ETNとは|ETFとの違いと6つのリスクを初心者にもわかりやすく解説

ETNとは、「Exchange Traded Note」の頭文字を取ったもので、「上場投資証券」または「指標連動証券」と呼ばれます。

おそらく、ETF(Exchange Traded Funds=上場投資信託)のほうが有名で知っている方が多いと思います。

この記事では、ETNの特徴をETFと比較しながら解説し、売買する上での注意点をお伝えします。

執筆者
投資の教科書  デリバティブ事務局

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投資の教科書デリバティブ事務局では、先物取引やオプション取引で稼ぐ力を身につけるために必要な基礎知識をはじめ、実際に成果をあげているトレーダーの手法、分析方法などを、初心者にもわかりやすくお伝えしています。

1.ETNとETFの違い

ETNは、発行会社が信用力をもとに発行した債券を上場し、市場で売買できるようにした金融商品です。発行会社は、そのETNの価格が特定の指標に連動するように保証します(注意点もあるので後ろで解説します)。

(例)NEXT NOTES 東証マザーズ ETN(2042)

これに対してETFは、発行会社が特定の指数に連動するように現物証券を集め、それをもとに証券を発行します。つまり、現物の株式や債券の裏付けがあって、それを小分けにして売買できるようにしているのです。

(例)TOPIX連動型上場投資信託(1306)

また、ETNは、運用会社が指数とETNの価格が連動するように保証しているため、ETNの価格と指数との間にズレがほとんど生じません。ただしETNの商品設計上、長期投資が向かないです。これについては後ろで解説していきます。

これに対してETFは、運用会社が実際に現物資産を購入して運用するので、購入方法によってETFの価格と指数との間にズレが生じる場合があります(=トラッキング・エラー)。

このように、ETNとETFは、ある指数を市場で売買できるという点で共通しています。しかし、ETNは発行会社の保証があるにすぎず、現物資産の裏付けがない代わりに、ETFより指標に忠実な動きを示すのが特徴です。

2.ETNの6つのリスク

ETNには、売買するにあたって注意点すべき点がいくつかありますが、その中から6つのリスクをお伝えします。一つ一つ見てきましょう。

2.1.発行会社の信用リスク

1つ目は、発行会社のリスクです。

繰り返しになりますが、ETNは、ETFと違って裏付けとなる資産を保有していません。ETNは発行会社の信用力によって発行されている証券なので、発行会社が倒産したり、財務状況が悪化した場合に、ETNの価格が下落するリスクがあります。

これは、ETFにはないリスクなので、留意しておく必要があります。

2.2.価格変動リスク

2つ目は、価格変動リスクです。

ETNが指標としている指数は、その時の相場状況によって上下します。この価格変動リスクはETNに限らず、現物株やETFなど他の金融商品にも当然あるリスクです。したがって、ETN特有のリスクというわけではありません。

2.3.流動性リスク

3つ目は、流動性リスクです。

対象銘柄の取引量が少ない場合は売買が成立しなかったり、指数から見込まれる価格で売買できない場合のリスクのことです。これも、ETN特有のリスクというわけではなく、個別株やETFにも存在するリスクです。

2.4.早期償還のリスク

4つ目は、早期償還のリスクです。

早期償還とは、一定の条件に該当した場合に、その時点で発行会社がETNを償還(=払い戻し)することです。

例えば、目論見書に「前日終値と比べて20%以下の価格となった場合には早期償還できる」という項目が入っているETNは、価格が前日比で20%を下回ると発行会社はその時点で償還することができます。

実際の事例として、「S&P500 VIX短期先物インバース日次指数(2049)」のチャートをご覧下さい。

S&P500 VIX短期先物インバース日次指数(2049)のチャート

ご覧のように、2018年2月上旬に、1月の高値の約40,000円から一気に急落しています。

この頃、アメリカの株式市場で株価が大きく下落し、市場のボラティリティ(変動率)を表わすVIX指数が急上昇していました。このチャートのETNは、VIX指数と逆に動くように設計されており、「VIX指数が上昇すると下落する」という特徴がありました。

そのため、VIX指数が急上昇したことで大きく下落し、たった1日で早期償還の条件である前日比20%以下の価格となり、1,144円で早期償還されてしまったのです。

このように、早期償還は大きなリスクとなるので、購入する前には必ず証券会社の目論見書などで確認しておく必要があります。

2.5.先物連動リスク

ETNを運用していく上で最大のリスクともいえるのが、長期投資です。これは、商品によって設計が違うので、個別に調べる必要がありますが、例えば以下の銘柄は、中長期投資におけるリスクがあります。

  • NN 日経平均VI先物指数ETN(2035)
  • NN 日経・TOCOM 金ダブル・ブルETN(2036)
  • NN 日経・TOCOM 金ベアETN(2037)
  • NN 日経・TOCOM 原油ダブル・ブルETN(2038)
  • NN 日経・TOCOM 原油ベアETN(2039)

