投資の教科書

Fundstrat Global Advisors 共同創業者・リサーチ責任者(Fundstrat Capital 最高投資責任者)

トム・リーの発言録|「悲観が強いときこそ上がる」ウォール街の強気派の見通しを時系列で

立ち位置:一貫して強気発言の記録 13件最終更新 2026年10月23日

JPモルガンのチーフ株式ストラテジストを経て、2014年に調査会社Fundstratを共同で立ち上げたストラテジストです。ウォール街の強気派の代表格として知られ、投資家心理の冷え込みや待機資金の多さ、利益の上振れを根拠に、米国株の上昇を一貫して見込んでいます。一方で、2026年は年の途中に「弱気相場のように感じる下げ」があると前もって述べるなど、短期の荒れと長期の強気を分けて語るのが特徴です。

利害について:Fundstratで有料の調査サービスを提供し、Fundstrat Capitalの最高投資責任者としてETF(Granny Shots)を運用しています。暗号資産のイーサリアムを保有する上場企業Bitmine Immersion Technologiesの取締役会長も務めています

CNBC Television「Fundstrat's Tom Lee: We're near the end stages of the AI selloff」 → この回の要点を読む

リー氏は英語で話しています。このページの要約は日本語に直したもので、「原文から」の引用は英語の字幕で確かめた1文と訳です。リー氏は暗号資産の会社の役職も持ち、暗号資産についても多く発言していますが、このページでは株式の見通しを中心にまとめ、暗号資産の話は分けて書いています。

ひとことで言うと

「悲観が強いときこそ株は上がる。途中で大きく下げても、強気相場は長く続く」。2025年3月の関税ショックの前には「4月2日の後はV字回復の可能性がとても高い」と述べ(CNBC)、8月には人口の波から「2035年まで続く強気相場」との見方を示しました(Fundstrat)。2026年は年末7,700の目標から始まり(CNBC)、10月には年末8,200〜8,400の見通しが紹介され、AI株の売りは「最終局面」と述べています(CNBC、CNBC)。

一貫して言っていること

投資家の悲観は、上がる理由になる

リー氏の強気の土台は、投資家心理の冷え込みです。2025年11月には、個人投資家の心理は弱気相場のようなのに株は17%上がっていると指摘し(CNBC)、2026年9〜10月にも、弱気の多さやポジションの軽さを根拠に「急反発の条件がそろった」「行き過ぎた悲観」と述べています(CNBC、CNBC)。悪い知らせを冷静に受け止める相場を「底の形」と見るのも同じ考え方です(CNBC)。

待機資金と個人投資家の動きを見る

2025年3月には、MMFに8,500億ドルの資金が積み上がったことを挙げ(CNBC)、2026年4月には、戦争の不安で株を減らした個人投資家が資金を戻して上昇を後押しすると述べました(CNBC)。米国の投資家がまだ7兆ドルの現金を持っていることもたびたび指摘しています(CNBC International)。

AIはまだ序盤。長期は人口の追い風

2025年9月に「AIはまだ5〜10年の物語」と述べ(CNBC)、2026年10月のAI株の売りでも、AIへの不安はバブルを防いでいる「健全な調整」だとしました(CNBC)。長期の強気の根拠は人口構成で、ミレニアル世代の人口の山である2035年ごろまで強気相場が続くとの見方です(Fundstrat)。2026年6月には、2026年の後の2年ほどが生涯で最大級の株高になりうると述べています(CNBC)。

強気でも「途中の大きな下げ」を前もって言う

2026年の見通しでは最初から、新しいFRB議長への「試し」などで弱気相場のように感じる時期があると述べ(CNBC、CNBC)、7月には「7,700の後に10〜15%の調整、それでも年末8,000超え」という3段階の相場を示しました(CNBC International)。

見方の変化

時期 S&P500の見通し・相場観
2025年3月 関税発表(4月2日)の後はV字回復の可能性がとても高い(CNBC)
2025年8〜9月 新しい強気相場で2035年ごろまで。4月以降の押し目は浅い(Fundstrat、CNBC)
2025年11月 11月は強い月。年末7,300〜7,500もありうる(CNBC)
2025年12月 2026年末の目標は7,700。途中で弱気相場のような時期も(CNBC)
2026年1〜3月 「年初上昇→途中で大きな調整→年末上昇」。3月の下げは底の形(CNBC、CNBC)
2026年4〜6月 個人の資金が戻り上昇。6〜10月の下げを見込みつつ、2026年の後に最大級の株高も(CNBC、CNBC)
2026年7月 7,700の後に10〜15%調整、年末は8,000超え(CNBC International)
2026年9月 FRBの利上げの翌週に「最大の苦しみ」は済んだとし、月末8,000超えの可能性(CNBC)
2026年10月 「行き過ぎた悲観」。年末8,200〜8,400の見通しが紹介され、AI株の売りは最終局面(CNBC、CNBC)

