経済ジャーナリスト(元日本経済新聞記者)
後藤達也の発言録|「予想より、データと言葉の読み方」経済ジャーナリストの解説を時系列で
立ち位置:データ重視の中立発言の記録 12件最終更新 2026年10月23日
日本経済新聞の記者を経て2022年に独立した経済ジャーナリストです。YouTube・X・noteを中心に、日銀やFRBの決定、米雇用統計などの発表に合わせて解説しています。株価や為替の予想を言い切ることは少なく、データの読み方や市場の織り込みを説明し、分からないことは「分からない」と言うのが一貫した姿勢です。
利害について:有料のnoteとYouTubeのメンバーシップを運営しています。自身のYouTubeでは証券会社などのスポンサーは付けないと述べています
後藤氏は予想を売りにする人ではなく、ニュースやデータの解説者です。ときどき示す見立て(利上げの確率など)は、本人も「外れる可能性は十分ある」と断ったうえでのものです。
ひとことで言うと
「予想を当てるより、データと当局の言葉をどう読むか」。後藤氏は日銀やFRBの発表、米雇用統計などのたびにライブで解説し、発表の中身・市場の予想とのずれ・相場の反応を順に確かめていきます。大きなニュースでも「今回はそれほど気にしなくていい」と言うことがあり(2026年1月のFOMC)、分からないことは「分からない」とはっきり言います(DeepSeekショック)。
一貫して言っていること
一つの数字で結論を出さない
2025年8月に米雇用統計が大幅に下方修正されたときも、失業率や賃金など他のデータを並べて「もうちょっとデータを見てみたい」と述べ、全てが変わったと言い切りませんでした(2025年8月)。2026年10月には、修正分も含めて弱い数字がそろったとして、3か月平均で見ても「弱い」と判断しています(2026年10月)。
相場は「織り込み」と「持ち高の偏り」で動く
日銀の利上げのように事前に織り込まれた決定では相場は大きく動かないと説明します(2025年1月)。急落の場面では、材料の重さだけでなく、買いの持ち高が積み上がっていたことによる巻き戻しを重く見ます。2024年8月の急落をその例に挙げ、2025年4月の関税ショックは「原因が消えにくい」点で深刻さが違うと比べました(DeepSeekショック、関税ショック)。
金利は「なぜ上がるか」と「上がる速さ」を見る
短い金利は中央銀行が動かせるが、長い金利は財政や政府の信用に左右されると繰り返し説明しています。2025年5月には米国の金利上昇を「財政に焦点が当たった悪い金利上昇」と呼び(2025年5月)、2026年10月には日本の10年債の金利について、水準より上がる速さに注意すべきだと述べました(ReHacQ)。
当局の言葉を「公式の説明」と「実情」に分けて読む
日銀やFRBの発表は、決定そのものより今後の考え方で相場が動くとし、声明・見通し・会見を見比べます(2025年9月のFOMC)。2026年の日銀の利上げ加速については、物価が2%に近づいたという日銀の説明と、ベッセント米財務長官の発言という外からの影響を分けて解説しています(2026年9月、ReHacQ)。
市場は政策のブレーキにもなる
金利や通貨が大きく動けば、トランプ大統領のような強いトップでも政策を見直さざるを得ないと述べ、積極財政を進める高市政権にとっても市場との向き合い方が課題だとしています(池上彰氏との対談、楽天証券の講演)。
見方の変化
データの読み方という姿勢は一貫しています。変わってきたのは、取り上げるテーマと、日銀の動きの読みです。
| テーマ | 以前 | 最近 |
|---|---|---|
| 日銀 | 2025年1月:0.5%への利上げは織り込み済みで「強いメッセージは控えそう」(2025年1月) | 2026年9月:1.25%への利上げで「加速」。12月までの再利上げを「6割7割ぐらい」と見立て(2026年9月) |
