足レベルの相場でも、様々な種類のトレンドがあります。
そして、トレンドの中でも、ボラティリティが出る相場こそチャンスです。
値幅が大きくなる相場は、勝率を落とすことなく、損益率を上げられます。例えば、普段なら2pipsを狙うスキャルピングでも、ボラティリティが高いと、4pipsや5pipsは取れたりします。
かといって、ポジションを保有する時間が長くなるわけではありません。例えば、30秒保有するトレードでも、ボラティリティが高いと値幅が出るので、同じ30秒の保有でも獲得pipsが大きくなります。
しかし、「その分、損切り幅も大きくなるのではないか?」と思う方もいるかもしれません。
確かに、多少損切り幅が大きくなることはあっても、テクニカル分析が機能しやすくなるので、利食い幅を伸ばせる割合のほうが、断然大きくなります。さらに、暴落や暴騰を伴うと、わずか数秒で普段の何倍もの利益が得られる時もあります。
また、トレードチャンスは一度ではなく、次のローソク足でも同じようなパターンが現れるなど、ボラティリティが高い相場は、利幅が大きくなるだけでなく、利益を得られる回数も多くなります。
このことは、スキャルピングの手法が多少違っても、トレンドでトレードするならば、同じことが言えます。要は、スキャルピングは、一番勝てる土俵、つまり「ボラティリティがあるトレンド相場」を基本にトレードすることがコツです。
基本がしっかりしていれば、土俵から逸脱している時も分かるようになります。つまり、今は積極的に攻めていい時など、その日の相場に合わせて判断できます。
6.6.資金管理は自分に合った方法で行う
資金管理には、「攻め」と「守り」の2種類があります。それぞれの意味を理解しましょう。
6.6.1.攻める資金管理
攻める資金管理とは、1回あたりのロット数(取引量)を増減させる方法です。例えば、期待値が高いポイントや、ボラティリティがあるトレンド相場で、ロットを増やすことなどです。逆に、これ以外の相場では、ロットを落とします。
つまり、攻める資金管理とは、勝てる土俵で大きく勝ち、それ以外の時の負けを少なくすることです。自信がない時にロットを減らすことで、メンタルへの悪影響も軽微にもなります。
また、全て同じロットでトレードする資金管理方法もあります。ロットを一定にすることで、損益がロットのさじ加減で変動しないため、どの相場でも期待値通りの結果に収束します。そうすると、調子が良い時は右肩上がりで資産が増えていきます。
どちらが良いというものはありません。スキャルピングのやり方と、あなたのメンタルが許容できるロット数でトレードすると良いでしょう。
6.6.2.守りの資金管理
一方、守りの資金管理とは、負けを防ぐ(限定する)ことです。例えば、一定以上の損失を出さないよう資金の5%以上の含み損を超えたら必ず損切りすることや、-10pipsにロスカットの逆指値注文を置くこと、負けている時はロットを半分にすることなどが考えられます。
他には、何連敗かしたらその日はトレードから離れたり、いくら以上負けたら今月はトレードしないという方法もあるでしょう。また、運用資金はいくらまでなど、口座に入金する資金を限定する管理方法もあります。
6.6.3.どんな資金管理があるかをまず考えることが大切
以上のように、資金管理の方法はいくらでもありますが、大切なのは、あなたがスキャルピングを始める前に、どんな資金管理があるのかを考えておくことです。とりあえず少額でやってみるのもいいのですが、この先本気でFXに取り組むなら、いつかは真剣に考える必要があります。
そこで、次の4つの記事には、資金管理を練る上で最低限の知識を書いているので、時間がある時にお読みいただければと思います。
≫ FXの証拠金とは?初心者が知っておきたい3つの知識と計算法
≫ FXでレバレッジの高いトレードができる人の3つの条件
≫ FXのマージンコールとは|トレーダーを守る仕組みと厳守すべきルール
≫ FXのロスカットとは|強制決済の仕組みをわかりやすく解説
6.7.同じトレンドで取り返そうしない
損切りをした後、当初持っていたポジションの方向に価格が進み、損切りしたことを後悔した経験は誰にでもあると思います。そして、再度エントリーした途端、また逆行して連敗をすると、かなり悔しいはずです。
この先トレードを続けていくと、このような負け方は必ずあるでしょう。この時にやってはいけないのは、冷静さを失ってすぐに負けを取り返そうとすることです。
すでにお伝えしたように、スキャルピングは1分足などの短期トレンドで何度もエントリーするやり方です。
そのため、売り買いの目線が間違っていた場合、例えばショート(売り)ならショートエントリーして損切り、再度ショートエントリーして損切り・・・というように、数分から数十分で連敗しかねません。
こうなると、短期トレンドが続いている限りは負け続け、取り返しのつかない連敗を経験することになります。さらに、1回のトレードで取り返そうと、普段やらないような大ロットでエントリーするなどしてしまい、あっという間に大損します。
そうならないための対処方法は、同じトレンドで取り返そうとするのではなく、少し負けたらそのトレンドはきっぱり諦め、次のトレンドまで待つことです。
このように、時間を空けることで、冷静さを取り戻せる上、リスクを1つのトレンドに集中させずに済むので、リスク分散にもつながります。
同じトレンドで取り返そうとするクセがついてしまうと、全てのトレンドで勝とうとしてしまうため、ちょっとした負けも受け入れられなくなってしまいます。
負けるトレンドもあるということを理解し、損益が発生するタイミングを分散させるようになると、スキャルピングで安定的に勝てるようになります。
6.8.スキャルピングで勝つ方法は無限にあると認識する
スキャルピングのやり方は1つではなく、無限にあります。
私の場合は、「4.私が億を稼いだFXのスキャルピング手法」で紹介したエンベロープの手法と、「5.スキャルピングで勝つための正しい知識を得よう」の知識を順張りスキャルピングやデイトレード手法にも応用して組み合わせ、5年で1億円以上を稼ぐことができました。
組み合わせ方は、その時の相場により異なるので、毎日柔軟に対応していくことが重要です。
テクニカル的な知識を身に付け、それを組み合わせることで、勝ちパターンも増えていきます。
つまり、組み合わせ方次第で、勝ち方は無限にあるということです。期待値が高い局面でのトレードアイディアのストックが増えれば増えるほど、利益が加速していくのです。トレードアイデアが増えていくと、FXが本当に楽しくなります。
「楽しみながらお金が稼げる」という感覚を早く身に付けられるように、がんばりましょう。
7.まとめ:FXは常に勉強!
スキャルピングは、コツをつかめば、あとは淡々と繰り返し行えるトレード手法です。そして、売買回数が多くなるので、短期間で大きな利益を積み上げることができます。
最初は、思うようにいかないと思います。しかし、少し負けたりしても焦らずに、エントリーからイグジットまでのポイントを見直して下さい。予想ではなく「明確な根拠」を持ってトレードができるようになれば、徐々に勝てるようになっていきます。
そして、集中的に取り組んでみて下さい。
そうすれば、早い人で、ほんの数カ月で感覚をつかみ、そのまま継続すれば1年と経たず勝てるようになります。そのためにも、理解できるようになるまで、何度もこの記事を読み込んでいただければと思います。
私自身、来る日も来る日も勉強の日々です。相場と向き合っていると、毎回毎回、違った気付きや発見があります。それを、少しでも誰かに良い影響を与える側になれればと思い、このように書かせていただきました。
FXは、常に勉強です。
自分を向上し続ける努力を、決して忘れずに、これからも向き合っていきます。