強気の立場は一貫しています。変わったのは主に年末の目標の数字(7,700→8,000超え→8,200〜8,400)と、途中の調整の時期の見立てです。

暗号資産についての発言(株式の見通しとは別に)

リー氏は暗号資産についても多く発言しており、ビットコインやイーサリアムの将来性について強気の考えを示しています(CNBC、CNBC)。暗号資産を保有する企業の会長という立場もあります。値動きが非常に大きい資産で、株式の見通しとは別の話として読んでください。このサイトは暗号資産の売買を勧めません。

読むときの注意

  • リー氏は、有料の調査サービスを提供する会社の創業者で、ETFの運用責任者でもあり、イーサリアムを保有する上場企業の会長も務めています
  • 見通しの多くは「投資家の悲観が強い」「FRBが引き締めを重ねない」「AIへの投資が続く」ことを前提にしています。インフレや金利が想定より上がれば前提が変わります
  • 1か月や1四半期といった短い期間の見通しも多く出しますが、短期の予想は外れることも多い種類のものです。銘柄の名前は見方の説明として出たもので、売買の勧めとして読まないでください

はじめての人が受け取れること

  • 「みんなが悲観しているときに、何を根拠に強気なのか」を見ると、ニュースの雰囲気と相場の動きを分けて考える練習になります
  • 強気の専門家でも、年の途中に10〜15%の下げを見込んでいます。下げはふつうに起きるものと考え、慌てて手放さずに続けられる形を考えることが大切です
  • 長期の見通し(人口やAIの流れ)と短期の予想(月末や年末の数字)は別のものです。分けて受け止めると、外れたときにも考え方を見失いにくくなります

トム・リーの発言の時系列

動画・記事の日付の新しいものから順に並べています。

2026年

  1. 2026年10月22日・CNBC Television(YouTube)

    トム・リー「AI株の売りは最終局面。“縮んだバネ”の状態」|CNBC Television(2026年10月)

    ナスダックが大きく下げ、ダウ平均が月初の最高値から6%超下げた2026年10月22日、リー氏はCNBCの番組で、AI株の売りは最終局面に近いとの見方を示しました。AIへの不安や債券市場の慎重さが投機的な行き過ぎを防いでおり「健全な調整」だとし、FRBの姿勢の変化と金利の低下で、相場は「縮んだバネ」のような状態だと述べています。

    米国株半導体・AIFRB・米金利

  2. 2026年10月5日・CNBC Television(YouTube)

    トム・リー「悲観が行き過ぎ。利益は加速し株はむしろ割安に」|CNBC Television(2026年10月)

    2026年10月5日、リー氏はCNBCの番組で、雇用統計が弱めに出たことで、年3回の利上げを見込む「最大限タカ派のFRB」という前提が和らぐとの見方を示しました。利益の伸びは加速し、2027年の利益予想が年初から20%以上上方修正されたのに株は20%も上がっておらず、むしろ割安になったとして、今の相場には「行き過ぎた悲観」があると述べています。

    米国株FRB・米金利政治・政策

  3. 2026年9月21日・CNBC Television(YouTube)

    トム・リー「先週が最大の苦しみ。月末までに8,000超えの急反発も」|CNBC Television(2026年9月)

    FRBの利上げの翌週にあたる2026年9月21日、リー氏はCNBCの番組で、前の週はFRBの強い引き締め姿勢、原油高、金利高が重なった「最大の苦しみ」だったと述べました。原油と金利が落ち着き、投資家の心理が非常に弱気でポジションも軽いことから、急反発(フェイス・リッパー)の条件がそろっているとし、月末までにS&P500が8,000を超える可能性があるとの見方を示しています。

    米国株FRB・米金利金・資源

  4. 2026年7月13日・CNBC International Live(YouTube)

    トム・リー「7,700から10〜15%調整、それでも年末は8,000超え」|CNBC International(2026年7月)

    2026年7月、リー氏はCNBCの国際向け番組で、2026年は「3つの段階」の相場だと説明しました。S&P500は7,700に届いた後に10〜15%の普通の調整があり、それでもAIの物語が崩れていないので年末には8,000を超えるとの見方です。半導体やメモリー株の数週間の売りは、大きな強気相場の中の普通の調整だと述べています。

    米国株半導体・AI中国・新興国

  5. 2026年6月1日・CNBC Television(YouTube)

    トム・リー「2026年の後、生涯で最大級の株高が来るかもしれない」|CNBC Television(2026年6月)

    2026年6月、リー氏はCNBCの番組で、第1四半期のS&P500の利益は予想より10ドル高く、年40ドルなら20倍の評価で800ポイントの上昇余地にあたると説明しました。6〜10月には大型IPOや新しいFRB議長への試し、中間選挙で弱気相場のように感じる下げがありうるとしつつ、2026年の後の2年ほどは生涯で最大級の株高になりうるとの見方を示しています。

    米国株半導体・AI長期投資・NISA

  6. 2026年4月20日・CNBC Television(YouTube)

