算数が苦手でも目標株価を簡単に割り出す3つの手順

株を「買う」「買わない」「売る」「売らない」を判断するのは難しいですよね。

おそらく、多くの方はその会社の株価が「割安」か「割高」を見ているのではないでしょうか?

この記事では、皆様の判断基準の一つになり、算数が苦手な方でもすぐにできる、目標株価の計算方法をご紹介します。

目標株価が計算できるようになれば、「10万円以上損が出たら売る」「20%上がったら利益確定する」など、自分の売買基準を持つことができます。そして、利益を守りながら損失を小さくする事ができるようになります。

ぜひ、最後までお読みください。

執筆者
投資の教科書 事務局

投資の教科書 事務局

投資の教科書事務局では、実際に成果をあげている本物のトレーダーの取材に基いて記事を作成しています。この方針を貫き、初心者にも再現可能な手法やノウハウをわかりやすくお伝えします。

はじめに

ではまず、株価が割安か割高かを、どうやって判断するのでしょうか?

例えば、リンゴ1個を2等分にした一欠片と、もう1つは4等分にした一欠片がそれぞれ同じ100円で売っていたとします。100円だから両方とも安い、と判断するでしょうか?

当然、2等分のリンゴの方が4等分のリンゴより安く(=割安)、4等分のリンゴの方が高く(=割高)なりますよね。それは、リンゴ全体と1個の値段を比較して安いか高いかを判断しているからです。

これと同じで、会社全体の値段、つまり時価総額(=株価×発行済株式数)によって割安か割高か変わってきます(時価総額については、「時価総額の基礎知識」をご参照ください)。

そこで、判断する基準の一つに、目標株価を使います。

1.目標株価とは

「目標株価」は、各証券会社のアナリストがその会社の業績、市況などから分析しています。そして、「この会社の株価は、これくらいになってもおかしくないだろう」とレポートなどで発表しています。

ちなみに、トレーダーズ・ウェブのこちらのページでは、主な銘柄の目標株価を無料で確認することできます。

1

(参考:トレーダーズ・ウェブ)

ただし、この算出方法は明確な計算式で出されているのではなく、アナリストの考えが反映されます。そのため、同じ銘柄でも発表する人によって目標株価は異なりますし、サイトによっても異なる場合もあります。

また、上場している全ての企業の目標株価が発表されているわけではありません。ましては、自分自身でアナリストと同じように情報を集めて分析して出すのはとても難しく、手間がかかってしまいます。

そこで、次の項からは、自分で簡単に目標株価の計算する方法をお伝えします。

2.簡単に目標株価を計算する3つの手順

2.1.目標株価の計算に必要な3つの数字

正確にピッタリと「この価格だ」と出すことはできなくても、ある程度でも目標株価が分かれば、株式取引において今まで以上に有利になることには変わりありません。

割安か割高かを判断するための指標として、平均PERやPBRがよく使われます(PERについては、「PERとは」をご覧ください)。そして、ここで紹介するのは、将来の収益を予想し、利回りなどを想定して自分で目標株価を計算する基本的な方法です。

結論を先にお伝えすると、来期あるいは再来期の収益予想(経常利益予想)を使う方法です。

この計算方法では、次の3つの数字が重要になります。

  1. 収益予想(経常利益予想)
  2. 発行済株数
  3. 経常利益倍率

順番にわかりやすいく説明させていただきます。

2.2.数字の調べ方と目標株価の計算式

1つ目の収益予想(経常利益予想)は、会社四季報(オンライン)や、有料になりますがロイター銘柄レポート、場合によってはお使いの証券会社の情報ツールで見ることができます(会社四季報については、「会社四季報とは」をご覧ください)。

2つ目の発行済株数は、Yahoo!ファイナンスなどの各銘柄のページで確認できます。

そして、3つ目の経常利益倍率は、東証一部の平均PERから割り出したものになります。この平均PERは、ゴールデン・チャート社(有料)から確認でき、成長株投資を30年以上行って4億円以上の利益をあげているふりーパパ氏は、基本的に下記の数字で計算をします。

「経常利益倍率8倍」

どのように東証一部の平均PERからこの「8」という数字を出しているか説明すると、東証一部の平均PERは、おおよそ16倍の推移での動きとなっています。

下のチャートは、過去5年間の東証一部の平均PERの推移になります。

PER

(参考サイト:ゴールデン・チャート社)

