投資の教科書

ニッセイ基礎研究所 研究理事 チーフ株式ストラテジスト

井出真吾の発言録|「株価は身の丈に戻る」業績で読む日経平均の見通しを時系列で

立ち位置:長期強気・業績で判断発言の記録 14件最終更新 2026年10月23日

1993年に日本生命に入社し、1999年からニッセイ基礎研究所で株式投資の分析を続けている株式ストラテジストです。日経平均を「1株当たり利益×PER(標準14〜16倍)」で計算した「身の丈」を物差しに、バブルかどうかや株価の居どころを数字で示します。日本株の中長期の上昇に強気な一方、短期の前のめりや金利上昇のリスクにはっきり注意を促し、個人には長期・積み立て・分散を一貫して勧めています。

利害について:日本生命グループの研究所に所属し、資産形成や株式投資についての著書も出しています

PIVOT 公式チャンネル「【日経平均6万円割れはあるのか?】7万2000円はバブルではなく“背伸び”…杉村太蔵も驚く日経平均の身の丈/27業種増益も警戒すべき悪い金利上昇/26年の勝ち組セクターはリクルート?【セクター超分析】」 → この回の要点を読む

井出氏は日本生命グループの研究所に所属するストラテジストです。日経平均の数字は、業績の見通しとPERの組み合わせから計算した「この条件なら」という目安です。

ひとことで言うと

「株価は業績から見た身の丈に戻る。バブルではないが、前のめりのときは崩れやすい」。2025年11月には日経平均5万円を「バブルだとは思っていない」と述べ(TBS)、2026年8月には7万2000円を「バブルではないが前のめり」な「ガラスの7万2000円」と表現しました(テレ東BIZ)。10月には、業績見通しが上がった今は7万円前後まで正当化でき、来年前半に7万円台が定着するとの見方を示しています(PIVOT)。

一貫して言っていること

株価はEPS×PER。「身の丈」で居どころを測る

株価は1株当たり利益(EPS)に市場心理を表すPERを掛けたもので、PER14〜16倍を日経平均の「身の丈」とする考え方を繰り返し示しています(日経CNBC、楽待)。1989年のバブルでは株価4万円に対して身の丈は1万円ほどだったが、今の水準は利益を伴っているとして、バブル論には一貫して否定的です(ダイヤモンド・オンライン、PIVOT)。

不確かなときはシナリオごとに数字を並べる

関税やイラン情勢のように先が読めないときは、当てにいくのではなく、シナリオごとの業績と株価の目安を示します。2025年5月には4万円回復の可能性を30%程度とし(日経CNBC)、2026年3月にはホルムズ海峡の状況別に3つのシナリオを示しました(日経CNBC、東洋経済オンライン)。

割高さや金利上昇は「崩れやすさ」として警戒する

株の益利回りから長期金利を引いた「イールドスプレッド」が低いときは、ちょっとした出来事で急落しやすいと注意を促します(テレ東BIZ)。2026年10月には、これ以上の金利上昇は「悪い金利上昇」として株価への逆風が強まると述べ、消費税減税の財源として日銀ETFの含み益の活用を提案しました(PIVOT)。2025年4月には、アメリカ株の急落はAIバブルで割高な株を売る「口実」だったと分析しています(ダイヤモンド・オンライン)。

急落は買い場。長期・積み立て・分散を続ける

株主資本が積み上がる限り株価指数は長い目で上がる仕組みだとし(楽待)、急落したときは何回かに分けて買い下がればよい、過去に回復しなかったショックはないと述べています(トレイダーズ証券、PIVOT)。0歳から投資を始める意義も繰り返し語っています(TBS)。

