【実例で解説】株式分割で急変する値動き3パターン

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企業は株式分割を行うことで、発行済みの株を分割することができます(参考:株式分割のメリットとデメリットのまとめ』)。

株式分割が発表された後の、値動きは3パターンあります。一緒に見ていきましょう。

1. 株式分割発表後に上昇

エムスリー(2413)

エムスリーは、医療ポータルサイト「m3.com」の運営を行うソニーの関連会社です。

インターネットを通じて医療コストをカットするだけでなく、製薬会社のマーケティングを支援します。具体的には、接待費や印刷費等を大幅に削減することができます。そんなエムスリーですが、2018年7月25日に株式分割を発表(PDF)しました。

株式分割の発表直後の株価は、2日間上昇しましたが、その後は発表直後の値まで戻し、効果は限定的でした。その理由は主に以下の2点が考えられます。

  1. 前期の利益の伸び率に比べ、当期の利益の伸び率が鈍化していること
  2. 1の背景から、窓埋めを積極的にしようとしていること

2. 株式分割発表後に下落

船井総研ホールディングス(9757

船井総研HDは、故船井幸雄が創業した中小企業をクライアントに持つ経営のコンサルティング会社です。2017年11月6日に株式分割を発表(PDF)しました。

同社は、業績成長を続けていましたが、業績上方修正を発表したにもかかわらず、コンセンス※1に届かなかったこと、また時価総額を利益率で割った倍率であるPERが30倍以上(投資額を30年かけて回収するイメージ)であることが、投資家に同銘柄を割高に感じさせ大きく下落しました。

また、株式分割が窓埋めをするきっかけにもなっています。

業績の上方修正をしたにも関わらずコンセンサス※1に届かなかったということは、アナリストが設定した目標株価が高すぎたということも考えられます。

※1. コンセンサス:証券会社のアナリストたちが設定した目標株価の平均値

3. 分割発表でバブル化

株式分割をきっかけに株価がバブル化した銘柄があります。東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランド(4661)です。

オリエンタルランドは、2011年3月の東日本大震災による急落で底値を付けた後、堅調に株価が推移してきました。

そんな同社は、東京ディズニーリゾート30周年効果で業績の上方修正、過去最高の純利益を記録するなど、断続的に好材料(投資家が買いたいと思わせる材料)を出してきた背景があります。

その状況での株式分割、そして新たな株主還元(長期保有者株主向け優待制度の導入)の発表(PDF)だったため、その発表を起点に急騰が始まりました。

以下は、オリエンタルランドバブル時の株価推移です。まずは、株式分割発表前後のチャートを見てみましょう。

縦軸は分割後の価格になっています。尚、吹き出し解説部分は分割前の価格を記載しています。

このオリエンタルランドの株式分割の場合、1:4の比率で分割するということで、価格は1/4になります。

多くの投資家が、株式分割を投資するきっかけとし、これまでの業績や増配の発表、そして今後の同社の展望などに対しても、総合面で期待するようになりました。投資家の間では「オリエンタルランドバブル」と言われるようになり、取引高も連日高いものになりました。

一般的には、権利付き最終日である3月26日まで持っていた人は優待や配当の権利を手に入れることができるので、翌日の権利落ち日3月27日に売ります。しかし、オリエンタルランドの場合、逆に上昇しました。これはバブル状態で、需要が供給を圧倒的に上回っていたからです。

次に、その後の株価推移を見てみましょう。

しかし、株式分割の効力発生日である4月1日を迎えると、投資家たちは持っていた株を売りはじめました。そして、株式分割の効力発生を起点に、サーっと資金が抜かれていきました。

まとめ

見てきたように、株式分割は、「増配」や「今後の業績向上への期待」、「今後の商品・サービスの需要の高まりへの期待」などが組み合わさることで、中期的な上昇に成り得ます。

ただし、権利落ちや効力発生日には気を付けなければなりません。どんなに業績が好調でも、分割の効力発生日直後に急落することは珍しくないです。

ぜひ、多くのチャートを見て研究をしてみてください。

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遠藤貴司

遠藤貴司

高校在学中に、実店舗とネットで小売り事業を始め、経済に目覚める。大学入学後に株式投資を開始。卒業後は専業投資家を経験。数々の金融ショックから資産を守り膨張させる。現在はマクロ経済分析を基に、国内外の株式や商品先物などで運用を行う兼業投資家。得意な運用手法は、割安な銘柄を買う「バリュー投資」と時代の変化に着目した「パラダイムシフト投資」。趣味はカメラとドラム。

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