iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)とは|節税で利回り20%の運用法
- 2020年6月8日公開

iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)とは、20~60歳までの間に毎月決まった額を積み立てて運用し、その成果を60歳以降に受け取る、自分で作る年金制度のことです。
- iDeCoってよく聞くけど何?
- 私も入れるの?
- どれくらいお金がもらえるの?
- おすすめの金融機関や商品は?
- 始める時の注意点は?
iDeCoに関する上記の疑問や悩みを1つでもお持ちの方は、この記事を活用して、老後のお金の不安を軽減するきっかけにして下さい。
目次
1.iDeCo(イデコ)とは
iDeCo(イデコ)とは、20~60歳までの間に毎月5,000円以上の決まった額を積み立てて自分で運用し、その成果を60歳以降に(年金もしくは一時金で)受け取れる年金制度です。
「自分で運用」といっても、会社の財務状況を調べて株価チャートと睨めっこして売買タイミングを図るといった難しいものではありません。
投資信託(多数の個人投資家から集めた資金を、ファンドマネージャーが株式や債券などの複数の資産に投資して運用してくれる商品)での運用が中心になります。
最初に設定さえすれば、投資の王道とされている「長期・積立・分散」の考えのもと、ドルコスト平均法で毎月コツコツ同じ金額を購入してくれるので、基本的にほったらかしで大丈夫です。
ちなみに、iDeCoは個人型確定拠出年金ともいい、「個人(individual)」が「拠出」する額が「確定」している「年金」と分解するとわかりやすいです。
《企業型確定拠出年金とは》
確定拠出年金(401k)には、「企業型(企業が掛け金を出してくれる)」と「個人型(自分で掛け金を出す)」の2種類があります。勤め先の会社に企業型確定拠出年金があり、マッチング制度を導入していれば、企業の掛け金に自分で上乗せして運用することも可能です。
※「確定拠出年金=個人型」のイメージが定着しつつあるので、この記事では今後、断りがない限り、確定拠出年金=個人型確定拠出年金(iDeCo)とさせていただきます。
1.1.iDeCoの基本
確定拠出年金(企業型)は2001年から始まった制度で、加入できるのは、一部の会社員と自営業者に限られていました。
しかし、法改正により、2017年からは新たに、企業型がなかった会社員、公務員、専業主婦、20~60歳のほぼ全ての国民が加入できるようになりました。
次のグラフは、年ごとのiDeCoの加入者数の推移です。
※出所:国民年金基金連合会 iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入者等について(令和2年1月時点)
ご覧のように、着実に増えているのがわかりますね。
ただし、iDeCoは、翌年に引かれるはずの税金が免除されるだけで、手元のお金が増えている実感がないせいか、イマイチ浸透していません。しかし実は、始めるだけで、年間5~8万円の節税ができる、とても優れた制度なのです。
国が節税を認めて、老後に向けた資産形成をバックアップしてくれているので、家計状況にもよりますが、iDeCoはつみたてNISAより優先度は高く、利用しない手はないと思っています。
1.2.加入条件
iDeCoに加入できる人は、日本在住の20歳から60歳未満の会社員、自営業者、公務員、専業主婦で、ほぼ全ての人が加入できます。「ほぼ全て」と書いたのは、国民年金を納付していていないと加入できないからです。
イメージとしては、基本料金を払っていないのに、オプションだけを加えることはできないといった感じです。iDeCoは、国民年金や厚生年金などの公的年金で不足するかもしれない分を補う目的で作られましたのです。
言葉だけではわかりづらいと思うので、公的年金制度の仕組みを図で見てみましょう。
出所:楽天生命
このように、iDeCoはあくまでも、国民年金の上乗せ部分(3階部分)の位置付けです。
少子高齢化によって、公的年金は、将来的に受給額が減少したり、受給開始年齢が65歳から70歳や75歳に引き上げることが懸念されています。そのため、加入できる条件を大幅に緩和することで、自分で老後に備えてほしいという国からのメッセージも込められています。
《法改正①》
2020年5月29日に年金改革法が成立し、2022年5月から、に加入できる年齢が60歳から65歳までに引き上げられることになりました。ただし、国民年金の被保険者である者に限られます。
2.iDeCoのメリット
iDeCoの最大のメリットは節税効果にあり、「投資優遇税制の王様」と呼ばれることもあるほどです。具体的には、次の3つの場面で税金が優遇されます。
