IPOディスカウントとは-IPO投資で稼ぐために知っておくべき基礎知識

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未上場の企業が株式を公開して株式市場で取引されるようになることをIPO(新規公開株)といいます。

IPOをした企業は市場で初めて取引されるので、中には上場前から大きく注目される銘柄が存在します。このような銘柄には様々な投資家が資金を出資し、一時的に株価が大きく値上がりする傾向があります。

このような銘柄に投資することをIPO投資といいますが、IPO投資はリスクが少なく利益が出やすいと言われています。でも、なぜ利益が出やすいのでしょうか?

IPOは新規上場時の公開価格の決定において、想定される時価総額に対して、一定のディスカウント(割引)を行い公開価格を決定するため、同業他社よりも割安な株価を形成する傾向があります。

 

これをIPOディスカウントといいますが、ディスカウントされたIPOを手にすることができればIPOが上場した際に公開価格以上で初値がつくことで利益をあげることができます。

今回はこのIPOディスカウントについて実際の傾向をご紹介します。

なぜ、IPOディスカウントは行われるのか?

IPOディスカウントは、IPOの公開価格の決定において、想定される時価総額に対して、一定範囲のディスカウントを行い公開価格を決定することであることをお伝えしました。

このIPOディスカウントはなぜ行われるのでしょう。

これには2つの理由があると考えます。

  • 同業他社より割安感を出すため
  • 投資家の投資意欲を持たせるため

「同業他社より割安感を出すため」については新規公開株は未上場企業のため市場評価(株価)が付いていないため、同業他社よりどれくらい割安なのかという点です。

ここで2015年4月に新規上場した海帆(かいはん)を例にお伝えします。

海帆は飲食店舗の運営をしている企業です。上場前に発表された想定価格は950円でした。

海帆の直近の業績は下記のとおりです。

(業績 百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益
2013年3月 1,947 43 42 29
2014年3月 2,940 84 86 114
2015年3月 4,100 235 226 142
1株当たりの純利益 75.8(2015年3月見込み)

 ※1株当たりの純利益(EPS)は、企業の一株あたりの利益額を示すもので、当期純利益と、普通株式の発行済株式数から計算されます。計算式はEPS = 当期純利益 ÷ 普通株式の発行済株式数となります。当期純利益が増加すればEPSは上昇し、当期純利益が減少すればEPSは下降します。

この時に注目するのが同業他社との比較ですが一般的にはPER(株価収益率のこと)として比較されるケースが多いです。

※PER(株価収益率)とは株価が1株あたり純利益(EPS)の何倍であるかを示す指標です。株式の投資価値を判断する際に利用される尺度として利用されていますが、株価÷一株当たり利益(EPS)で算出されます。

海帆の場合、想定価格が950円になりますのでPERは約12倍になりますが、ここで同業他社がどれくらいなのか見てみましょう。

参考類似企業       今期予想PER

2694  Gテイスト       25.9倍(連結見込 )⇒海帆の方が割安

3063  jGroup   63.6倍(連結見込 ) ⇒海帆の方が割安

3221  ヨシックス       13.3倍(単独見込 ) ⇒海帆の方が割安

7412  アトム      143.4倍(連結見込 ) ⇒海帆の方が割安

7524  マルシェ         21.2倍(単独見込 ) ⇒海帆の方が割安

上記は海帆と同じ飲食店舗を運営している企業になりますが上記5銘柄と比較しても海帆の12倍が割安であるのがお分かりになると思います。

同業他社と比較して割安であれば多くの投資家は新規上場の際に買いにいきますので、公開価格を上回るケースが多くなります。実際に海帆の初値は1,800円でした。

もし、海帆を100株当選していたとしたら初値で売却するだけでも78,000円の利益になります。(海帆の公開価格は1020円)

もう1つの例をご紹介します。

マーケットエンタープライズはインターネットに特化した多種多様な商品の買い取りおよび販売を行っている企業です。想定価格は1430円でした。

マーケットエンタープライズの直近の業績は下記のとおりです。

(業績 百万円) 売上高 営業利益 経常利益 純利益
2013年3月 3,950 184 181 161
2014年3月 4,198 126 160 102
2015年3月 4,867 194 240 136
1株当たりの純利益 57.4(2015年6月見込み)

海帆の場合、想定価格が1430円になりますのでPERは約24.9倍になりますが、ここで同業他社がどれくらいなのか見てみましょう。

参考類似企業           今期予想PER

2674  ハードオフ       13.9倍(連結予想 )⇒マーケットエンタープライズが割高

2780  コメ兵           18.5倍(連結予想 ) ⇒マーケットエンタープライズが割高

3032  ゴルフドゥ       13.1倍(連結予想 ) ⇒マーケットエンタープライズが割高

3093  トレファク        53.9倍(単独予想 ) ⇒マーケットエンタープライズが割安

3179  シュッピン       29.2倍(単独予想 ) ⇒マーケットエンタープライズが割安

3313  ブックオフ       60.1倍(連結予想 ) ⇒マーケットエンタープライズが割安

20倍を超えているとやや高い方にはいりますが、それでも30倍以上の企業が数銘柄ありますので、新規上場時に買いが入ることが予想できます。実際にマーケットエンタープライズがつけた初値は4005円だったので100株保有しているだけでも25万円の利益が出ていることになります。(公開価格は1500円)

さて、IPOディスカウントが行われるもう1つの理由が投資家の投資意欲を保つために公開価格を割引する点でした。

IPOディスカウントについては主幹事の証券会社が、事業内容・利益計画の検討、類似会社との比較等を行い、上場後の想定される時価総額を算出します。その後に主幹事の証券会社は、時価総額にIPOディスカウントを加味した価格を算出し、想定発行価格案として会社に提示します。

その後、想定価格が決まりますが投資家は未公開企業についての情報を得る機会がほとんどありません。

企業側の情報が乏しいので会社のホームページや目論見書等など限られた情報で調べることができます。そのため、投資家に出資を募るためには公開価格に割安感を持たせることで興味を持ってもらいます。

まとめ、

IPO投資においては新規上場する企業は一定のディスカウントを受けていますが、それが同業他社より割安なのか割高なのか見ることと良いでしょう。(銘柄によっては新規上場後も割安感から買われることがあります。)

また、同業他社があまりない企業もありますが(ロボットスーツの会社や動物病院の会社)この手の企業は過去に類似銘柄がないことから話題性だけで買われるケースがあります。

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柳橋義昭

柳橋義昭

株式投資を中心に投資をする兼業トレーダー。 主な投資手法はIPO投資とイベント投資、IPO投資については証券会社にてIPOの業務に携わっていた経験や証券ディーラーだった経験を活かして、独自の手法を構築する。IPO獲得の収益よりもセカンダリーの収益の方が大きい。 趣味はドライブと旅行。

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IPOは「新規公開株」のことをいいます。


IPOをした企業には、上場前から大きく注目される銘柄があります。


このような銘柄には様々な投資家が資金を出資し、一時的に株価が大きく値上がりする傾向があります。


このような銘柄に投資することをIPO投資といいますが、IPO投資はリスクが少なく利益が出やすいといわれています。


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著者:柳橋


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