| 米国の利上げ・利下げ | 2025年9月:FRBが利下げ。注目は次の議長へ(2025年9月) | 2026年10月:ウォーシュ議長のもとで利上げの観測が出るなか、弱い雇用で10月の利上げは見送り濃厚(2026年10月) |
| 相場の大きなリスク | 2025年:DeepSeek、トランプ関税、米財政 | 2026年:イラン情勢と原油高、経済安全保障、AIへの巨額投資 |
| 円相場 | 2025年8月:米雇用統計の大幅修正で1日に約3円の円高。持ち高の巻き戻しという声も紹介(2025年8月) | 2026年:原油高による貿易赤字、NISAなどで個人のお金が海外に向かう流れ、政府・日銀の円安けん制を合わせて説明(ReHacQ) |
読むときの注意
- 後藤氏は日本経済新聞を退社して独立した経済ジャーナリストで、有料のnoteとYouTubeのメンバーシップを運営しています。テレビの経済番組にも出演しています
- 配信では自身の運用に触れることもありますが、本人はそれを予想や推奨ではないと断っています。このページでは個人の売買には触れていません
- 対談の回は、相手の発言と混ざらないよう、後藤氏の発言だけを載せています
はじめての人が受け取れること
- 経済指標は1か月の数字だけで判断せず、過去分の修正や3か月平均、失業率など他のデータと並べて見ると、大きな見出しに振り回されにくくなります
- 「金利が上がった」というニュースは、景気が強いからか、財政への不安からかで意味が変わります。理由と上がる速さの両方を見ると読みやすくなります
- 何かを買うよう勧める情報より、仕組みやデータを説明する情報を選ぶこと。後藤氏も、偏った情報や誘導に流されすぎないことや、投資信託の手数料をよく見ることの大切さを話しています
後藤達也の発言の時系列
動画・記事の日付の新しいものから順に並べています。
2026年
2026年10月8日・ReHacQ−リハック−【公式】(YouTube)
後藤達也「金利は水準より変化の速さに注意」|ReHacQ(2026年10月)政治記者の今野忍氏との対談の第2回で、後藤氏は日銀の利上げの仕組みと、利上げが加速した理由を「日銀っぽい説明」と「日銀っぽくない説明」に分けて解説しました。10年債の金利3%強は水準としては極端に高くないが上がり方が急だと述べ、円相場は不満の出にくい水準があっても政府と日銀だけでは持っていけないと話しました。
2026年10月2日・後藤達也・経済チャンネル(YouTube)
後藤達也「米雇用は素直に弱い、10月利上げは見送り濃厚」|後藤達也・経済チャンネル(2026年10月)9月の米雇用統計の発表をはさんだライブです。雇用者数は市場予想の9万人増に対して2.9万人増で、7・8月分も合わせて6万人下方修正されました。後藤氏は「素直に弱い」とし、FRBの10月の利上げは見送りが濃厚との見方を示しました。
2026年9月21日・後藤達也・経済チャンネル(YouTube)
後藤達也「日銀の利上げ加速、説明は分かりにくい」|後藤達也・経済チャンネル(2026年9月)日銀が6月に続いて9月にも利上げし、政策金利を1.25%にした直後の祝日ライブです。後藤氏は、物価が目標の2%に近づいたことで上振れへの警戒を強めたという日銀の説明を読み解き、12月までにもう一度利上げする可能性はそこそこ高いとの見方を示しました。円安を抑える公的な動きが強まっているとも述べています。
2026年7月16日・トウシル[楽天証券](YouTube)
後藤達也「経済安保とAIで新しい課題がはっきり出た」|トウシル[楽天証券](2026年7月)楽天証券のイベントで、第一生命経済研究所の永濱利廣氏と「揺らぐ世界経済、日本はどう進む?」を語った講演です。後藤氏は、骨太の方針の文言で長期金利が上がった件から「市場が政策のブレーキになる」と説明し、経済安全保障とAIが今の大きなテーマだと述べました。
2026年3月23日・後藤達也・経済チャンネル(YouTube)
