NISAをうまく使うコツ。2つの枠の分け方と、無理なく続ける積立の決め方
· 投資の教科書 編集部

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この記事で手に入るもの
- つみたて投資枠と成長投資枠の、迷わない分け方
- 「売ったら枠が戻る」「損は相殺できない」など、知っておくと得する決まり
- 毎月の積立額の決め方と、ずっと続けるための3つの工夫
- 2026〜2027年の改正(つみたて投資枠の対象拡大、子どもの利用、iDeCoの上限引き上げ)
結論
- 毎月の積立はつみたて投資枠で自動にし、成長投資枠は「余裕があるときに足す枠」と考えると、迷わずに使えます
- 生涯の上限1,800万円は買ったときの金額で数え、売った分は翌年以降に戻ります。ただし、NISAの中の損はほかの口座の利益と相殺できません
- 積立額は「生活のお金を残して、下がっても続けられる額」で決め、年に1回だけ見直せば十分です
NISAは、投資で得た利益に税金がかからない国の制度です。ふつうは利益に20.315%の税金がかかります。NISAの口座で買ったものなら、値上がり益も配当も非課税です。
金融庁の調査では、NISAの口座は2026年6月末で3,048万口座になりました。使う人は年々増えています。
使い方のコツは、実はそれほど多くありません。2つの枠の役割を決めて、積立を自動にして、あとは続けるだけです。このページでは、そのコツを金融庁・国税庁・日本証券業協会の情報で確かめて、順番にまとめました。
まず全体像:NISAの数字は4つだけ
NISAで覚える数字は、次の4つです(18歳以上の場合)。
| 項目 | 金額 | ひとこと |
|---|---|---|
| つみたて投資枠 | 年120万円 | 国の基準を満たす投資信託・ETFを積立で買う枠 |
| 成長投資枠 | 年240万円 | 上場株式・投資信託などを買える枠 |
| 年間の合計 | 年360万円 | 2つの枠は同じ年に両方使える |
| 生涯の上限 | 1,800万円 | うち成長投資枠は1,200万円まで |
非課税で持てる期間は無期限です。使い残した年間の枠は、翌年に繰り越せません。
コツ1:2つの枠は「役割」で分ける
つみたて投資枠は「毎月の自動積立」用
つみたて投資枠で買えるのは、長期の積立・分散投資に向くとして国の基準を満たした投資信託とETFだけです。
- 信託期間が無期限または20年以上
- 毎月分配型ではない
- 手数料の水準などが国の基準を満たす
金融庁の一覧では、対象は2026年10月23日時点で377本(投資信託366本・ETF11本)です。最初から商品が絞られているので、はじめての人でも選びやすい枠です。買い方は積立だけで、まとめ買いはできません。
成長投資枠は「余裕があるときに足す」用
成長投資枠では、上場株式・ETF・REIT・投資信託など、幅広い商品を買えます。積立でも、まとめ買いでもかまいません。
ただし、次のものは買えません。
- 整理銘柄・監理銘柄
- 信託期間20年未満の投資信託、毎月分配型の投資信託
- デリバティブ取引を使った一定の投資信託
迷ったときの分け方
| 使い方 | 向いている枠 |
|---|---|
| 毎月同じ額をコツコツ積み立てる | つみたて投資枠 |
| ボーナスなどでまとまったお金が入った | 成長投資枠 |
| 個別の株を持ってみたい | 成長投資枠 |
| つみたて投資枠の年120万円を超えて積み立てたい | 成長投資枠でも積立ができる |
まずはつみたて投資枠だけで始めて、慣れてから成長投資枠を足す順番でも十分です。
コツ2:「枠が戻る」決まりを知っておく
上限は「買ったときの金額」で数える
生涯の上限1,800万円は、**買ったときの金額(簿価)**で数えます。100万円で買ったものが150万円に値上がりしても、使った枠は100万円のままです。
複数の金融機関で持っていても、国税庁がまとめて数えます。
売った分は翌年以降に戻る
NISAで持っているものを売ると、翌年以降に、売った分の枠が戻ります。戻るのは時価ではなく、買ったときの金額です。
- 例:100万円で買ったものを150万円で売った → 翌年以降に100万円分の枠が戻る
ただし、年間の枠(最大360万円)は売っても戻りません。たとえば今年すでに360万円を買っていたら、売っても今年はもう買えません。翌年、その年の枠の範囲で使い直します。
なお、金融庁は2027年度の税制改正要望で「売った年のうちに上限を戻す」見直しを求めています。これは要望の段階で、まだ決まっていません。
コツ3:損を相殺できない、などの注意点
知っておくと失敗しにくい決まりです。
- 損は相殺できない。 NISAで売って出た損は、税金の上では「ないもの」とされます。特定口座などの利益と相殺(損益通算)できず、翌年以降への繰り越しもできません