- 拠出時
- 運用中
- 受給時
節税メリットが大きい順に解説します。
2.1.毎月の拠金が「全額所得控除」
iDeCoは、拠出額(加入者が積み立てる金額)が、全額所得控除の対象になります。
どういうことかというと、税金(所得税)は、
収入 ー 経費や各種所得控除 = 課税所得
で計算する課税所得に「決められた比率(課税所得によって異なる)」を掛けて金額が決まります(住民税は一律10%)。ちなみに、控除(こうじょ)は「差し引く」という意味です。収入からこの所得控除をたくさん引いたほうが課税所得が安くなり、結果的に、税金が安くなります。
iDeCoを始めて、確定申告の時期が近づくと、国民年金基金から「小規模企業共済等掛金払込証明書」が送られてくるので、年末調整や確定申告で必ず手続きをしましょう。ちなみに、ふるさと納税の寄附額も、この所得控除に入れられます。
なお、「いくら節税できるか早く知りたい」という方は、「3.節税額のシミュレーション」で節税メリットを実感してみて下さい。
《補足》
なぜiDeCoが全額所得控除になるのか「全額」を強調しているのかというと、生命保険などの保険料の所得控除は、年間最大12万円までと上限があるからです。そのため、iDeCoは、拠出した額が多ければ多いほど、また、年収が高い人ほど、節税効果は高まります。
2.2.運用益に20%の税金がかからない
一般的に、株式や投資信託などの金融商品を買って利益が出ると、利益に対して約20%(20.315%)の税金がかかります。100万円の利益が出ても、20万円を税金で納め、利益は80万円に減ってしまうということです。
しかし、iDeCoで運用して出た利益や分配金(配当金のようなもの)には課税されず、受け取り時に丸々利益として残ります。
もし、途中で運用する商品を入れ替えるために売却(=スイッチング)しても税金はかからず、増えた資金をそのまま再投資できるので、効率的に運用できます。
2.3.受取時に「退職所得控除」「公的年金等控除」になる
原則的に、iDeCoは60歳以降に老齢給付金として受け取れますが、その際、次の2種類の方法があります(併用可)。
- 一時金:まとめて一度で受け取る
- 年金:分割して毎月定期的に受け取る
どちらで受け取ったほうがいいかは、条件や今後のライフプランによって異なります。しかし、一時金で受け取る場合は「退職所得控除」、年金形式で受け取る場合は「公的年金等控除」が適用され、どちらの場合でも税金が優遇されます(完全に非課税になるとは限りません)。
「原則的に60歳以降」と書いた理由は、iDeCoは加入期間が10年以上ないと、次のように引き出し可能年齢が60歳から遅くなるからです。
加入期間 | 引き出し可能年齢 |
10年以上 | 60歳~ |
8年以上 | 61歳~ |
6年以上 | 62歳~ |
4年以上 | 63歳~ |
2年以上 | 64歳~ |
1ヶ月以上 | 65歳~ |
そのため、できれば50歳までにiDeCoに加入して、60歳から受け取れる体制を整えておくことをおすすめします。ただし、60歳になったら必ず受け取りを開始しないといけないわけではなく、新たな拠出はできませんが、積み上げた資金を70歳まで継続して運用することもできます。
3.節税額のシミュレーション(職業別)
iDeCoには3つの場面で節税メリットがあるとお伝えしたところで、この章では、実際に年間でどれくらい節税できるかを具体的に見ていきます。
結論からいうと、iDeCoでは15~20%くらいの節税効果が見込めます。それとは別に、あとで紹介するおすすめの金融機関と参考商品を選べば、値上がりによって3%くらいの利回りは得られる確率は高いので、節税分と合わせた実質利回りは20%以上は見込めると考えていいでしょう。
このように、iDeCoは、値上がりによる利回りだけでなく、節税分と合わせた実質利回りで見ないと、制度の本質がわかりません。
3.1.職業による掛け金の上限
iDeCoの毎月の掛け金は、最低5,000円から1,000円単位で設定でき、職業によって次の表のように上限が決まっています。
公的年金の加入状況 | 最大掛け金 (月額) | 最大掛け金 (年額) | ||
自営業・フリーランス | 6.8万 | 81.6万 | ||
会社員 | 企業年金※1なし | 2.3万 | 27.6万 | |
企業年金あり | 企業型確定拠出年金 のみ加入 | 2万 | 24万 | |
確定給付企業年金※2 などの企業型確定拠出年金 以外の企業年金に加入 | 1.2万 | 14.4万 | ||
公務員 | 1.2万 | 14.4万 | ||
専業主婦(夫) | 2.3万 | 27.6万 |
※1.企業年金とは、確定給付年金や企業型確定拠出年金のこと。
