公募増資・売出とは|利益を出す方法を実例で解説

あなたは、公募増資、売出(PO)というイベントに参加したことがありますか?

もし参加していないとすると、せっかくの収益チャンスを逃しているかもしれません。

この公募増資や売出では、市場価格よりも安い価格で、株式を入手することができるので、公募増資、売出で入手した株式を市場で売却して利益を出すことができます。

また、これらが発表されると、株価は公募増資、売出特有の株価の動きをするので、この株価変動を利用して利益をあげることもできてしまいます。

この記事を読むと、公募増資、売出で利益を出す具体的な方法を知ることができます。是非、最後までお読みください。

執筆者
avexfreak(エイベックス・フリーク)

avexfreak(エイベックス・フリーク)

2003年から元手300万で株式投資を始め、16年間で約2億8000万円の利益を稼いでいる兼業トレーダー。得意な手法は、四季報先回り買い、IPO投資、株主優待のタダ取りなど、多岐に渡る。ブログ『資金管理の掟』を運営。ツイッターアカウントは『@avexfreak』。趣味は、旅行と食べ歩き。

1.公募増資、売出(PO)とは

公募増資とは、会社が資金調達をするために新しい株式を発行する場合に、多数の投資家に対して買付けの申し込みを勧誘することをいいます。

それに対し、売出とは、大株主が保有する株式を売却する場合に、多数の投資家に対してその買付けの申込みを勧誘することをいいます。

このように、公募増資が新しい株を発行し投資を募るのに対し、売出はすでに発行済の株式について行われる点が両者の違いになります。

そして、公募増資と売出のことを合わせて、「PO(Public Offering」といいます。

2.公募増資、売出のメリット、デメリット

2.1.メリット

投資家にとって公募増資のメリットは、市場価格よりも安く株式を入手できる点です。

売出のメリットも、市場価格よりも安く株式を入手できる点にあります。

2.2.デメリット

対して、公募増資のデメリットは、公募増資や売出が発表されると、既存の買う株主が保有する株式の希薄化需給の悪化によって、株価が下落しやすくなるという点です。

では、株式の希薄化とはどのようなものなのでしょうか?

2.2.1.株式の希薄化とは

公募増資をすると、発行済株式数が増えるため、1株当たりの株式価値は減少します。このことを、株式の希薄化といいます。

例えば、1年間の利益が100万円の企業が株式を50株発行しているとします。この会社の1株あたりの利益は、100万円÷50株=2万円です。

しかし、公募増資、売出で50株発行すると、株式は全部で100株になります。そのため、1株あたりの利益は、100万円÷100株=1万円と半減してしまいます。

このように、発行済株式数が増加するという事態は、既存の株主にとってはこれまであった自分の持株相当の利益が減少してしまうということになるのです。

2.2.2.需給の悪化とは

需給悪化とは、株を買いたい人が減り、売りたい人の方が多くなった状態を表します。公募増資や売出があると、市場に流通している株式数が増えるため、需給悪化を嫌気して、株価が下落することが多いです。

例えば、ある企業が株式を50株発行しているとします。株式市場で売買される株式は50株です。

しかし、公募増資、売出で50株発行すると、株式は全部で100株になりますよね。

このように、市場に流通している株式が増えると、需給が悪化し、価格が下がる傾向にありますので注意が必要です。

3.公募増資と売出の流れ

上記のように、公募増資と売出は、すでに株式を保有している株主にとっては、デメリットが多いです。しかし、それ以外の投資家にとって、公募増資と売出は、市場価格よりも安く株式を入手できるメリットがあります。

そこで、ここでは、公募増資や売出に参加して、株式を安く取得する方法を解説します。

POスケジュール

図1

出典:SBI証券

公募増資、売出に参加して、株式を取得するためには、ブックビルディング(図の②)と購入申込(図の⑤)という手続に参加する必要があります。

3.1.ブックビルディング

ブックビルディング(需要申告)とは、3.0%、4.0%、5.0%というように割引率が並んで提示されている仮条件(図の①)の範囲内で、「いくらなら株を買っても良い」という意思表示をするものです。

公募増資、売出に参加して、株式を取得するためには、ブックビルディング期間中にブックビルディングを行う必要があります(図の②)。

ブックビルディングでは、仮条件の範囲内の指値又は成行を注文しますが、確実に購入申込の権利を得たい場合は、成行を選択します。そして、ブックビルディングの結果を踏まえて、公募・売出価格が決定します(図の③)。

ちなみに、この公募・売出価格が決定される日のことを、価格決定日といいます。

3.2.購入申込

次に、公募・売出価格が決定されると、購入申込の手続(図の⑤)があります。

ブックビルディングをした投資家は、証券会社から配分を受けた株数について購入申込をすることができます(一部のネット証券では、購入申込をした後、抽選で、配分が決まります)。

公募増資、売出で購入した株式は、「受渡日(受渡期日)」(図の⑦)以降売却できます。

この受渡日は、値決め日から6営業日後となるケースが多いのですが、6営業日よりも長い場合もあります。

しかし、公募増資と売出では、購入申込みをしてから、受渡日まで時間差があるので、受渡日までに株価が下落してしまうと、せっかく、市場価格よりも安く株を手に入れても、結局は損をしてしまうことがあります。

それを防ぐため、受渡日より前に、つなぎ売りを入れるという方法もあります。なお、つなぎ売りについては、私のこちらの解説をご覧ください。

3.3.ネット証券の公募増資、売出取扱い件数

以下のデータは、2018年1月~10月までのネット証券の公募増資、売出の取扱い件数をまとめたものです。ネット証券の中では、公募増資や売出しの取り扱いは、SBI証券とauカブコム証券の件数が圧倒的に多いことがわかります。

