投資の教科書

マネックス証券 チーフ・マーケット・アナリスト(2025年9月から。前職はニッセイアセットマネジメント 投資工学開発センター長)

吉野貴晶の発言録|「相場の格言はデータで確かめる」クオンツの日経平均予想を時系列で

立ち位置:やや強気(データ派)発言の記録 13件最終更新 2026年10月23日

日経ヴェリタスのアナリストランキングのクオンツ(数量分析)部門で16年連続1位を獲得したアナリストで、2025年9月からマネックス証券のチーフ・マーケット・アナリストを務めています。「節分天井」「セルインメイ」などの相場の格言を戦後のデータで検証し、ROEとPBRの関係から日経平均の理論株価を試算するのが特徴です。2026年の日経平均は当初「年末高値5万4000円」とし、衆院選後に年末5万9000円台へ引き上げました。

利害について:マネックス証券に所属し、同社のオンラインセミナーやメディア「マネクリ」で発信しています。セミナーでは同社の情報ツール(銘柄スカウター)を使った銘柄の探し方を紹介しています

マネックスオンデマンド「【選挙相場と株価の行方は?】16年連続No.1クオンツアナリストが語る日本株市場|2026年2月13日(金)配信」 → この回の要点を読む

吉野氏はマネックス証券のアナリストで、セミナーや記事は同社の情報発信です。2025年9月にマネックス証券へ移る前は、運用会社のニッセイアセットマネジメントで投資工学開発センター長を務めていました。この発言録に収めたのはすべてマネックス証券に移ってからの発言です。紹介される投資法の検証結果は過去の平均で、毎年同じように当てはまるとは限りません。

ひとことで言うと

「相場の格言はデータで確かめる。株価の水準はROEとPBRで考える」。2025年12月には2026年の日経平均を「高値5万4000円、安値4万9000円」と予想し(マネクリ)、2026年2月の衆院選後には市場がより先の業績まで織り込むとして、年末5万9000円台の試算を示しました(マネックス)。

一貫して言っていること

相場の格言は、過去のデータで本当かを確かめる

「節分天井・彼岸底」は節分で売る必要はないと結論づけ(マネックス)、「セルインメイ」は近年のデータでは当てはまらず、休むなら夏場だと述べました(マネックス)。米中間選挙後の株高の傾向も、選挙結果で分けると違いが出ると示しています(マネクリ)。

株価の水準は「ROEとPBR」から考える

ROEが1%上がるとPBRが約0.38倍高まるという自身の「PBROEモデル」で日経平均の理論株価を試算し、ROE8%が市場全体の分岐点だとしています(マネクリ)。見た目のPERが高くても、あとから利益がついてくる「良いPER上昇」なら割高ではないという立場です(マネックス)。

テーマより「業績がついてくるか」で銘柄を選ぶ

AI・半導体を相場の柱と見つつ、テーマに乗るだけでなく、粗利や業績の伸びの「加速度」、研究開発投資など、業績がきちんとついてくるかを確かめる物差しを繰り返し紹介しています(マネックス、マネックス、マネックス)。

政治の安定を「議席」と「支持率」の数字で測る

衆院選では過半数と安定多数のラインごとに過去の株価を検証し(ダイヤモンド)、高市内閣の支持率が崩れない限り株価の下値は限られるという「内閣支持率アノマリー」を紹介しました(マネックス)。

金利が上がる時代の株の魅力を、金利と比べて測る

国債利回りと株式の益回りの差(イールドスプレッド)で見ると、株式の魅力は金利に比べて十分大きいとし(マネックス)、金利上昇局面では財務の点検(Fスコア)を組み合わせた割安株投資が有効になりやすいと述べています(マネックス)。

見方の変化

時期 日経平均の見通し・相場観
2025年11月 PER19倍近くでも、来期以降の増益を見込めば割高ではない。今年度の業績で約5万円、来年度で約5万1500円(マネックス)
2025年12月 2026年は想定高値5万4000円(年末)、想定安値4万9000円(年初)(マネクリ)
2026年1月 衆院選は自民単独過半数・与党安定多数がメインシナリオ(ダイヤモンド)
2026年2月 衆院選の大勝を受け、年末の日経平均を理論株価で5万9000円台と試算(マネックス)
2026年3月 イラン攻撃の急落局面で、妥当な水準は5万5000円前後、戦闘終結が見えれば5万9000円も(ダイヤモンド)
2026年4月 年末予想5万9000円を維持。支持率が崩れない限り、下値は昨年末の水準が目途(マネックス)
2026年9〜10月 中間選挙後は株高の傾向だが、共和党が下院を失えば限定的。次期TOPIXは短期の痛みを伴っても長期では質が高まる(マネクリ、マネクリ)

データに基づいてやや強気という立場は一貫しており、年末予想は衆院選を機に5万4000円から5万9000円台へ引き上げられました。2026年5月以降に日経平均がこの水準を上回ってからの年末予想の更新は、今回確かめられた資料の範囲では見つかっていません。2026年秋は、個別の数字よりも米中間選挙やTOPIX改革といった「イベントと需給」の検証に話題の中心が移っています。