    トム・リー「戦争の不安で離れた個人が戻り、上昇を後押し」|CNBC Television(2026年4月)

    2026年4月、リー氏はCNBCの番組で、戦争が始まるころに慎重になって株を減らした個人投資家が、これから待機資金を株に戻し、上昇を後押しするとの見方を示しました。戦争による最悪の事態の心配は和らぎ、ヘッジファンドが先にリスクを増やしているとし、新しいFRB議長への「試し」を越えれば、生涯で最もよい時期の一つになりうると述べています。

    米国株暴落・リスク景気・インフレ

  7. 2026年3月3日・CNBC Television(YouTube)

    トム・リー「悪い知らせを冷静に受け止める相場は底の形」|CNBC Television(2026年3月)

    米国が軍事衝突に関わり、ホルムズ海峡の封鎖の恐れから原油が急騰した2026年3月、リー氏はCNBCの番組で、悪い知らせを冷静に受け止めている相場は「底をつくる形」に見えると述べました。底を確かめるサインとして恐怖指数(VIX)の40超えと反落などを挙げ、この局面の先には多くの機会があるとの見方を示しています。

    米国株暴落・リスク金・資源

  8. 2026年1月7日・CNBC Television(YouTube)

    トム・リー「年初は上昇、途中で大きな調整、年末に再上昇」|CNBC Television(2026年1月)

    2026年の年初、リー氏はCNBCの番組で、基本シナリオは「年初に上昇、途中で大きな調整、年末に再上昇」だと述べ、年のどこかで弱気相場のように感じる時期があるとの見方を示しました。一方で、上昇の広がりがあること、関税の混乱が過去のものになりつつあること、FRBが追い風に変わりつつあることを前向きな材料に挙げています。

    米国株FRB・米金利政治・政策

2025年

  1. 2025年12月11日・CNBC Television(YouTube)

    トム・リー「2026年末にS&P500は7,700。途中で弱気相場のような下げも」|CNBC Television(2025年12月)

    2026年の見通しを公表した2025年12月、リー氏はCNBCの番組で、S&P500は2026年末に7,700になるとの見方を示しました。3年続いた20%前後の上昇から伸びは鈍るとし、関税をめぐる最高裁の判断や新しいFRB議長への「試し」で、途中に弱気相場のような荒れた時期があるが、年末は強く終わると述べています。

    米国株FRB・米金利政治・政策

  2. 2025年11月3日・CNBC Television(YouTube)

    トム・リー「11月は強い月。年末にS&P500は7,300〜7,500も」|CNBC Television(2025年11月)

    2025年11月3日、リー氏はCNBCの番組で、相場は6か月続けて上がったとし、過去の傾向から11月は強い月になり、S&P500は年末に7,300〜7,500もありうると述べました。個人投資家の心理は弱気の相場のように冷えているのに株は年初から17%上がっているとし、年末に向けて出遅れた運用者の買いが入るとの見方を示しています。

    米国株景気・インフレFRB・米金利

  3. 2025年9月12日・CNBC Television(YouTube)

    トム・リー「2025年4月以降、押し目はとても浅い。AIはまだ過小評価」|CNBC Television(2025年9月)

    主要な株価指数が最高値をつけた2025年9月、リー氏はCNBCの番組で、2025年4月以降の押し目はどれもとても浅いと述べました。オラクル株の急騰はAIの成長が過小評価されているしるしだとし、AIは5〜10年の物語だとの見方を示しています。9月のFRBの利下げは小型株にとって追い風になるとも述べました。

    米国株半導体・AIFRB・米金利

  4. 2025年8月28日・Fundstrat(YouTube)

    トム・リー「新しい強気相場。人口の波で2035年まで」|Fundstrat(2025年8月)

    ポッドキャスト「Master Investor」の収録(Fundstrat公式チャンネルで公開)で、リー氏は、米国株は新しい強気相場にあり、ミレニアル世代の人口の山にあたる2035年ごろまで続くとの見方を示しました。強気相場の天井は世代の人口の山と重なるという独自の考え方を説明し、天井のサインはFRBの引き締めと行き過ぎた投機だと述べています。

    米国株長期投資・NISAFRB・米金利

  5. 2025年3月27日・CNBC Television(YouTube)

    トム・リー「4月2日の後はV字回復の可能性がとても高い」|CNBC Television(2025年3月)

    関税の発表(4月2日)を前に相場が下げていた2025年3月、リー氏はCNBCの番組で、投資家心理はすでに大きく冷え込み、2018年と同じような「パニック」は済んでいると述べました。関税がはっきりすれば、4月2日の後に株がV字回復する可能性はとても高いとの見方を示し、下半期には減税などの追い風があるとしています。

    米国株政治・政策暴落・リスク

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米国株13件

FRB・米金利8件

ここに載せているのは、著名な専門家が公開の場(YouTubeの公式チャンネル・記事など)で話した内容の記録と要約です。投資の教科書が特定の銘柄や商品をおすすめするものではありません。見通しは話した時点のもので、外れることもあります。

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