見方の変化

時期 日経平均の見通し・相場観
2025年4〜5月 アメリカ株はまだ割高。関税で業績見通しが悪化し、年内の4万円回復は30%程度、年末3万8000〜3万9000円(ダイヤモンド・オンライン、日経CNBC)
2025年11月 5万円到達は予想より早かったが、来年度の増益を前提にすればバブルではない(TBS)
2026年1月 5万円はバブルではない。20%増益なら5万4000円も正当化(ダイヤモンド・オンライン)
2026年3月 イラン情勢で3つのシナリオ。最も現実的なのは5万円を挟んで上下3000円(東洋経済オンライン)
2026年5月 6万円は長い目で見れば通過点。ただ6万円台の維持には2割程度の増益が必要(楽待)
2026年8月 7万2000円はバブルではないが前のめりで脆い(テレ東BIZ)
2026年10月 6月の7万2000円は背伸びだったが、今は7万円前後まで正当化。来年前半に7万円台が定着。悪い金利上昇には警戒(PIVOT、PIVOT)

業績で株価を測るという物差しは一貫しています。日本企業の業績見通しが上方修正されるにつれて、見通しの数字も引き上げてきました。本人も、ここ数年の日本株の上昇率は自分の想定をはるかに上回ったと認めています(楽待)。

読むときの注意

  • 井出氏は日本生命グループの研究所に所属するストラテジストで、資産形成や株式投資についての著書も出しています
  • 日経平均の数字は、来年度の増益率など業績の見通しを前提にした計算です。業績見通しが変われば数字も変わります
  • 業績の分析が中心ですが、国際政治の読みを語る回もあります。関係者から聞いた話として紹介された内容は、確定した事実ではありません
  • 日銀のETFの含み益を財源にする案は、本人が以前から唱えている提案で、実現には関係機関の合意が必要です

はじめての人が受け取れること

  • 「株価が高いか」は株価の数字そのものではなく、企業の利益に比べて高いか(PER)で考えると、バブルかどうかを自分で判断しやすくなります
  • 先が読めないときは、いくつかのシナリオに分けて「この条件ならこのくらい」と考えると、慌てずにすみます
  • 何十年も先に使うお金なら、短期の下落で売る必要はありません。使う時期に合わせて、お金の置き場所を分けて考えることが大切です

井出真吾の発言の時系列

動画・記事の日付の新しいものから順に並べています。

2026年

  1. 2026年10月21日・PIVOT(YouTube)

    井出真吾「日銀ETFの含み益76兆円を減税の財源に」|PIVOT(2026年10月)

    PIVOT「セクター超分析」特別編の後編で、井出氏は金利がさらに上がれば市場は「悪い金利上昇」を強く意識し、株価への逆風が強まるとの見方を示しました。消費税減税の財源として、日銀が持つETFのおよそ76兆円の含み益を、市場に影響を与えない取引で実現益にして国庫に納める方法を提案しています。急落したときは基本的に買いでいいとし、回復しなかったショックはないと述べました。

    金利・日銀政治・政策暴落・リスク

  2. 2026年10月20日・PIVOT(YouTube)

    井出真吾「6月の7万2000円は背伸び、来年前半に7万円台定着へ」|PIVOT(2026年10月)

    PIVOT「セクター超分析」の特別編で、井出氏は6月の7万2000円はバブルではなく「若干背伸びしていた」程度で、業績見通しが上がった今は6万9000〜7万円まで正当化できると述べました。今年度の純利益は26%の増益見込みで、来年前半には7万円台が定着し、来年中に最高値を超えていくとの見方を示す一方、財源の見えない減税などによる「悪い金利上昇」で6万円割れもありうると注意を促しています。

    日本株半導体・AI金利・日銀

  3. 2026年9月11日・トレイダーズ証券(YouTube)

    井出真吾「気持ちと行動を切り離すのが大事」|トレイダーズ証券(2026年9月)

