PBR(株価純資産倍率)とは|探し方と使い方を実例解説

PBR(Price Book-value Ratio=株価純資産倍率)は、その企業の株が割安かどうかを判断するために用いる指標です。

これは、企業価値を図るためのメジャーな指標の一つとして金融業界では多用されます。この記事では、PBRの特徴と株式投資への有用性についてお伝えしていきます。

是非、最後まで読んで、あなたの投資に役立ててください。

執筆者
遠藤 タカシ

遠藤 タカシ

Twitter@investorETで世界経済に対する見解を発信中! 世界中の株式、暗号資産、FX、コモディティ貨を運用する兼業投資家。高校在学中に起業し経営の道へ。大学入学後に株式投資を開始し証券アナリスト資格を学びながら独自の手法を生み出す。その後専業投資家を経験。投資手法は、割安な銘柄を買う「バリュー投資」と、マクロ経済と時代の変化に着目した「パラダイムシフト投資」。お金にまつわる講師も務めた経験あり。動物が好き。

1.PBRとは

冒頭でも述べましたが、PBRは株価の割安度を図る財務指標として用いられます。

そして、本来の価値と比べて割安に放置されている株を見つけ、先回りをして投資をして利益を得る投資手法を割安株投資と言います。

1.1.PBRの計算式

さっそくですが、PBRは以下の計算式で求めることができます。

上記の純資産とは、株主持分の事です。そして、株主持分とは、基本的には会社が返済する必要のないお金です。

つまり、この純資産が多ければ多いほど、会社の資産状況は安定する傾向にあるのです。

そして、現在どれくらい買われているかを判定する「株価」を、「株主持分」で割って計算して求めた数値が、

  • 大きければ大きいほど資産に対して株が買われ過ぎ
  • 小さければ小さいほど資産に対して株が売られ過ぎ

ということになります。

1.2.PBRの判断基準

また、PBRは「1倍」を基準に割安であるかどうかを判断します。

例えば、A社のPBRが0.8倍だったとします。それは、A社の純資産の大きさに対して低く株価が評価されていることを意味します。

続いて、B社のPBRが10倍だったとします。その場合、B社の株価は、資産に対して大きく評価されているので、割高の可能性が出てきます。なぜ「可能性」という表現を使うかというと、投資家の事業への将来期待が高いことから、必ずしも割高とはいえないケースもあるからです。

PERは、業種によって数値の高さに傾向があるため、1倍を基準にするというのは、あくまで目安であり、機械的に判断するものではありません。

では、割安指標はPBRだけなのでしょうか。実は、PERという割安指標もあります。

これらの違いについて次で解説をします。

1.3.PBRとPERの違い

おさらいですが、PBRは資産に対して、株価がどれくらい買われているのかを判定するためのものでした。

一方でPERは、利益に対する株価の大きさから株式の割安を測定する指標です。

割安度を測る際は、PBRはPERとよく同時に使用されますが、その意味合いが全く異なるということを認識しておくことにしましょう。

2つの大きな違いはそれだけではありません。

PERは赤字企業では、そもそも利益がないので利益を前提としたPERでは株価の割安度の判断が困難です。しかし、PBRであれば純資産にたいする株価の割合なので、赤字の企業でも算定可能という特徴があります。

上記のような意味合いから、PBRは「解散価値」とも呼ばれたりもします。今会社を倒産させたらどのくらいの価値になるか、ということです。PBRが1を割るほど低ければ、一般的に現在価値が本来の会社の価値より低いと評価することができます。

1.4.より正確なPBRの判断方法

業種別の統計データは日本取引所(東京証券取引所)から定期的に公開されています。「規模別・業種別PER・PBR(連結・単体)一覧」で見ることができるので確認しておきましょう。

