投資の教科書

第6章 株を知る 6-2・読む時間 約6分・最終更新 2026年10月28日

株の買い方|100株の単元、指値と成行のちがい、取引時間と受け渡しを1ページで

価格の数字が並ぶ画面
価格の数字が並ぶ画面

「個別の株を買ってみたい。でも、証券会社の注文画面を開いたら『単元』『指値』『成行』と知らない言葉が並んでいて、手が止まった」「株って、いくらあれば買えるの?」。そんな経験はありませんか。

前の回(株とは何か:株価が動くしくみ)では、株価は取引所で売りと買いの注文が合ったところで決まることを見ました。この回は、その注文を自分で出すときの話です。覚えることは、実は多くありません。「何株単位で買うか」「値段を決めるか決めないか」「いつ取引できて、いつお金を払うか」の3つが分かれば、注文画面はほぼ読めます。

なお、NISAの口座はもう開いている前提で進めます。まだの人は、証券口座の選び方と口座を開いてから、つみたて設定を終えるまでを先にどうぞ。

この回でわかること

  • 株は多くの場合100株単位で買うことと、いくら用意すればよいかの計算
  • 値段を決めて出す「指値」と、決めずに出す「成行」のちがいと使い分け
  • 取引できる時間と、注文が成立してからお金を払う日(3営業日目)

結論

  • 日本の取引所の株は、100株単位で売り買いします。要るお金は「株価×100株+手数料」です。1株から買える証券会社のサービスもあります
  • 値段を決めて出す指値は、その値段より不利には買いませんが、成立しないことがあります。値段を決めない成行は、すぐ成立しやすい一方、思わぬ値段になることがあります
  • 取引所が開いているのは平日の9時〜11時30分と12時30分〜15時30分です。注文が成立した日から数えて3営業日目に、お金を払い、株を受け取ります

株はいくらから買えるか:100株が1単位

株は、1株ずつではなく、決まった数のまとまりで売り買いします。このまとまりを単元(たんげん)といいます。日本取引所グループ(JPX)によると、東京証券取引所の内国株は、2018年10月1日から売買単位が100株にそろえられています。

株価1,500円のA社なら100株で15万円、株価3,000円の会社なら30万円
図:画面に出ているのは1株の値段。実際に要るのはその100倍(A社は仮の例)

ですから、株を買うのに要るお金は、次の計算で分かります。

  • 要るお金 = 株価 × 100株 + 売買手数料

たとえば、株価1,500円のA社なら(仮の例です)、1,500円×100株=15万円に、手数料がかかる場合はその分を足した金額です。株価3,000円の会社なら30万円です。株価の画面に出ているのは「1株の値段」なので、実際に要るのはその100倍、と覚えておくと迷いません。

1株から買える「単元未満株」

「1社に15万円、30万円は出しにくい」という人のために、証券会社によっては、100株に満たない数(単元未満株)を1株から売り買いできるサービスがあります。SBI証券では「S株」、楽天証券では「かぶミニ」という名前です。

単元未満株でも、配当などは基本的に持っている株数に応じて受け取れます。ただし、JPXの用語集にあるとおり、議決権のように単元があることを前提にした権利はありません。また、注文の方法や、売り買いが成立する時間が、ふつうの注文とちがうことがあります。対象の会社、手数料、注文のしかたは、各社の案内で確かめてください。

注文は2種類:指値と成行

注文画面で必ず選ぶのが、指値(さしね)か成行(なりゆき)かです。JPXの説明では、次のとおりです。

指値は値段を決めて出す注文で、その値段より不利には買わないが成立しないことがある。成行は値段を決めない注文で、すぐ成立しやすいが思わぬ値段になることがある
図:はじめのうちは、予算からはみ出さない指値が使いやすい
  • 指値:「○○円以下で買いたい」「○○円以上で売りたい」と、値段を決めて出す注文
  • 成行:「どの値段でもよいから買いたい/売りたい」と、値段を決めずに出す注文