    経済評論家の上念司氏と共演したトレイダーズ証券の番組で、井出氏はFOMCを前に、政策の中身や言葉じりを丁寧に聞くことは大事だが、それに振り回されて取引を変えるのは危ないと述べました。日銀は9月か10月に利上げし、1年以内に1.5%まで上げるのが基本シナリオだとし、FOMCなどをきっかけに株価が5〜10%下がったら何回かに分けて買い下がればよいとの考えを示しています。

    FRB・米金利金利・日銀長期投資・NISA

  4. 2026年8月18日・テレ東BIZ ダイジェスト(YouTube)

    井出真吾「7万2000円はバブルではないが前のめり、ガラスの水準」|テレ東BIZ(2026年8月)

    テレ東BIZの「月曜マネーLIVE」で、井出氏は日本企業の業績はものすごく良く、今年度は2割以上の増益が見込まれるとして、7万2000円は決してバブルではないと述べました。一方で、来年度の増益まで先取りした前のめりな水準で、ちょっとした出来事に崩れやすい「ガラスの7万2000円」だと表現し、急落した場合は買いでいいとの考えを示しています。

    日本株暴落・リスク半導体・AI

  5. 2026年5月11日・楽待 RAKUMACHI(YouTube)

    井出真吾「日経平均6万円は長い目で見れば通過点」|楽待(2026年5月)

    楽待チャンネルの後編で、井出氏は日経平均の「身の丈」をPERの標準範囲で示し、今の株価はバブルではないが割安でもないと述べました。株主資本が積み上がる限り株価指数は長い目で上がっていく仕組みだとして、6万円は長期では通過点だとする一方、6万円台の維持には今年度2割ほどの増益が必要で、業績見通しの悪化など下落のリスクにも注意を促しています。

    日本株長期投資・NISA暴落・リスク

  6. 2026年5月8日・楽待 RAKUMACHI(YouTube)

    井出真吾「米国と同盟を強めた日本株、中長期の上昇トレンドは不変」|楽待(2026年5月)

    日経平均が6万円台に乗せた直後の楽待チャンネルの前編で、井出氏はベネズエラやイランへの軍事行動を含むアメリカの動きは、中国の影響力を抑え込もうとするものだと読み解きました。日本は昨年夏の関税合意でアメリカと歩調を合わせることを決めたとの見方を示し、同盟を強めた日本にも一定の恩恵があるとして、日本株の中長期の上昇トレンドは変わっておらず、上昇のペースが少し上がるかもしれないと述べています。

    日本株政治・政策中国・新興国

  7. 2026年3月30日・松井証券マーケットナビ(YouTube)

    井出真吾「自社株買いの買い方で会社の姿勢が分かる」|松井証券(2026年3月)

    松井証券の番組「イベント・ドリブン」で、井出氏は自社株買いには発表が5月・11月・2月に集中する季節性があり、発表後の買い方も企業ごとに「じわじわ型」「速攻完結型」、そして発表しても買わない「狼少年型」に分かれると分析しました。合理的な理由なく発表どおりに買わない企業は投資家軽視だとし、個人株主も株主総会で質問するなど企業と対話してよいと述べています。

    高配当・株主還元日本株

  8. 2026年3月26日・東洋経済オンライン(YouTube)

    井出真吾「年末は5万円を挟む展開が現実的」|東洋経済オンライン(2026年3月)

    東洋経済オンラインの「ニュース解説」で、井出氏は半年後から年末にかけての日経平均の落ち着きどころを3つのシナリオで示し、最も現実的なのはホルムズ海峡の正常化に時間がかかる中間シナリオで、5万円を挟んで上下3000円ほどだと述べました。イラン攻撃前の5万8000円はバブルではなかったとし、インフレへの懸念は残り、日銀の4月利上げも十分ありうるとしています。

    日本株景気・インフレ金利・日銀

  9. 2026年3月22日・日経CNBC(YouTube)

    井出真吾「イラン情勢は3つのシナリオ、鍵はホルムズ海峡」|日経CNBC(2026年3月)