- 配当の受け取り方を選ぶ。 株式・ETF・REITの配当を非課税にするには「株式数比例配分方式」(証券会社の口座で受け取る方式)を選びます。郵便局や銀行で受け取ると課税されます。投資信託の分配金は手続きなしで非課税です
- ほかの口座から移せない。 特定口座などで持っている商品は、NISAに移せません。NISAでは新しいお金で買います
- 口座は1人1つ。 NISAで新しく買えるのは、1年に1つの金融機関だけです
NISAの利益は確定申告がいりません。所得の合計にも入らないので、配偶者控除などの計算にも影響しません。
コツ4:毎月いくらから、どう続けるか
いくらから始められるか
積立の最低額は金融機関によって違います。たとえばSBI証券・楽天証券のクレジットカード積立は、月100円から設定できます(各社の公式サイトで確認、2026年10月23日時点)。
積立額の決め方
年360万円は「上限」で、使い切る必要はありません。積立額は、次の順で決めると無理がありません。
- 生活費の数か月分など、すぐ使うお金は預金に残す
- 毎月の収入から、残りそうな額を出す
- その中で「下がっても売らずに続けられる額」を積立額にする
投資信託は値下がりすることもあり、元本は保証されません。「続けられる額」で決めるのが、長く使うための一番のコツです。
家計の数字をAIに整理してもらうと、積立額の目安を出しやすくなります。
次の家計の数字から、毎月の積立に回せる額の目安を3パターン(少なめ・ふつう・多め)で出してください。
生活費の6か月分は預金に残す前提です。数字が足りないときは、推測せずに質問してください。
・手取り月収:
・毎月の生活費:
・いまの預金額:
・年に1回の大きな出費(旅行・車など):
→ AIの使い分けなら:ChatGPTとClaude、社長はどっちを使えばいい? 迷わない選び方と、今日から使える頼み方3つ(社長のAIの教科書)
ずっと続ける3つの工夫
- 自動にする。 毎月決まった日に積み立てる設定にすれば、あとは触らなくて大丈夫です
- 見直しは年1回。 収入が変わったときや年の初めに、積立額だけ見直します
- 値動きを毎日見ない。 長く持つ前提の制度なので、日々の上げ下げに合わせて売り買いする必要はありません
2026〜2027年の改正で、もっと使いやすく
2026年4月から:つみたて投資枠の対象が広がった(施行済み)
金融庁の告示が改正され、2026年4月1日から、つみたて投資枠で選べる商品が広がりました。
- 国が決めた指数に「読売株価指数(読売333)」と「JPXプライム150指数」が加わった
- 指数に連動しない投資信託の条件が「主に株式に投資するもの」から「主に株式または公社債(債券)に投資するもの」に広がり、債券を多く組み入れた投資信託も選べるようになった
2027年1月から:0〜17歳も使える(決定・まだ始まっていない)
2026年3月31日に成立した法律で、2027年1月1日から、0〜17歳もNISAを使えるようになります。
- 使えるのはつみたて投資枠だけ(年60万円、上限600万円)
- 原則として、3月31日に18歳になる年の1月まで引き出せない
- 18歳になると、手続きなしで大人のNISAに切り替わる
お子さんの分も考えている人は、始まる前に仕組みだけ知っておくと準備しやすくなります(NISAの仕組み)。
iDeCoとの違いと、2026年12月からの上限の引き上げ
iDeCo(個人型確定拠出年金)は、自分で掛金を出して運用する年金の制度です。NISAとは目的と決まりが違います。
| NISA | iDeCo | |
|---|---|---|
| 掛金の税金 | 所得から引けない | 全額を所得から引ける(所得控除) |
| 運用の利益 | 非課税 | 非課税 |
| 引き出し | いつでも売れる | 原則60歳まで引き出せない |
| 向いている使い方 | いつか使うお金を育てる | 老後のお金をつくる |
iDeCoは、2026年12月分の掛金(2027年1月の引き落とし分)から上限が上がります(決定・まだ始まっていない)。
- 会社員:企業年金とあわせて月6.2万円まで(企業年金がない人は月2.3万円→6.2万円)
- 自営業の人など:国民年金基金などとあわせて月6.8万円→7.5万円
上限が上がっても、掛金は自動では増えません。増やしたい人は、変更の手続きが要ります。
口座をまだ開いていない人は
NISAは、口座を開いて積立を設定するところまでが一番の手間です。そこさえ終われば、あとは自動で続きます。
投資の教科書では、NISAの口座はSBI証券か楽天証券をおすすめしています。どちらもNISAの国内株・米国株の売買手数料は0円で、クレジットカードで月100円から積み立てられます(各社の公式サイトで確認、2026年10月23日時点)。選んだ理由は「NISAの口座はSBI証券か楽天証券で」にまとめています。
各社の詳しい使い方は「SBI証券のNISA」「楽天証券のNISA」を、口座選びの見方は「証券口座の選び方」をご覧ください。
よくある質問
NISAのつみたて投資枠と成長投資枠は、どう使い分ければいいですか?
