時価総額とは?世界ランキングと仕組みを解説
(更新 ) · タカシ

この記事は2018年に公開したアーカイブ記事です。制度・数字・サービスの内容は当時のものです。
時価総額とは、企業の規模を表したもので、その企業の価値を示しています。また、時価総額が高ければ、その企業に期待をしている投資家が多いということになります。
企業を分析したり、投資をするときには、会社の規模を意識することが大切になります。
なぜなら、時価総額の大きな企業と小さな企業とでは投資家としての戦い方が違うからです。戦い方とは、投資をして勝つ方法(=利益を得る方法)です。
目次
1.時価総額の仕組み
時価総額は、株価に発行株式数をかけることで求めることができます。その方程式が以下です。
[ 株価×発行済株式数 ]
株価が変動することで、企業の時価総額も日々変動していきます。また、時価総額は、企業の規模を国際比較する際に用いることができます。
規模の特徴を掴むことで、規模に応じた取引の仕方ができるようになり、投資のパフォーマンスが上がります。
2.時価総額が意識されるワケ
なぜ、ニュースや新聞などで、これだけ時価総額に注目が集まるのでしょうか。アップルを例に考えてみましょう。
アップルは、2018年8月に米国で初めて時価総額1兆ドルを達成しました(参考:『アップルが株価上昇で時価総額1兆ドル、米企業で初 – Bloomberg』)。

(出所: The Wall Street Journal)
時価総額を高める企業が増えることで、強気相場入りと認識する投資家も少なくありません。
冒頭でも述べましたが、時価総額は、企業の規模を表すものですので、国際企業と規模を比較する際には、時価総額ではかる傾向があり、買収時にも時価総額が意識されます。
この考え方は国際標準です。また、企業の規模は株価で比較することはできません。なぜなら株式分割や株式併合などで株価は大きくも小さくも変化させることができるからです。
3.時価総額と自社株買いの関係
時価総額が上昇すると考えられる要因として、自社株買いが挙げられます。
企業は自社株買いを行うことで、発行株式数が減少し一株あたりの利益を表面上、上昇させることができます。その結果、時価総額もそれに釣られ上昇するということです。
しかし、自社株買いをしても必ず時価総額が上がるわけではないことにご注意ください。アップルが時価総額が上昇し続けたのは、営業利益の高さに起因して株価が上昇し続けた結果であり、それは自社株買いを行ったことだけが理由ではないのです。
とはいえ、米国株式市場の歴史は、ハイテク株において自社株買いが盛んに行われ、株価と同時に時価総額も上昇してきました。自社株買いによって株価が支えられ、その結果、時価総額が上がりました。
時価総額1兆ドルを記録したアップルも、それに続くアマゾンなども積極的に自社株買いを行い、時価総額を更新させてきました。なので、自社株買いはそれが本物か、偽物かを見極める必要があります。
4.【必読】世界の時価総額ランキングから見えてくる傾向
時価総額は、企業の規模を表すもので、国際比較が容易にできる一つの指標です。
※時価総額ってなんだろうと思った方はコチラの記事を参考にしてみてください。
さて、本記事では、そんな時価総額のランキングを世界規模で比較し、その傾向をつかむことで、成長している企業を知り、どのように投資に活かせるかを考えていきたいと思います。
それでは、最後までじっくりとご覧ください。
5. 時価総額ランキング
さて、時価総額が高い企業はいったいどこなのでしょうか。
まずは『世界の時価総額ランキング』を見てみましょう。
5.1.世界の時価総額ランキング
このランキングは世界の企業の時価総額ランキング(2020年10月末版)です。
| 順位 | 企業名 | 時価総額 | 国 |
| 1 | アップル | 1,848,090 | 米国 |
| 2 | サウジアラムコ | 1,795,831 | サウジアラビア |
| 3 | マイクロソフト | 1,531,483 | 米国 |
| 4 | アマゾン ドットコム | 1,512,003 | 米国 |
| 5 | アルファベット | 1,100,918 | 米国 |
| 6 | アリババグループ | 812,698 | 中国 |
| 7 | フェイスブック | 749,864 | 米国 |
| 8 | テンセント | 728,303 | 中国 |
| 9 | P&G | 549,661 | 米国 |
| 10 | バークシャー ハサウェイ | 484,193 | 米国 |
| 11 | ウォルマート | 393,218 | 米国 |
| 12 | 台湾・セミコンダクター | 392,068 | 台湾 |
| 13 | テスラ | 367,862 | 米国 |
| 14 | ジョンソン&ジョンソン | 360,896 | 米国 |
| 15 | ビザ | 359,059 | 米国 |
| 16 | サムスン電子 | 339,483 | 韓国 |
| 17 | ネスレ | 325,228 | スイス |
| 18 | 貴州茅台酒 | 313,968 | 中国 |
| 19 | NVIDIA | 309,339 | 米国 |
| 20 | JPモルガン・チェース | 298,787 | 米国 |
| 21 | ユナイテッドヘルスグループ | 289,985 | 米国 |
| 22 | マスターカード | 288,063 | 米国 |
| 23 | ホーム・デポ | 286,980 | 米国 |
| 24 | ロシュ・ホールディング | 275,910 | スイス |
| 25 | 中国工商銀行 | 262,432 | 中国 |
| 26 | LVMH | 236,693 | フランス |
| 27 | ベライゾン | 235,830 | 米国 |
| 28 | 中国建設銀行 | 235,351 | 中国 |
| 29 | ペイパル | 218,330 | 米国 |
| 30 | 美団 | 217,576 | 中国 |
この表からわかることは、とにかく米国が多いことです。資金調達環境が世界で特に優れていることが大きな理由だと私は考えます。
国別にまとめると以下のようになります。
| 国 | 企業数 |
| 米国 | 18社 |
| 中国 | 6社 |
| スイス | 2社 |
| 韓国 | 1社 |
| 台湾 | 1社 |
| サウジアラビア | 1社 |
ちなみに、自動車産業(世界規模)で最も時価総額が高い企業は日本のトヨタ自動車です。
しかしトヨタが、全産業の世界の時価総額ランキングトップ30に入っていたのは2016年までのことで、2017年以降はランキング圏外になってしまいました。その理由は、アジアのIT企業が台頭してきたからです。
5.2.日本企業と米国企業の比較
さてここからは、世界の大手企業がなぜそれだけ高い時価総額を維持できているのかを深堀りしていきましょう。
ここでは、日本を代表するトヨタ自動車と海外を代表するアップルを比較をします。