読むときの注意

  • 吉野氏はマネックス証券のアナリストで、セミナーでは同社の情報ツールを使った銘柄の探し方を紹介しています
  • 紹介されるアノマリーや投資法の成績は過去の平均で、本人も「その年の相場環境と合わせて見る必要がある」と繰り返しています
  • 理論株価は「何年先の業績を織り込むか」「ROEがどこまで上がるか」という前提で大きく変わります

はじめての人が受け取れること

  • 「〇月は売れ」といった相場の格言は、そのまま信じるのではなく、本当にそうなのかを確かめる習慣が役に立ちます
  • ROE(企業がどれだけ効率よく稼ぐか)が上がると、株価の妥当な水準も上がるという関係は、日本株を見るうえでの基本の一つです
  • 人気のテーマの銘柄でも、あとから業績がついてくるかを確かめることが大切です

吉野貴晶の発言の時系列

動画・記事の日付の新しいものから順に並べています。

2026年

  1. 2026年10月8日・マネクリ(マネックス証券)

    吉野貴晶「次期TOPIXは短期の痛みを伴っても長期では質が高まる」|マネクリ(2026年10月)

    10月7日に東京証券取引所が次期TOPIXの新規追加35銘柄と移行措置683銘柄を公表したことを受けた連載記事で、吉野氏は事前のシミュレーションがおおむね的中したとし、約165兆円のTOPIX連動資金による需給の変化に注目すべきだと述べました。移行期間の1年程度は従来のTOPIXより成績が劣る可能性があるものの、長期的には市場代表性と投資可能性が高まり、日本株市場の活性化につながると期待しています。

    日本株長期投資・NISA

  2. 2026年10月2日・マネックスオンデマンド(YouTube)

    吉野貴晶「割安株は財務の健康診断Fスコアで復活組を選ぶ」|マネックス(2026年10月)

    9月の定例セミナーで、吉野氏は金利が上がる局面では割安株投資が長期の観点でも有効になりやすいとし、ただ安いだけの銘柄ではなく、業績が悪く放置されていた状態から復活していく銘柄を選ぶ方法として「Fスコア」を紹介しました。財務の9項目のうち7項目以上を満たせば財務面で一定の安心感があるとし、割安株に限らず企業の健康診断として使えると述べています。

    日本株金利・日銀長期投資・NISA

  3. 2026年9月30日・マネクリ(マネックス証券)

    吉野貴晶「中間選挙後は株高の傾向、ただ共和党が下院を失えば限定的」|マネクリ(2026年9月)

    連載「吉野貴晶のなるほど株価の法則」で、吉野氏は11月3日の米中間選挙と株価の関係を過去データで検証し、中間選挙の年は選挙後から翌年3月にかけて日経平均が平均9.79%上がり、大統領選挙サイクルの中で最も高いと示しました。一方、現職大統領の所属政党が下院の多数派を失った年は、翌年3月までの上昇が平均0.29%にとどまっており、共和党が下院の多数派を保てるかが重要だとしています。

    日本株米国株政治・政策

  4. 2026年8月28日・マネックスオンデマンド(YouTube)

    吉野貴晶「AI競争のカギは研究開発投資、次世代の成長株を探す」|マネックス(2026年8月)

    8月の定例セミナーで、吉野氏はAIのシェア争いでは研究開発投資が勝敗を分けるとし、次世代の成長銘柄を探す切り口として研究開発投資を取り上げました。売上高に対する研究開発費の比率が前年や過去3年平均を上回り、かつ売上が伸びている企業に注目する方法を解説し、従業員持株会の保有比率が高い企業の株価が長期的に強いというアノマリーも紹介しています。

    半導体・AI日本株政治・政策

  5. 2026年6月19日・マネックスオンデマンド(YouTube)

    吉野貴晶「本物の成長株は粗利と在庫回転率で見分ける」|マネックス(2026年6月)

    6月の定例セミナーで、吉野氏はブロードコム・ショックのあとも日本株ではAI・半導体関連の上昇が大きく、引き続き相場の柱になるとの考えを示しました。ただ、テーマに乗るだけでなく業績がきちんとついてくる「本物の成長株」を選ぶ必要があるとし、粗利(売上総利益)の率と伸び、在庫回転率という2つの物差しを使った銘柄の探し方を解説しています。

    半導体・AI日本株

  6. 2026年5月28日・マネックスオンデマンド(YouTube)

    吉野貴晶「セルインメイはもう古い、休むなら夏枯れ」|マネックス(2026年5月)

    3月期決算の発表が一巡した日の定例セミナーで、吉野氏は「5月に売れ(セルインメイ)」という格言をデータで検証し、近年は5月に売ると上昇の機会を逃してきたため「セルインメイはもう古い」と述べました。6月はボーナスによる個人の買いと株主還元策の発表で勝率が高く、休むなら夏場だという見方です。メインの話題では、キャッシュフローで企業を5つに分類し、分類ごとに効く投資指標を使い分ける方法を解説しています。