毎月の自動積立はつみたて投資枠、ボーナスなどまとまったお金や個別の株は成長投資枠、と役割で分けると迷いません。2つの枠は同じ年に両方使えます。まずはつみたて投資枠だけで始めても十分です。
NISAで売ったら、枠はいつ戻りますか?
売った翌年以降に、売ったものの「買ったときの金額」の分だけ生涯の枠が戻ります。年間の枠(最大360万円)は、売ってもその年には戻りません。売った年のうちに戻す見直しは、金融庁が要望している段階で、まだ決まっていません。
NISAで損が出たら、ほかの口座の利益と相殺できますか?
できません。NISAで出た損は税金の上では「ないもの」とされ、特定口座などの利益との損益通算も、翌年以降への繰り越しもできません。
NISAの積立は毎月いくらから始められますか?
最低額は金融機関によって違います。SBI証券・楽天証券のクレジットカード積立は月100円から設定できます。年360万円は上限なので、生活のお金を残し、下がっても続けられる額で決めましょう。
NISAとiDeCoはどう違いますか?
NISAはいつでも売れて、利益が非課税です。iDeCoは掛金を全額所得から引けますが、原則60歳まで引き出せません。iDeCoは2026年12月分の掛金から上限が上がり、企業年金がない会社員は月2.3万円から6.2万円になります。
まとめ
- 毎月の積立はつみたて投資枠で自動に、成長投資枠は余裕があるときに足す
- 生涯の上限1,800万円は買ったときの金額で数え、売った分は翌年以降に戻る
- NISAの損はほかの口座と相殺できない。配当は証券会社の口座で受け取る
- 積立額は「下がっても続けられる額」で決め、見直しは年1回
- 2026年4月に対象が広がり、2027年1月から子どもも使える。iDeCoも2026年12月分から上限が上がる
次の1か月でやることは1つです。口座があるなら積立額を見直し、まだなら口座を申し込むところまで進めましょう。
※ この記事はNISAとiDeCoの制度と使い方を説明するもので、特定の銘柄や投資信託の売買をおすすめするものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。制度は変わることがあるため、最新の情報は金融庁と各金融機関でご確認ください。
参考
- 金融庁「NISAを知る」(2026年10月23日確認)
- 金融庁「つみたて投資枠対象商品」
- 金融庁「『非課税口座に受け入れることができる上場株式等の範囲に関する基準』の一部改正について」
- 金融庁 広報誌「アクセスFSA」2026年2月号「令和8年度税制改正の大綱の概要」
- 金融庁「令和9(2027)年度 税制改正要望について」
- 金融庁「NISA口座の利用状況に関する調査結果(令和8年6月末時点)の公表について」
- 国税庁 タックスアンサー No.1535 NISA制度
- 国税庁 タックスアンサー No.1474 上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除
- 国税庁「令和8年度 株式等や土地・建物等を譲渡した場合の税のあらまし」
- 日本証券業協会「2024年以降のNISAに関するQ&A」(2026年9月)
- 厚生労働省「2025年の制度改正」(確定拠出年金)
- 厚生労働省Webマガジン「2026年12月からiDeCoがパワーアップ!」
- iDeCo公式サイト(国民年金基金連合会)「iDeCoの特徴」
- SBI証券「クレカ積立」、SBI証券「手数料」
- 楽天証券「楽天カードクレジット決済」、楽天証券「手数料」
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