たとえば、金融・証券などは1を下回り、他の業種に比べてもPBRは比較的低いです。

以下は三菱UFJ銀行の例です。

ここでは三菱UFJフィナンシャルGを例に解説しますが、銀行は一般的に急成長するところはめったに見れません。

何よりも、膨大な資産を保有しているため、純資産も必然的に高くなり、PBRも高くなります(はじめに紹介した計算式を思い出してくださいね)。

他方でIT業界は資産に対する対する投資家の期待が集まりやすく、PBRは比較的高くなる傾向にあります。

以下はウォンテッドリーの例です。

ウォンテッドリーは、「ビジネスSNS」というSNSサービスを利用した求人サイトを運営している企業です。サイト運営で経営を成り立たせているため、他社に比べ資産をそれほど持たなくても会社を伸ばしていける強みがあります。

これは、IT企業の強みでもあると同時に、PBRの高さの背景を理解しておく必要があるでしょう。

以上のように、「業種別PBRの統計値」と「個別銘柄のPBRの値」とを比較して、割高(割安)を判断することができます。

その他に、

  • 「業績に見合っているのか」
  • 「なぜここまで期待されているのか」

を知ることも大切です。気になる企業が見つかったら商品・サービスを徹底して調べてみましょう!

1.5.PBRの裏付けを知る

株式市場で評価される株価は、投資家の企業に対する期待度を強く反映したものであるため、株主は将来を見据えています。

そのため、ビジネスモデルや業績などに対する期待度に注目することで、PBRの値の裏付けを知ることができます。

それでは、以下で解説していきますね。

1.5.1.PBRが1倍未満の場合

PBRが「1」を下回っていたとしても、業績が悪かった場合は割安と評価されないこともあります。

その場合、以下の理由でPBRが低い状態であることが考えられます。

つまり、業績が悪くなったことで、投資家が資金を引き上げ、株価が下落し、その結果、低PBRになった可能性があるということです。

1.5.2.PBRが1倍以上の場合

一方で、PBRが「1」を大きく超えた数字であったとしても、業績が良くて将来に期待が集まっていれば割高だといえないこともあります。

その場合、以下の理由でPBRが高い状態であることが考えられます。

つまり、業績が優れており、その結果、多くの投資家が買い、株価は上昇し、株価が分子にあるためPBRも高い可能性があるということです。

PBRが高すぎる場合は、ちょっとしたネガティブな材料(ニュース、業績は悪くないが決算でアナリストの期待を超えなかった場合など)で急落につながることもありますので注意しましょう。

次にPBRの探し方を解説します。

2.PBR銘柄の探し方

それでは、低PBR銘柄の探し方を解説していきます。

実際に投資をするならば、ただPBRの低い銘柄を探せばそれで良いというわけではありません。

投資する上で、その銘柄が安全かどうかを確認する必要があります。

そこでPBRの低い割安な銘柄を探す方法として以下の3つを紹介します。

  1. 低PERランキングを探す(Yahoo!ファイナンス)
  2. 四季報で財務状態・業績の状態をチェックする
  3. チャートのチェックをする

どれを使ってもいいです。では順番に解説していきます。

2.1.低PERランキングを探す(Yahoo!ファイナンス)

Yahoo!ファイナンスにアクセスしてPBRの低い銘柄を探してみましょう。

アクセスすると、ランキングが登場します。ランキングは一番手っ取り早い方法ではありますが、どのような銘柄もすべて一括りになっていますので、なぜ上位に来ているのか理由を探ってみましょう。

執筆時のPBRランキングは以下のようになっていました。

ランキング上位は地銀がほとんどでした。

なぜ地銀のPBRが低いのかというと、日本銀行が量的金融緩和政策を行い、低金利化が進んでいるからです。地方銀行は為替リスクを取らないことから、運用手段は日本国債がほとんどです。

そのため、業績悪化を織り込んで株価は低くなりました。資産に対して株価が低くなるとPBRも下がるので、ランキング上位が地銀ばかりになったと見ることができます。

なので、このような銘柄に投資することはリスクが高いと判断できます。

引き続きランキングを見ていくと、JXTGホールディングスという銘柄が出てきました。

JXTGホールディングスは、2017年4月に東熱ゼネラルと経営統合し、資産も大きい企業です。国内シェア5割の石油元売り首位の業者ですが、PBRが0.44と割安です。

