インプライドボラティリティとは|数値から将来の相場の変動を予測する方法

インプライドボラティリティとは、将来の市場の変動率(ボラティリティ)を予測した指標のことです。

ボラティリティは株式などの価格の値動きの大きさを反映していて、値動きが大きいとボラティリティは高くなり、値動きが小さくなるボラティリティは低くなります。

ボラティリティについては、次の2つの記事でも解説していますので、併せてお読み下さい。

この記事では、テクニック的な解説ではなく、ボラティリティの理論的な知識面の中でも特に重要な「インプライドボラティリティ」を中心にお伝えします。

執筆者
投資の教科書 株式事務局

投資の教科書 株式事務局

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1.ボラティリティ

ボラティリティには、「ヒストリカルボラティリティ」と「インプライドボラティリティ」の2つの概念があります。どちらも重要なのですが、オプション取引などの実戦面では「インプライドボラティリティ」のほうをよく理解しておく必要があります。

1.1.ヒストリカルボラティリティ

ヒストリカルボラティリティ(Historical Volatility)は、過去の値動きから計算して算出します。過去の数値なので、現時点のボラティリティを把握したり、将来のボラティリティを予想するものではありません。あくまでも、今まではこのくらいの値動きだったという結果を表わしているものです。

ちなみに、ヒストリルボラティリティ(HV)は、日本経済新聞の市況ページの日経平均オプション表・大証で確認することができます。

1.2.インプライドボラティリティ

1.2.1.インプライドボラティリティの求め方と意味

インプライドボラティリティ(Implied Volatility)は、市場参加者の将来の値動きの変動を予測をもとに算出した変動率のことです。どのように市場参加者の予測を把握するのかというと、実際の市場で取引されているオプションの価格から逆算します。

具体的には、 「オプションの理論価格」を計算するために「ブラック・ショールズ式」という複雑な数式があります。次の式が、ブラック・ショールズ式です。

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難しいので中身を詳しく覚える必要はありません。次の6つの要素でオプション価格が計算されることだけは理解しておいて下さい。一つ一つ解説していきます。

1.権利行使価格…原資産の権利行使価格

2.残存期間…オプションの満期までの期間

3.原資産価格…オプションの原資産の価格

4.原資産利回り…原資産の配当利回り

5.短期金利…無リスク資産の市場金利

6.インプライドボラティリティ

これらの要素のうち、1.~5.までは

  • どの銘柄のオプションか
  • 権利行使価格はいつなのか
  • いつの時点の価格を求めたいのか

がわかれば計算できます。

1.~6.の数字をブラック・ショールズ式に当てはめてオプションの理論価格が計算できるのですが、このオプションの理論価格は、実際の市場での取引価格から求めることができます。

ということは、1.~5.とオプションの実際の取引価格がわかれば、6.のインプライドボラティリティの値を逆算できます。このようにして算出する値が、インプライドボラティリティです。

インプライドボラティリティは、わかりやすく言うと、市場参加者がどのようなスタンスで市場に臨んでいるかを暗示する数値です。数値の高低での判断の仕方は次のようになっています。

  • インプライドボラティリティが低い→市場参加者が将来の値動きに安心感を持っている
  • インプライドボラティリティが高い→市場参加者が将来の値動きに不安感を持っている

このように、インプライドボラティリティは、市場参加者の空気感を表わしていると言ってもよいでしょう。

1.2.2.インプライドボラティリティのチャートと判断基準

インプライドボラティリティの実際の数値とチャートは、「オプション道場」というサイトで見ることができます。

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(出典:オプション道場)

チャートを見ると、インプライドボラティリティは大体10%~30%の間で推移しています。最も大きく上昇した時はリーマンショックが起こった2008年で、90%以上まで上昇しています。その他の期間でも、◯◯ショックのような悪いイベントが発生すると急激に上昇します。概ね30%を超えてきたら市場に不安が広がっていると考えられます。

まとめ

インプライドボラティリティを見ることで、市場参加者が今後の相場に対してどのような見通しを持っているかを知ることができます。インプライドボラティリティを見ながらニュースを見ると、政治的・経済的な出来事がボラティリティに影響していることが分かります。

ぜひ、株価指数や為替だけでなく、インプライドボラティリティも意識してみてください。

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