出来高は、売買代金と並ぶ注目度をはかる重要な指標の一つです。
この記事では、出来高を活用して日々の売買で気づきが得られるよう実例も交えてお伝えしていきます。
そして、あなたは気づきが得られることで、今まで以上に利益を出しやすくなりますので、最後まで読んで自分のものにしてください。
執筆者
遠藤 タカシ
Twitter@investerETで世界経済に対する見解を発信中!
世界中の株式、FX、商品先物を運用する兼業投資家。高校在学中に起業し経営の道へ。大学入学後に株式投資を開始し証券アナリスト資格を学びながら独自の手法を生み出す。その後は専業投資家、財産構築アドバイザーとして活動。運用では日々数億円規模の取引を行い、数々の金融ショックから資産を守り膨張させる。投資手法は、割安な銘柄を買う「バリュー投資」と、マクロ経済と時代の変化に着目した「パラダイムシフト投資」。お金にまつわる講師も務めた経験あり。好きなものはアニメと映画。
出来高とは
出来高とは、「売買された株の取引量」のことを指します。買いたい人と売りたい人が沢山現れると増えていきます。出来高が高いことは、その銘柄の取引が活況であることを意味しています。
一般的に、株価が下がっている時に出来高が増えてくると、下落が止まるサインであることが多いです。
一方で、株価が上がっている時に出来高が下がってくると、株価上昇が止まるサインであることが多いです。
このことから、出来高に関して、前者の場合は買いサインで、後者の場合は売りサインであると、誤解されやすいです。
ただし、出来高だけを見て、そう判断するのは早計です。詳しくは後で説明します。
出来高の見方
その前に、出来高の見方を確認しておきましょう。
出来高は、ヤフーファイナンスや各証券会社のアプリケーションから見ることができます。
私は、楽天証券のアプリ「iSPEED」で見ています。
楽天 iSPEED

このように、個別銘柄のサマリー画面から出来高を確認することが可能です。具体的な数字は「市況情報」を押すと見ることができます。
出来高と株価の関係性
出来高が高いということは、投資家の注目が集まっている証拠です。
先ほど少し触れましたが、出来高だけで株価の予想をするのは危険です。確実に言えることがあるとすれば、出来高が増えた結果、株価が大きく動くということのみです。
上昇するのか下落するのかを判断するには、その銘柄に対する投資家の期待を分析する必要があります。
では、くらコーポ(2695)の例を見てみましょう。
週足
くらコーポは、四半期決算ごとに大きく株価が動き、それを反映するかのように出来高(黄色枠)も高くなる傾向がありました。
ご覧のように、株価が比較的低いところで出来高が急増して、必ず上がるわけではないですし、株価が比較的高いところでそうなって、必ず下がるわけではありませんね。
ここで、さらに理解を深めるために、過去1年で最大の出来高を記録した期間である「赤枠のローソク足」の部分を日足で見てみましょう。
日足
一年の中で最高値をつけてから、株価が下がっているところで出来高が増えています。
単純な理解では、高値付近での出来高増なので、売りサインと単純に考えてしまうかもしれません。
しかし、ここでは出来高急増に伴い、大きく窓を開けて上昇しました。これをみて、端的に出来高だけで判断してはいけないことが分かりますね。
さらに、注目するべきは、この後、1週間で1,000円以上も売られ、その後、窓(緑丸)を埋めるために一気に買い戻されていることです。
そもそも、決算発表の翌営業日から株価の下落が始まっています。それは、同社の業績の成長が鈍化していることによって、投資家の失望が高まったことが原因です。
さらに、一個前の週足のチャートの白丸の部分をもう一度見てみてください。そこで窓が開いていますので、その窓を埋めるように、株価が下落する可能性があると考えることができます。
つまり、同社には、出来高増しの時点で、
という二つの背景があったのです。
単純に出来高だけで判断して、株価を予想するのではありません。
まとめ
出来高は「買い」や「売り」のサインになると誤解してしまうことが多いですが、決してそうではありません。
出来高だけでは未来の株価は予測は難しいのです。
つまるところ、出来高は、他の材料と合わせて総合的に判断することで、はじめて未来の株価予測に繋がります。
出来高は、あくまでも銘柄の活況度を意味します。活況度が増した背景には、何かしらの理由があり、それを見つけることがもっとも大切なのです。
その理由は、
- 業績の良し悪し
- 新商品・新サービスへの期待
- 企業や運用会社の思惑(仕手筋)
- スキャンダル
など、様々です。
出来高は、株価の異変に気付くためのものであり、それだけでは投資で利益を追求することは難しいのです。
投資で利益を追求するときに最も大切なことは、企業の変化に誰よりも早く気づき、かつ企業に詳しくなることです。
そのために、以下に私のおすすめサイトをご紹介しています。是非活用して、多角的な視点で取引ができる投資家を目指しましょう。
元専業投資家が教える、株で勝つためのサイト18選
利益を最大化するために 凄腕トレーダーたちが 使っている証券口座とは
当サイトで証券コンテンツを執筆している遠藤氏とavexfreak氏のノウハウを実践するなら、口座選びを徹底する必要があります。
投資でプロフェッショナルな実力を持つ遠藤氏は、「口座を選びは、利益の出し方を決めるものであり、自分に合った選び方をするべきだ」と言っています。
そんな遠藤氏が利益を最大化するために実際に使っている口座は、『プロが初心者へおすすめ│証券会社ランキング・比較』で詳しく解説しています。
また、21年間の株式投資で2億6000万円以上の利益をあげているavexfreak氏は、『おすすめネット証券はこれだ!総合ランキングで主要5社徹底比較』で、自身の視点で「これだ!」と思える証券会社を解説しています。