    日本株高配当・株主還元半導体・AI

  7. 2026年4月17日・マネックスオンデマンド(YouTube)

    吉野貴晶「内閣支持率が崩れない限り下値は昨年末水準が目途」|マネックス(2026年4月)

    3月期決算企業の本決算発表を前にした定例セミナーで、吉野氏は、支持率が高い政権のもとでは株価も高いという「内閣支持率アノマリー」を紹介し、高市内閣の支持率が崩れない限り、株価が下押ししても昨年末の水準が下値の目途になるとの見方を示しました。決算では、直近3カ月の利益の伸びが過去9カ月の伸びを上回る「業績の加速度」で銘柄を選ぶ方法を解説しています。

    日本株政治・政策

  8. 2026年3月10日・ダイヤモンド・オンライン

    吉野貴晶「イラン攻撃でも妥当な水準は日経平均5万5000円前後」|ダイヤモンド(2026年3月)

    米国とイスラエルの対イラン攻撃で日本株が急落した局面の寄稿で、吉野氏は企業業績などから見れば日経平均は5万5000円前後が妥当な水準で、戦闘終結が見えれば5万9000円を目指す可能性もあるとしました。米国・イランとも長期戦を望まない事情があり、核開発の制限などで妥協し、夏場前、場合によっては開始から1カ月程度で収束する可能性もあるとの見方です。

    日本株暴落・リスク金・資源

  9. 2026年2月20日・マネックスオンデマンド(YouTube)

    吉野貴晶「理論株価で2026年末の日経平均は5万9000円台」|マネックス(2026年2月)

    衆院選で自民党が大勝した直後の定例セミナーで、吉野氏は過去の自民党勝利後のパターンでは3カ月で約13%上昇してきたとし、ゴールデンウィーク前後に5万9000円台をうかがう試算を示しました。自身のPBROEモデルでは2026年末の日経平均は5万9000円台とし、長期金利が上がっても株式の魅力は金利に比べてまだ十分大きいと述べています。

    日本株政治・政策金利・日銀

  10. 2026年1月30日・ダイヤモンド・オンライン

    吉野貴晶「衆院選は自民単独過半数・与党安定多数がメインシナリオ」|ダイヤモンド(2026年1月)

    2月8日の衆院選を前にした寄稿で、吉野氏は与党が過半数(233)と安定多数(243)を確保できるかが株価の分岐点だとし、メインシナリオとして自民党の単独過半数と与党の安定多数を想定しました。過去の衆院選後の日経平均を、過半数の有無と自民党の議席シェアの増減で分類して検証し、選挙結果別に3カ月後と年末の水準を試算する内容です。

    日本株政治・政策

  11. 2026年1月16日・マネックスオンデマンド(YouTube)

    吉野貴晶「節分天井でも2月に手じまう必要はない」|マネックス(2026年1月)

    1月の定例セミナーで、吉野氏は「節分天井・彼岸底」という相場の経験則を戦後のデータで検証し、節分のあとは下がるというより横ばいになりやすく、2月に一度売る必要はないと述べました。1月は前月に下がった銘柄が戻りやすく、2月は1月に上がった銘柄が続伸しやすいとし、長めの戦略として配当利回りとDOE(自己資本配当率)を組み合わせる方法を紹介しています。

    日本株高配当・株主還元

2025年

  1. 2025年12月3日・マネクリ(マネックス証券)

    吉野貴晶「2026年の日経平均は高値5万4000円、安値4万9000円」|マネクリ(2025年12月)

    連載「吉野貴晶のマーケットクオンツ分析」で、吉野氏はROE(自己資本利益率)とPBR(株価純資産倍率)の関係から理論株価を算出する自身の「PBROEモデル」を使い、2026年の日経平均の想定高値を5万4000円、想定安値を4万9000円と予想しました。年初が安値、年末が高値という上昇トレンドの想定です。

    日本株長期投資・NISA

  2. 2025年11月27日・マネックスオンデマンド(YouTube)

    吉野貴晶「PER19倍でも割高ではない、来期以降の増益が支え」|マネックス(2025年11月)

    2025年9月にマネックス証券へ移った吉野氏を紹介するオンラインセミナーで、吉野氏は日経平均のPERが19倍近くと過去の目安より高いものの、今年度の業績の上振れと来年度以降の増益を見込めば割高ではないと述べました。いまは「良いPER上昇」のパターンだとし、目先は業績待ちの様子見になりやすいため、低位株投資とPEGレシオを使った成長株投資を紹介しています。

    日本株長期投資・NISA

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日本株13件

ここに載せているのは、著名な専門家が公開の場(YouTubeの公式チャンネル・記事など)で話した内容の記録と要約です。投資の教科書が特定の銘柄や商品をおすすめするものではありません。見通しは話した時点のもので、外れることもあります。

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