2017年9月時点で、アップルの時価総額はトヨタ自動車(23兆円)の約4倍です。アップルのこの時価総額の裏付けは、圧倒的な営業利益率によるもので、今後の成長に投資家から期待が集まっているということを意味します。
売上高から売上原価や人件費などの経費を差し引いたものが営業利益です。アップルなどの巨大なIT企業は、サーバーを自社で持っていたり人件費も高く設定していますが、それでも利益率は良いということになります。
つまり、時価総額が高まる背景には、営業利益率の高さがあることがわかります。
5.3.時価総額の高い企業の3つの特徴
さらに、ランキングから、時価総額の高い企業に多い3つの特徴をまとめました。
・営業利益率が高いこと
・資金調達環境が整っていること
さて、以上のことを確認できたところで、私たちが投資をする際には、時価総額をどのように考えるべきでしょうか。次章で解説します。
6. 時価総額で投資対象を選ぶ方法
時価総額から投資対象を選ぶ方法は3つあります。
①国を選ぶ
②企業を選ぶ
③偽物を見抜く
この3つのステップを以下で解説しますので、一緒に見ていきましょう。
6.1.国を選ぶ
まず、投資対象を選ぶときに重要なことがあります。それは国です。
日本に投資をするか、米国に投資をするか、それとも中国、欧州、etc…と選択肢は無数にあります。そこで時価総額ランキングの傾向から、どの国が伸びているかを考えましょう。
最近の傾向としては、中国企業が急成長していることから、世界の投資家が同国に目をつけています。また、米国は資金調達環境に恵まれていることからも、投資対象として悪い選択ではありません。
6.2.企業を選ぶ
国が決まれば次は、企業の探索です。
企業を選ぶ場合、上で紹介したアップルのように、時価総額を伸ばしていて、営業利益率の高い企業を選ぶことがポイントとなります。それは財務諸表をしっかりチェックして選んでいきましょう。
もし、国として投資対象にならなくても、企業として見ると非常に魅力的な銘柄がある場合もあります。
なので、時価総額と業績を調べて投資判断をしましょう。
6.3.偽物を見抜く
株価が上がっている企業の中には、自社株買いによって買い支えているものもあります。
そのような会社は、利益が出ていないことも考えられるので時価総額だけでなく財務諸表に注目しましょう。
7.まとめ
時価総額は、規模感や投資家の期待の強さ、企業の価値を考える物差しになっています。時価総額の高い企業に投資する場合には、利益水準の維持、さらなる成長を確認する必要があるということです。
対して、時価総額の低い企業は、これから利益率が伸びるかを意識して投資銘柄を選ぶことで急成長銘柄を発掘できるかもしれないということです。
また、世界の時価総額ランキングから、米系企業、あるいはIT企業が時価総額の高さを維持していることがわかりました。
その背景には、営業利益率や資金調達環境があります。
そこで私たちは、投資をするときに、そのような傾向を意識して、これから規模が大きくなりそうな企業を選別していく必要があります。
その場合、時価総額だけを投資をする根拠にするのではなく、その時価総額を記録している背景にも注目していきましょう。
もし、その背景に、自社株買いなどの、株価を意図的に上げようという思惑が見えた時は、それがどれだけ長く続くのだろうか、というようなことにも注意できるようにしていきましょう。
この記事を書いた人
タカシ
Twitterで世界経済に対する見解を発信中!
世界中の株式、暗号資産、FX、コモディティ、外貨で運用する投資家。高校在学中に起業し経営の道へ。大学入学後に株式投資を開始し証券アナリスト資格を学びながら独自の手法を生み出す。その後専業投資家を経験。投資手法は、割安な銘柄を買う「バリュー投資」と、マクロ経済と時代の変化に着目した「パラダイムシフト投資」。お金にまつわる講師も務めた経験あり。動物が好き。