後藤達也「原油高と円安の悪循環に注意」池上彰氏と対談|後藤達也・経済チャンネル(2026年3月)著書の発売にあわせた池上彰氏との公開対談の生配信です。イラン情勢で原油が急騰し日本株が下げた日で、後藤氏は原油高が貿易赤字を通じてさらに円安を招く悪循環を心配しました。生活防衛については、何をどれだけ持つかは難しいとしたうえで、分散しておくことが基本だと述べています。
2026年1月28日・後藤達也・経済チャンネル(YouTube)
後藤達也「FOMCは無難、そんなに気にしなくていい」|後藤達也・経済チャンネル(2026年1月)FRBが金利を据え置いたFOMCの翌朝のライブです。後藤氏は内容を「無難」とし、雇用の判断がやや改善したことや、次の議長の人選の方が大事になってきたことを説明しました。ベッセント財務長官が為替介入を否定したこと、Microsoftの決算と株価の反応にも触れています。
2025年
2025年9月17日・後藤達也・経済チャンネル(YouTube)
後藤達也「FRBは利下げ、大事なのは次の議長」|後藤達也・経済チャンネル(2025年9月)FRBが9か月ぶりに0.25%の利下げを決めた直後の朝のライブです。後藤氏は、金利見通し(ドットチャート)は利下げに前向きに見えた一方、経済見通しや会見は思ったほど利下げに積極的ではなかったと読み解き、今後はパウエル議長より次の議長が誰になるかが大事になると述べました。
2025年8月2日・後藤達也・経済チャンネル(YouTube)
後藤達也「雇用統計は大幅修正、ただ断言はまだ早い」|後藤達也・経済チャンネル(2025年8月)米雇用統計で5月・6月分が合わせて25.8万人下方修正され、円高・株安になった翌日の土曜ライブです。後藤氏は修正の大きさを「コロナ期を除けば最大級」と説明しつつ、失業率など他のデータはそこまで悪くないとして、全てが変わったと言い切るのはまだ早いとの見方を示しました。
2025年5月21日・後藤達也・経済チャンネル(YouTube)
後藤達也「財政に焦点が当たった悪い金利上昇」|後藤達也・経済チャンネル(2025年5月)朝の短いライブ「朝メモ」で、米国の株安と長期金利の上昇を解説しました。後藤氏は、減税法案による財政悪化やインフレへの懸念から30年債などの長い金利が上がっているとし、景気の強さによる金利上昇ではない「悪い金利上昇」になっていると説明しました。
2025年4月4日・後藤達也・経済チャンネル(YouTube)
後藤達也「関税ショックは去年8月より深刻」|後藤達也・経済チャンネル(2025年4月)トランプ政権の相互関税の発表で日米の株価が急落するなか、米雇用統計の発表に合わせたライブです。後藤氏は、2024年8月の急落は需給の巻き戻しが中心だったのに対し、今回は関税という現実の悪材料が長引きかねないとして、「今の方が深刻」との見方を示しました。
2025年1月27日・後藤達也・経済チャンネル(YouTube)
後藤達也「DeepSeekの影響は専門家にもよく分からない」|後藤達也・経済チャンネル(2025年1月)中国の生成AI「DeepSeek」が話題になり、NVIDIA株やナスダック先物が大きく下げた夜の緊急ライブです。後藤氏は、低コストで高性能なAIが出てきたことで「高価な半導体がそこまで要らなくなるのでは」という見方が広がったと説明し、実態はまだよく分からないと繰り返しました。
2025年1月24日・後藤達也・経済チャンネル(YouTube)
後藤達也「日銀、強いメッセージは控えそう」|後藤達也・経済チャンネル(2025年1月)日銀の金融政策決定会合の結果発表をはさんだライブ配信です。後藤氏は発表前から「利上げはほぼ織り込み済みで、今後についての強いメッセージは控えそう」と読み、発表後は0.5%への利上げと賛成8・反対1を伝えたうえで、会見は大きく気にしなくてよい内容になるとの見方を示しました。
テーマ別に見る
ここに載せているのは、著名な専門家が公開の場(YouTubeの公式チャンネル・記事など)で話した内容の記録と要約です。投資の教科書が特定の銘柄や商品をおすすめするものではありません。見通しは話した時点のもので、外れることもあります。