    イラン情勢で株価が大きく揺れていた日経CNBCの番組で、井出氏はマーケットにとって一番大事なのはホルムズ海峡を船が安全に通れるかどうかだとし、短期収束・長期化・中東全面戦争の3つのシナリオごとに、業績の見通しと日経平均の居どころを示しました。最悪のシナリオで大きく下がった場合は、長期の投資家にとっては買い時だと述べています。

    日本株暴落・リスク金・資源

  10. 2026年1月1日・ダイヤモンド・オンライン(記事)

    井出真吾「5万円はバブルではない、年前半に分散投資を」|ダイヤモンド・オンライン(2026年1月)

    2026年の元日に公開されたダイヤモンド・オンラインへの寄稿で、井出氏はAIバブルとの指摘がありながら株価が大きく崩れないのは、そもそも日経平均5万円がバブルではないからだと述べました。来年度の利益の伸びから見たPERは標準の範囲に収まっているとし、新NISAの投資は「1月一括」が有利と考えられる一方、不安材料もあるので年前半にある程度分けて投資する戦略も考えたいとしています。

    日本株長期投資・NISA半導体・AI

2025年

  1. 2025年11月1日・TBS NEWS DIG(YouTube)

    井出真吾「日経平均5万円はバブルではない」|TBS(2025年11月)

    日経平均が初めて5万円を超えた週のTBSの配信で、井出氏は「高市トレード」の背景を整理し、今の株価は来年度の2割程度の増益を前提にした水準で、バブルだとは思わないと述べました。一方で、政権運営や関税、日銀の利上げ、アメリカの経済指標など落とし穴もあるとし、下がる場面があればむしろ買いやすくなるとして、機械的に投資を続けることが大事だと語っています。

    日本株政治・政策長期投資・NISA

  2. 2025年9月27日・TBS NEWS DIG(YouTube)

    井出真吾「0歳から投資なら月1万円が70年で1億円超」|TBS(2025年9月)

    TBSの配信「Bizスクエアで学ぶ 投資のキホン」で、井出氏は未成年もNISAを使えるようにする案が検討されていることを取り上げ、投資の期間が長くなるほど複利の効果が大きくなると説明しました。毎月1万円を年6%で70年続けると約1億2000万円になる計算を示し、株価が下がっても使うのはずっと先のお金なら慌てて売る必要はないと述べています。

    長期投資・NISA

  3. 2025年5月24日・日経CNBC(YouTube)

    井出真吾「日経平均4万円回復は遠のいた、可能性は30%程度」|日経CNBC(2025年5月)

    日経CNBCの番組で、井出氏はトランプ関税の影響で日本企業の業績見通しが急速に悪化し、日経平均の「実力」にあたる1株当たり利益の予想が下がったとして、年内の4万円回復は一旦遠のいたとの見方を示しました。回復の可能性は30%程度で、年末は3万8000〜3万9000円ぐらいが一番イメージしている水準だと述べています。

    日本株政治・政策暴落・リスク

  4. 2025年4月4日・ダイヤモンド・オンライン(記事)

    井出真吾「米国株はAIバブルで割高、再び大幅下落も」|ダイヤモンド・オンライン(2025年4月)

    トランプ政権が相互関税を発表した直後のダイヤモンド・オンラインへの寄稿で、井出氏は2月以降のアメリカ株の急落は、関税やトランプ大統領の発言をきっかけにしながらも、本質的にはAIバブルで割高になったアメリカ株を売る「口実」になった面が大きいと分析しました。株価はかなり下がったものの益利回りなどから見てまだ割高で、相互関税の発動が再び大きな下落の引き金になる可能性があると指摘しています。

    米国株暴落・リスク政治・政策

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ここに載せているのは、著名な専門家が公開の場(YouTubeの公式チャンネル・記事など)で話した内容の記録と要約です。投資の教科書が特定の銘柄や商品をおすすめするものではありません。見通しは話した時点のもので、外れることもあります。

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