  • SBI証券:24件
  • auカブコム証券:17件
  • マネックス証券:7件
  • 楽天証券:0件

4.公募増資、売出の株価変動で利益を出す3つの方法

これまで説明したように、公募増資、売出では、ブックビルディングと購入申込をして、市場より安く株式を入手して利益を出すことができます。

それとは別に、ブックビルディングと購入申込をしなくても、公募増資、売出特有の株価変動を利用して、利益をあげる方法があります。ここでは、ブックビルディングと購入申込をしないで、公募増資、売出の株価変動を利用して利益を出す方法を3つ紹介します。

4.1.空売りで利益を出す

1つ目は、公募増資や売出が発表された直後から、価格決定日までの間に空売りをして利益を出す方法です。

公募増資、売出が発表されると、価格決定日までは株価が下落しやすくなります。なぜなら、先ほど説明した株式の希薄化と需給の悪化が起こるからです。

下のチャートをご覧ください。

売出発表後のチャート

GMOフィナンシャルホールディングス(7177)日足

これは、GMOフィナンシャルホールディングス(7177)の日足チャートです。

売出を発表してから、価格決定日まで大きく下落している様子がわかります。

この例の場合、売出発表直後の9月26日の寄付きは857円でした。これを1,000株空売りしたとします。そして、価格決定日の大引け718円で買い戻した場合、139,000円の利益になります。

ただし、たとえ増資が発表されたとしても、株価は一直線に下落していくわけではありません。特にヘッジファンドなどは、ゆっくりと価格を上げ下げしながら株価を下げていくように売りを仕掛けることも多いため、その流れを慎重に見極めながら売り増しをしていくことが必要です。

もちろん、株価がなぜか思惑と外れてしまい損失が拡大しそうならば、損失確定をすることをためらわないでくださいね。

また、公募増資、売出を発表した全ての銘柄の株価が下がるわけではないので注意が必要です。特に、REIT(不動産投資信託)の公募増資、売出は株価が下落しにくいので、あまり空売りには向きません。

ちなみに、ここまで紹介してきた空売りの手法は、リーマンショック後の不況時などで良好なパフォーマンスを上げることができたことで有名になりました。ただし、次の法律ができてから、公募増資に伴う空売りでの利益獲得が難しくなりそうです。

金融庁のこちらの文書は、発表後の空売り自体を禁止しているわけではなく、あくまで空売りをした分のポジションを増資に伴う新株発行分の株式で現渡をすることを禁止しています。

また、2014年の株式市場でも話題となりましたが、これまで存在した公募増資後から価格決定までの期間が、大幅に短縮されるという問題もあります。

価格決定が、増資発表から1日で行われるのであれば、空売りによる売り仕掛け自体できなくなるので、このような時間の経過と共に発生する各種の規制や制度には目を光らせておく必要があります。

4.2.受渡日の買いで利益を出す

次に紹介するのは、受渡日の買いで利益を出する方法です。

受渡日の寄付きから10時くらいまでの間は、公募増資、売出で株式を入手した投資家が、市場で売りを出すため、株価が下落しやすくなります。

しかし、その時間帯を過ぎると、公募増資、売出で株式を入手した投資家の売りが減るため、徐々に株価が上昇しやすくなります。

そこで、受渡日の寄付きから10時くらいまでの間に、株価が大きく下落した場合、逆張りの買いを行うという方法があります。

下のチャートをご覧ください。

ヒューリックの日足チャート

ヒューリックリート投資法人(3295)日足

この日は、ヒューリックリート投資法人(3295)の受渡日でした。

この日の寄付きは160,300円に対して、終値は162,800円でした(寄り付きから2500円上昇)。

私は、寄付きで5口株購入して、大引けで売却して12,500円の利益になりました。

4.3.安定操作を利用して利益を出す

最後に紹介する方法は、安定操作を利用して利益を出す方法です。

株式の購入申込期間中に、株価が公募売出価格を割れて下落してしまうと、株式の購入申込がなされず、公募増資、売出が失敗してしまう可能性があります。

そこで、公募増資、売出を円滑に行う目的で、募集・売出しの価格決定日の翌日から募集・売出しの申し込み最終日までの間、主幹事証券によって公募売出価格を割れないように買い支え(安定操作)が実施されます。

このことを利用して、公募売出価格のすぐ上で株式を購入して、数円上で売却して儲けるという方法があります。

例えば、GMOフィナンシャルホールディングスの売出価格は786円でした。

2018年10月3日が価格決定日で、10月4日と5日が安定操作期間でした。

10月4日は、786円を割れないように証券会社が出した買い注文により、株価は790円付近で下げ止まっていました。

下の表は、GMOフィナンシャルホールディングスの時系列データです。

GMOフィナンシャルホールディングスの時系列データ

GMOフィナンシャルホールディングス 時系列データ

安定操作期間の10月4日と5日を見ると、売出価格786円を割れる直前で下げ止まっている様子がわかります。そこで、私は790円で1万株購入して792円で売却しました。それによって、2万円の利益となりました。

このように、安定操作を利用して、利益を出すことは難しくありません。

しかし、安定操作期間が終わると、公募売出価格を割れて株価が下落してしまうことがあるので、この方法で株式を買った場合は、安定操作期間中に売却するようにしてください。

5.まとめ

公募増資は、基本的には悪材料だとみなされがちです。しかし、見方を変えると、株価が決められた方向へと動く確率が高いイベントのうちの1つでもあります。

そして、ブックビルディングと購入申込をしないでも、公募増資、売出特有の株価変動を利用して、利益をあげる方法もあります。

公募増資、売出は、投資家にとっての大きなチャンスですので、この記事の内容を踏まえて、公募増資、売出でしっかりと利益を出せる投資家になってくださいね。

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