指値:値段は守れるが、成立しないことがある

A社の株が1,510円で売り買いされているときに、「1,500円の買いの指値」を出したとします(仮の例です)。

  • JPXの用語集にあるとおり、買いの指値は「1,500円以下で買いたい」という意味です。1,499円で買えるなら、1,499円で買います
  • 株価が1,500円まで下がってこなければ、買えないまま待つことになります。その日のうちに成立しないこともあります

1,500円より高くは買わない、という安心がある代わりに、買えないことがある。これが指値です。

成行:すぐ成立しやすいが、値段は決まっていない

成行は値段を決めないので、売りの注文があればすぐに成立しやすい注文です。取引所のルールでも、成行の注文は指値の注文より先に扱われます。

その代わり、いくらで買えるかは、成立するまで分かりません。株価が大きく上下しているときに成行で出すと、思っていたより高い値段で買うことがあります。JPXも、株価が乱高下すると、成行注文では思わぬ値段で売買が成立してしまう可能性がある、と説明しています。

はじめての人の使い分け

  • はじめのうちは指値:「この値段までなら買ってよい」を自分で決めてから出せます。予算からはみ出しません
  • 成行は、すぐに売り買いしたいとき:値段より、成立することを優先したい場面向けです

なお、1日に株価が動ける幅には上限(制限値幅)があります(株とは何か)。指値も、この範囲の中で出します。

いつ取引できて、いつお金を払うか

取引時間は平日の昼間

株の売り買いが成立するのは、取引所が開いている時間です。JPXによると、東京証券取引所の取引時間は次のとおりです。

時間
午前(前場:ぜんば) 9時〜11時30分
午後(後場:ごば) 12時30分〜15時30分
休み 土曜・日曜・祝日、12月31日、1月1日〜3日

昼の11時30分〜12時30分は、取引が止まる時間です。証券会社によっては、取引時間の外でも注文を受け付け、次の取引時間に取引所へ出します。受け付ける時間や、注文がいつまで有効かは、各社の案内で確かめてください。

平日の昼間に画面を見ていられない人は、前の晩や朝のうちに指値で注文を出しておくと、決めた値段より不利に買うことはありません。

お金を払うのは3営業日目:受け渡し

注文が成立することを約定(やくじょう)といいます。約定しても、その場でお金を払って株が自分のものになるわけではありません。JPXによると、2019年7月16日の取引から、約定した日から数えて3営業日目に受け渡し(お金を払って、株が自分のものになること)が行われています。

月曜に約定すると、火曜をはさんで、水曜にお金を払い株を受け取る
図:受け渡しは約定した日から数えて3営業日目。土日・祝日は数えない

営業日には、土曜・日曜・祝日などの休みは数えません。月曜に約定すれば水曜、金曜に約定すれば次の週の火曜が受け渡しの日です。売るときも同じで、売ったお金を引き出せるようになるのは、受け渡しの日のあとです。

株を買う前に、代金と手数料の分のお金を証券口座に入れておきます。入金のしかたや、いつまでに入れればよいかは、各社の案内で確かめてください。

手数料と税金

売買手数料

株を売り買いするたびに、証券会社に売買手数料を払う場合があります。手数料の額や、かからない条件は、証券会社や口座の種類、注文の金額によってちがいます。SBI証券・楽天証券の手数料は、各社の案内で確かめてください(SBI証券でNISAを始める・楽天証券でNISAを始める)。

投資信託と同じく、手数料は小さな金額でも、売り買いの回数が増えるほど積み重なります(手数料と税金:見えにくいコストを知る)。株でも、何度も売り買いするほど、手数料で手元のお金が減りやすくなります。

税金:NISAなら非課税

課税口座(特定口座・一般口座)で株を売って利益が出ると、利益に20.315%(所得税15%・住民税5%・復興特別所得税)の税金がかかります(国税庁)。配当にも税金がかかります。

NISAの成長投資枠で買った株なら、売った利益に税金がかかりません。配当も非課税になりますが、金融庁の資料にあるとおり、配当の受け取り方を「株式数比例配分方式」(証券口座で受け取る方式)にしておく必要があります。銀行口座や郵便局で受け取る方式だと、NISAで買った株でも配当に税金がかかります。注文画面で、どの口座(NISAの成長投資枠か、特定口座か)で買うかを選ぶ欄があるので、ここを見落とさないようにします。成長投資枠は年間240万円までです(NISAのしくみ)。