ご覧いただきますと、大体14倍から17倍の間で推移してることがおわかりいただけると思います。ですので、この半分にあたる数値8を基準として使います。

なぜ、半分の数値なのかと言うと、日本の地方税や法人税などは大体50%かかり、税金などを払った後の金額(純利益)でPERを計算しているため、平均PERの約半分の数値を使うのです。

但し、東証一部の平均PERが18倍~20倍と高い場合には「10」、平均PERが10倍~12倍と低い場合には「6」と数字を変えて計算をします。

この3つの数字を使った目標株価の計算式は、次のようになります。

目標株価=経常利益予想×経常利益倍率÷発行済株数

3.目標株価の計算例

それでは、実際に目標株価を計算してみましょう。

3.1.事例①:ソマール(8152)

例えば、2017年9月1日時点でソマール(8152)の目標株価を計算した場合です。下記のロイター銘柄レポートの赤マルを見ると、来期の経常利益予想が9.2億円になっています。

2

次に、東証一部全体の平均PERを確認します。

3

(参考サイト:ゴールデン・チャート社)

上記の青色のマルの部分の8月31日時点の東証一部の平均PERを見ると、15.55とあります。つまり、15.55倍という意味です。平均PERが15.55倍ですので、経常利益倍率8倍の数字を使います。

次に発行済株数ですが、Yahoo!ファイナンスのソマール(8152)のページを見ると、下記の緑色の四角の箇所のように約1.95百万株とわかります。

4

(参考サイト:Yahoo!ファイナンス)

これらの数字から、先ほどの式を使って目標株価を計算すると、次のようになります。

 目標株価=経常利益予想×経常利益倍率÷発行済株数

3,774円(目標株価)=9.2億円×8倍÷1.95百万株 

約3,800円が目標株価となりましたが、ちなみに、ソマールの株価がその後どうなったか見てみましょう。

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(参考サイト:楽天マーケットスピード)

目標株価を計算した2017年9月1日の終値が2,830円でした。一番左の赤矢印の部分です(※同社は、2017年9月27日に1株から0.1株に株式分割しており、分割後で記載しております)。その後、株価は上がり、緑の丸の部分、11月24日と27日に高値4,385円をつけました。

そして更に、白丸の部分の12月4日に高値4,325円、5日は高値4,385円になりました。

目標株価を計算した時点は2,830円で、目標株価の3,774円まで約900円の上昇余地があると判断しましたが、実際は目標株価を大きく上回って上昇したことになります。

3.2.事例②:ナ・デックス(7435)

もう1つ、ナ・デックス(7435)で見てみましょう。

例えば、2017年6月30日時点で目標株価を計算した場合です。下記の四季報オンラインの赤マルを見ると、再来期の経常利益予想が15.5億になっています。

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次に、先ほどと同じように、東証一部全体の平均PERを確認します。

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(参考サイト:ゴールデン・チャート社)

上記の青色のマルの部分の6月29日時点の東証一部の平均PERを見ると、15.88とあります。その為、ここでも経常利益倍率8倍の数字を使います。

次に発行済株数ですが、下記の緑色の四角を見ると約9.60百万株です。

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(参考サイト:Yahoo!ファイナンス) 

これらの数字から目標株価を計算すると、次のようになります。

 目標株価=経常利益予想×経常利益倍率÷発行済株数

1,292円(目標株価)=15.5億円×8倍÷9.60百万株 

約1,300円が目標株価となりましたが、その後のナ・デックスの株価を見てみます。

9

(参考サイト:楽天マーケットスピード)

目標株価を計算した2017年6月30日の終値が869円でした。一番左の赤矢印の部分です。その後、株価は徐々に上がり、白丸の部分、11月29日から12月1日には目標株価の1,300円を超えてきました。

このように、おおよその目標株価を把握していれば、例えば「1,300円を超えたら売ろう」とか「目標株価近くまで上がっているので、買うのはやめよう」と、自分で売買戦略を立てることができます。

まとめ

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今回ご紹介した目標株価は、「絶対にその価格になる」というものではありません。計算した目標株価に達しないということも、もちろんあります。なぜならば、株は生き物だからです。

株価は、私達の思惑通りに都合よく動いてはくれません。生きているからこそ、調子が悪い時や良い時があり、株価が下がったり上ったりと動きがあるのです。

ですから、しっかりと経常利益予想に変化はないかなど情報収集や株価を確認し、無理のない投資を行って資産を守っていきましょう。

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