有利子負債比率とは
(更新 ) · 投資の教科書 株式事務局

この記事は2015年に公開したアーカイブ記事です。制度・数字・サービスの内容は当時のものです。
投資対象の企業が安全な会社かどうかを判断するための指標として、有利子負債比率という財務指標があります。
この指標を知ることで、これまで業績だけで株を買うかどうか判断していた人にとっては、もう一つ企業の安全性という尺度が増えることになります。
まずは有利子負債を理解しましょう。そしてその後、比率の計算のもととなる自己資本、有利子負債比率と自己資本比率との違い、具体的な有利子負債比率の導き出し方と考え方をおさえましょう。
1.企業の借金?有利子負債とは
返す必要のある借金がどれくらいあるのかを浮き彫りにすることで、その企業が体質的に良い企業なのか悪い企業なのかを浮き彫りにすることが可能となります。
有利子負債が多ければ悪い、少なければ悪い、という絶対的な基準では判断できませんが、それが自己資本にたいしてどれくらいあるのか、比率で見ることが大事です。
まず有利子負債から見ていくことにします。
有利子負債は、企業が利子をつけて返済する必要のある負債(つまり借金)です。
たとえば、銀行などから調達した借入金、債券市場から調達した社債やCP(コマーシャルペーパー)などがあります。
当然のことながら借金が多くなることはそれほど良い話ではありません。ただ、借金を全くしないで、ビジネスを行っていくことは挑戦心がないということでそれはそれでよくありませんよね。
やはり企業活動をしていく上では資金が必要であり、最初から株主が大きな資金を出していくれていてその企業活動が調子付けば良いですが、大抵はそれ以外にも銀行からの資金調達をして業務を軌道に乗せる必要があります。
そうして、利益がどんどん増えていけばやがて株主による出資も増加して、自然と自己資本(株主資本)に対する有利子負債(借金)の割合も小さくなっていきます。
次に自己資本を考えてみましょう。
自己資本比率と有利子負債比率の違い
自己資本とは企業が株主等から借入れた基本的には返す必要がない資本のことです。
それはたとえば、返済義務のない株主からの出資金や資本準備金などのことで、返済義務のある銀行からの借金より自己資本が大きければ大きいほど会社経営は安定するといえます。
特にこの自己資本の強固さをはかるための財務上の指標としては自己資本比率というものがありますが、これは総資産に対する自己資本の割合を図るものです。この数値が高いほど企業の財務の安定性は高くなります。
一方、有利子負債は、自己資本に対する有利子負債の大きさを計測するためのものです。そのためその数値は小さいほど良い。ということになります。
まとめると…
1. 自己資本比率=高いほど企業の安定性が高い
2. 有利子負債比率=低いほど企業の安定性は高い
ということになります。自己資本絡みだけでみると、自己資本比率が高く有利子負債比率の小さい会社というのは財務が安定している、ということになります。
2.具体的にみる有利子負債比率
では、本題の有利子負債比率について解説します。次のように、計算されます
有利子負債比率=有利子負債÷自己資本×100
具体的に企業の有利子負債比率を見てみましょう。トヨタ(7203)とJT(2914)の例で見てみましょう。
まずはトヨタの例です。

単位は100万円。自己資本が18,946,917、有利子負債が20,240,450となります。パッと、見で有利子負債の方が多いことがわかります。
ちなみに有利子負債比率は、有利子負債÷自己資本なので、計算すると107%ということになります。

一方、JTの有利子負債比率ですが、こちらJTの有利子負債比率は、648,534÷4,680,900×100で24.1%ということになります
こうみてみるとトヨタの財務が危険なように思えますが、一概にそうとは言えず、株価が順調に伸びているのはむしろトヨタの方です。業績の伸びがトヨタの方が大きいからです。
当然利益が伸びが大きく業務を拡大できると踏めば株主からの借り入れのほかに、借金してでもいいから資金を増やそうとしますよね。トヨタはまだまだこれから力を伸ばしていこうとしている最中なのかもしれません。
逆に言えば、有利子負債比率が高いのに、業績が伸び悩んでいる企業や赤字に転落している企業なんかは「要注意!」ということになります。
まとめ
有利子負債と自己資本の関係を知ることで財務に少し強くなった気がしませんか?
このように財務をいろいろな指標と絡めて見ていくことで、少しずつ財務に強くなり自身で投資をするときに、強い会社、弱い会社の見極めができるようになります。参考になれば幸いです。
この記事を書いた人
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