はじめての注文で選ぶこと

証券会社の注文画面では、だいたい次の順に選びます。

注文画面で選ぶ6つのこと:買いたい株、株数、指値か成行か、注文の期限、口座、内容の確認
図:とくに口座(NISAの成長投資枠か、特定口座か)は見落とさないようにする
  1. 会社名か、銘柄コード(会社ごとの番号)で、買いたい株を探す
  2. 株数(100株単位。単元未満株のサービスなら1株から)
  3. 指値か成行か。指値なら値段
  4. 注文の期限(その日だけか、何日か続けるか)
  5. 口座(NISAの成長投資枠か、特定口座か)
  6. 内容を確かめて、注文を出す

注文を出したら、約定したかどうかを、注文の一覧の画面で確かめます。

よくある質問

100株を買うお金がないときは、どうすればいいですか?

単元未満株のサービスなら、1株から買えます。もうひとつの考え方として、毎月積み立てている投資信託は、少しのお金でたくさんの会社の株に分けて投資しています。1社の株にこだわらなくても、株に投資することはできています(投資信託のしくみ)。

指値の注文が成立しなかったら、どうなりますか?

決めた期限が来ると、注文は取り消されます。お金は出ていきません。買いたければ、値段を見直して、もう一度注文を出します。

平日の昼間は仕事で見られません。それでも株は買えますか?

買えます。前の晩や朝に指値で注文を出しておけば、取引時間の間にその値段で成立するのを待てます。何度も画面を見る必要はありません。

注文の出し方が分かったら、次は、その会社がどれだけもうけているかを、会社の成績表で見てみます(会社の成績表:決算書をざっくり読む)。

出典:日本取引所グループ「売買単位」、日本取引所グループ「売買成立の方法」(成行注文と指値注文、価格優先の原則)、日本取引所グループ「売買立会時(立会時間)」、日本取引所グループ「株式等の決済期間短縮化(T+2化)」、日本取引所グループ 用語集「指値注文」、同「単元未満株式」、国税庁「No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)」、金融庁「NISAを知る」、金融庁「NISAを利用する皆さまへ」(令和6年6月、令和7年9月改訂)(配当金の受け取り方と非課税)、SBI証券「数百円から株が買える?SBI証券の『S株』で始める日本株」、楽天証券「株式取引を始めるなら楽天証券」(いずれも2026年10月28日確認)。この回の「A社」とその数字は、説明のための仮の例です。実在の会社や銘柄をすすめるものではありません。手数料・注文のルールは証券会社ごとにちがい、変わることがあります。最新の内容は各社の案内をご確認ください。

この回のまとめ

  • 日本の取引所の株は100株単位で売り買いする。必要なお金は「株価×100株+手数料」。1株から買える証券会社のサービスもある
  • 指値は値段を決めて出す注文で、その値段より不利には買わないが、成立しないこともある。成行は値段を決めない注文で、すぐ成立しやすいが、思わぬ値段になることがある
  • 取引所が開いているのは平日の9時〜11時30分と12時30分〜15時30分。注文が成立した日から数えて3営業日目に、お金を払い株を受け取る

確かめ問題

  1. Q1. 株価1,500円のA社の株を、100株単位で買うのに要るお金は、手数料のほかにいくらですか?

    答えを見る

    15万円

    1,500円×100株=15万円です。これに売買手数料がかかる場合があります。

  2. Q2. 「1,500円の買いの指値」を出したとき、1,499円で買えることはある。○か×か

    答えを見る

    ○

    買いの指値は「1,500円以下で買いたい」という注文です。1,499円で買えるなら、1,499円で買うことになります。

  3. Q3. 月曜日に株の買い注文が成立したとき、お金を払って株を受け取るのは何曜日ですか?(間に休みはないとします)

    答えを見る

    水曜日

    受け渡しは、売買が成立した日から数えて3営業日目です。月曜・火曜・水曜で、水曜日になります。

もっとくわしく

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