なぜ割安なのか、先ほどの例と同じように背景を探っていきましょう。

直近、逆オイルショックとコロナショックの2つの金融ショックが重なり原油価格が暴落しています。

世界的に石油需要が減るとの観測から同じようにJXTGホールディングスの株価も落ちました。

ところが、この現象はチャンスとの見方もできます。経済は人やモノの移動によって成立しています。商品の製造にも原油は使われていますし、いくら電気自動車がこれから少しずつ普及するとはいえ、まだまだ飛行機では原油を使いますし、地方の人にとっても車は石油で走らせます。

では、コロナショックから回復したら経済は再開され、原油や石油の需要も回復することが考えられます。それに、もし実需がまた高まってくれば、投資家は割安な株を買い漁るので、JFXG株も買われていく可能性があります。

上記の理由から、JXTGは割安である(お得である)と判断しました。

次に四季報を見てみましょう。

2.2.四季報で財務状態・業績の状態をチェックする

低PBRで割安だったとしても、業績が悪い、財務が悪いだとジリ貧状態です。株価も決して上がることなく右肩下がりで下落していきます。なので、それらの確認をしましょう。

では、先ほどのJXTGホールディングスを見てみます。

四季報によると、原油価格が本格的に暴落する前の解説でしたが、石油精製マージンが堅調で、総還元性向50%とする方針であることが書かれ、コロナウイルス問題と原油価格問題が解消されればPBRがこれ以上下にいかないと見ることができます。

ではさらに深く見ていきましょう。

JFTGホールディングス(5020)財務データ

ここでROEROA、減価償却費に対する設備投資費など見てもそれほど悪いものではないように感じます。

上記の四季報は楽天証券の取引ツール「iSPEED」の画面です。見やすさ、使いやすさの点でとてもおすすめです。

では次にチャートの確認をしましょう。

2.3.チャートの確認

引き続きJXTGの例で言うと、直近大きな下落が確認できます。

JFTGホールディングス(5020)チャート

チャートをチェックして、大きな下げがある銘柄、不自然に売られ続ける銘柄は、ファンダメンタルに問題がないかどうかを常にチェックする必要があります。

JXTGの場合は背景に逆オイルショックとコロナショックの背景があるので、はっきりしています。

このようなスキルは意識すれば身につくので、株を買う前に最低限の確認をしておきましょう。

正しく判断するために必要なのは、割安指標+ファンダメンタルズ+チャートの確認です。

では、確認がでいたところで、実際にPBRをどう使っていくかを解説していきますね。

3.PBRを材料にした投資方法

PBRを確認して割安だ、と判断して実際に取引をする場合、以下の2つに注目してください。

  • 株価の上昇を確認したとき
  • 株価の下落傾向がチャートに表れているとき

がチャンスになることが多いです。

3.1.株価の上昇を確認したとき

割安なのに株価が上昇している場合、割安だと評価して買われていることがよくあります。適正な株価に戻すことを期待して、今のうちに買っておこうという心理が投資家たちを動かします。

3.2.株価の下落傾向がチャートに表れているとき

株価が落ち込んでいる最中に買える人はなかなか勇気がありますよね。

しかし、それがチャンスになったりします。金融ショックがあった場合、そこから経済が回復するにつれ、本来の価値に戻していく銘柄があります。もちろん金融ショック前に戻す確証はありませんが、その反動を狙って投資や投機をする方法があります。これを逆張りといいます。

4.まとめ

みなさん、いかがでしたか?

業績に期待できるような企業でもPBRが低く、まだ注目されていない企業もあります。

PBRに焦点を絞って銘柄を探してみるとお宝銘柄を発掘できるかもしれないので、是非使ってみてください。

ただし、注意が必要です。PBRを使用する際には、PBR単体を使用して割安かどうかを判定してはいけません。悪材料を織り込んだ上で割安に放置されたPBRの低い銘柄を探す必要があります。

本記事でも出てきたPERについて知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。

参考:『PERを活用して本当に割安な株を見つける3つの方法

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