IPOディスカウント-IPOの初値が高騰するヒミツ

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証券取引所に株式を公開する企業の株をIPO(新規公開株)といいます。

IPOをした企業は株式市場で初めて取引されます。このような銘柄に投資することをIPO投資といいますが、IPO投資はリスクが少なく利益が出やすいと言われています。なぜ利益が出やすいのでしょうか?

IPOは新規上場時の公開価格の決定において、想定される時価総額に対して、一定のディスカウント(割引)を行い公開価格を決定するため、同業他社よりも割安な株価で決まる場合があります。

この割安な価格で決まることを「IPOディスカウント」といいますが、ディスカウントされたIPOを手にすることができればIPOが上場した際に公開価格以上で初値がつくことで利益をあげることができます。

今回はこのIPOディスカウントについて実際の傾向をご紹介します。

IPOディスカウントが行われる背景

IPOディスカウントは、IPOの公開価格の決定において、想定される時価総額に対して、一定範囲のディスカウントを行い公開価格を決定することであることをお伝えしました。

IPOディスカウントが行われる理由ですが2つ考えられます。

  • すでに上場している同業他社より割安感を出すため
  • 多くの投資家に投資意欲を持たせるため

「同業他社より割安感を出すため」については新規公開株は未上場企業のため市場評価(株価)が付いていないため、同業他社よりどれくらい割安なのかという点です。

ここで2018年10月に新規上場するギフト(9279)を例にお伝えします。

ギフトはラーメン事業(横浜家系ラーメンを主体とした国内直営店、海外直営店の運営)をしている企業です。上場前に発表された想定価格は1,900円でした。

ギフトの直近の業績は下記のとおりです。

業績動向 売上高 営業利益 経常利益 純利益
2016年10月 4,535 456 433 104
2017年10月 5,612 627 637 218
2018年10月(予定) 6,929 703 707 434

※単位、百万円
※業績数値は連結

1株当たりの数値(EPS)2018年10月 106.33円

 ※1株当たりの純利益(EPS)は、企業の一株あたりの利益額を示すもので、当期純利益と、普通株式の発行済株式数から計算されます。計算式はEPS = 当期純利益 ÷ 普通株式の発行済株式数となります。当期純利益が増加すればEPSは上昇し、当期純利益が減少すればEPSは下降します。

この時に注目するのが同業他社との比較ですが一般的にはPER(株価収益率のこと)として比較されるケースが多いです。

※PER(株価収益率)とは株価が1株あたり純利益(EPS)の何倍であるかを示す指標です。株式の投資価値を判断する際に利用される尺度として利用されていますが、株価÷一株当たり利益(EPS)で算出されます。

ギフトの場合、想定価格が1,900円になりますのでPERは約17.87倍になりますが、ここで同業他社がどれくらいなのか見てみましょう。よく知られているラーメン屋さんを取り上げて、ご紹介します。

参考類似企業       今期予想PER
3358  ワイエスフード 89.5倍(連結予想 )→ギフトが割安

3399  山岡家 17.0倍(単独予想 )
3561  力の源HD 38.4倍(連結予想 )→ギフトが割安
7554  幸楽苑HD 90.4倍(連結予想 )→ギフトが割安
7611  ハイデ日高 25.2倍(単独予想 )→ギフトが割安
8200  リンガハット 44.8倍(連結予想 )→ギフトが割安
9936  王将フード 37.2倍(連結予想 )→ギフトが割安

上記はギフトと同じラーメン店を運営している企業になりますが上記7銘柄と比較してもギフトの17.87倍が割安であるのがお分かりになると思います。

同業他社と比較して割安であれば多くの投資家は新規上場の際に買いにいきますので、公開価格を上回るケースが多くなります。

さて、IPOディスカウントが行われるもう1つの理由が投資家の投資意欲を保つために公開価格を割引する点でした。

IPOディスカウントについては主幹事の証券会社が、事業内容・利益計画の検討、類似会社との比較等を行い、上場後の想定される時価総額を算出します。その後に主幹事の証券会社は、時価総額にIPOディスカウントを加味した価格を算出し、想定発行価格案として会社に提示します。

その後、想定価格が決まりますが投資家は未公開企業についての情報を得る機会がほとんどありません。

企業側の情報が乏しいので会社のホームページや目論見書等など限られた情報で調べなくてはなりません。なお、目論見書の見方については「IPOの目論見書とは|利益を得るためにチェックすべき5項目」に詳しく書いていますので、参考にしてください。

まとめ

IPO投資においては新規上場する企業は一定のディスカウントを受けていますが、それが同業他社より割安なのか割高なのか見ると良いでしょう。(銘柄によっては新規上場後も割安感から買われることがあります。)

また、同業他社があまりない企業もありますが、この手の企業は過去に類似銘柄がないことから話題性だけで買われるケースがあります。

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