では、これらの銘柄を参考に、先物連動型ETNに潜むリスクについてお伝えします。

先物指数には、決済期間を表す「限月」という概念があり、限月の違いで先物価格も変わってきます。以下をご覧ください。

TOCOM 原油先物のドル建て価格

TOCOM 原油先物のドル建て価格

これは、原油先物のドル建て価格です。左側の「限月」の列に6月限から11月限まで表示されています。これは6月~11月に決済が行われる先物の価格です。

この最も決済日の近い6月限を「期近」、遠い決済日の11月限を「期先」と呼びます。

この期近と期先の価格のどちらが高いのかということが、リスクを知る上ではとても重要です。なお、期近と期先の関係性は、以下の2種類に分かれます。

  • 期先価格 > 期近価格・・・「コンタンゴ
  • 期近価格 > 期先価格・・・「バックワーデーション

そして、このコンタンゴやバックワーデーションが価格に与える影響は、次の通りです。

  • コンタンゴ:減価要因(一般的)
  • バックワーデーション:増価要因(希少)

ETNの設計上、一般的であるコンタンゴの場合、期近の価格が低く、期先の価格が伸びているので、期近を決済前に売り期先に転換する動き(ロールオーバー)によってETNは減価していきます。それに対して、バックワーデーションでは逆の影響を与え、増価要因として働きます。

上の原油先物の表では、バックワーデーション状態となっているので、上昇しやすい傾向です。

以上のような、コンタンゴやバックワーデーションの仕組みを知らずに取引をしていると、コンタンゴの影響を受けて、ETNの価格がなかなか上がらず後悔することになりかねません。

2.6.レバレッジ・インバース型リスク

ETNにはレバレッジ型とインバース型の商品であれば、商品の特性上のリスクがあります。

指標と同じように動く傾向のあるレバレッジ型と指標の動きと反対に動く傾向のあるインバース型のETNは、どちらも連動する指標の日々の変動率に倍数をかけて計算され、ETNの価格に反映されます。

しかし、参考としている指標の上昇と下落が相互に繰り返されるような相場においては、複利効果が働くため、指標よりも価格が逓減するというリスクがあります。

3.日本のETNの具体的な銘柄

では、東京証券取引所で実際に売買できる代表的なETNを3つご紹介します。

3.1.NEXT NOTES 日経平均VI先物指数ETN(2035)

このETNは、日経平均ボラティリティー・インデックス先物指数に連動しています。日経VI先物指数が上昇すると同じように上昇するように作られているのが特徴です。

EXT NOTES 日経平均VI先物指数ETN(2035)チャート

3.2.NEXT NOTES 日経・TOCOM 金ダブル・ブルETN(2036)

このETNは、日経・東商取金レバレッジ指数に連動しています。

基本的には金の価格と同じ動きをしますが、名前に「ダブル」とあるように、金の価格が10円上がったら2倍の20円上がるように設計されているのが特徴です。当然、金の価格が下がったら、このETNの価格も2倍下がるので注意が必要です。

NEXT NOTES 日経・TOCOM 金ダブル・ブルETN(2036)チャート

3.3.NEXT NOTES S&P シンガポールリート(NR)ETN (2045)

このETNは、S&PシンガポールREIT指数に連動しています。円換算したS&PシンガポールREIT指数(課税後配当込み)に連動するように作られているのが特徴です。

NEXT NOTES S&P シンガポールリート(NR)ETN (2045)

なお、これ以外の国内のETNの銘柄については、こちらの日本取引所グループのサイトでご確認下さい。

4.米国のETNの具体的な銘柄

アメリカでは、ETNが日本より数多く上場しており、売買も活発です。

ここでは2つご紹介し、私が実践している手法についても簡単にお伝えします。

4.1.iPath S&P 500 VIX ST Futures ETN (VXX)

このETNは、アメリカの株価指数S&P500のVIX指数先物に連動しています。相場が大きく変動してVIX指数が上昇するとこのETNも上昇するのですが、それ以外の相場が安定している期間では価格がジリジリ下がるように作られているのが最大の特徴です。

iPath S&P 500 VIX ST Futures ETN (VXX)チャート

ちなみに、私はこのETNが下がり続ける特徴を利用した手法で成果を上げています。詳しくは、次の記事で解説しているので、参考にして下さい。

≫ 米国ETF・ETNによる資産運用で年間38%の利回りを安全に得る方法の全て

4.2.iPath S&P GSCI Crude Oil TR ETN (OIL)

このETNは、S&P GSCI Crude Oil Total Return Indexという原油の指標に連動しています。原油価格が上がると予想すれば、これを買っていれば利益が得られることになります。

iPath S&P GSCI Crude Oil TR ETN (OIL)チャート

まとめ

日経平均株価やVIX指数などは、実態がない資産なので、直接取引することができません。

この指数の取引を可能にしているのが、ETNやETFです。金などの現物に直接投資しなくても、証券会社でETNやETFを買うことで、金の価格の上昇の恩恵を受けることができます。

ETNやETFの商品の特徴とリスクをよく把握して売買し、投資の幅を広げてみてください。

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