※2.確定給付企業年金とは、原則として将来の年金額が確定している年金のこと。
ご覧のように、会社員の場合、勤めている会社の企業年金の有無によって掛け金の上限が異なります。企業年金がある場合は、会社が毎月積み立ててくれるため、iDeCoの掛け金は、企業年金がない場合と比べて低くなっています。
自分の会社が企業年金を導入しているかわからない場合は、総務担当者などに確認することをおすすめします。
《法改正②》
2020年5月29日に年金改革法が成立し、企業がマッチング制度を導入していなくても、企業型確定拠出年金に加入している会社員も一律iDeCoに加入できるようになりました。ただし、掛け金の上限が条件によって変わってくるので、詳しくは、『iDeCoの法改正、大事な2点だけをギュッと凝縮してお届け!』を参考にして下さい。
それでは、iDeCoでどれくらい節税できるかを、職業別に見ていきましょう。計算に使ったツールは、ろうきんの「節税シミュレーター」です。自分が大体どれくらい節税できるかの目安にしていただければと思います。
なお、カッコ内の%は、拠出した掛金額に対しての翌年に節税できる金額の割合です。結論を先に言うと、iDeCoはおおむね、拠出した金額に対して、15~30%の金額を節税できます。
3.2.自営業・フリーランスの場合
自営業やフリーランスのiDeCoの掛け金の上限は、月68,000円です。
国民年金しかなく、厚生年金も退職金もないので、自分で老後の資産を積み立てて用意する必要があるため、拠出できる金額は、どの職業よりも多くなっています。
掛金額 | 扶養している 配偶者 | 年収による年間の節税額 | ||||
400万円 | 500万円 | 600万円 | 700万円 | 800万円 | ||
最大月6.8万円 (年間81.6万円) | なし | 123,200円 (15%) | 144,100円 (18%) | 164,900円 (20%) | 206,500円 (25%) | 248,200円 (30%) |
あり | 124,700円 (15%) | 158,100円 (19%) | 167,800円 (21%) | 244,900円 (30%) | ||
最大月3万円 (年間36万円) | なし | 54,300円 (15%) | 72,800円 (20%) | 72,700円 (20%) | 109,500円 (30%) | 109,500円 (30%) |
あり | 55,800円 (16%) | 75,700円 (21%) | ||||
最大月5千円 (年間6万円) | なし | 9,000円 (15%) | 12,200円 (20%) | 12,100円 (20%) | 18,200円 (30%) | 18,200円 (30%) |
あり | 10,500円 (18%) | 15,000円 (25%) |
3.3.会社員の場合
会社員のiDeCoの掛け金の上限は、企業年金がない場合で月23,000円です。
掛金額 | 扶養している 配偶者 | 年収による年間の節税額 | ||||
400万円 | 500万円 | 600万円 | 700万円 | 800万円 | ||
最大月2.3万円 (年間27.6万円) | なし | 41,700円 (15%) | 55,800円 (20%) | 55,700円 (20%) | 83,900円 (30%) | 83,900円 (30%) |
あり | 43,100円 (15%) | 58,700円 (21%) | ||||
最大月1万円 (年間12万円) | なし | 18,100円 (15%) | 24,300円 (20%) | 24,200円 (20%) | 36,500円 (30%) | 36,500円 (30%) |
あり | 19,600円 (16%) | 27,200円 (23%) | ||||
最大月5千円 (年間6万円) | なし | 9,000円 (15%) | 12,200円 (20%) | 12,100円 (20%) | 18,200円 (30%) | 18,200円 (30%) |
あり | 10,500円 (18%) | 150,00円 (25%) |
3.4.公務員の場合
公務員のiDeCoの掛け金の上限は、月12,000円です。
2015年に公務金の年金だった共済年金が厚生年金に統一され、上乗せされていた「経過的職域加算額」も廃止されたので、公務員も自分で年金を積み立てる必要が出てきました。
掛金額 | 扶養している 配偶者 | 年収による年間の節税額 | ||||
400万円 | 500万円 | 600万円 | 700万円 | 800万円 | ||
最大月1.2万円 (年間14.4万円) | なし | 21,700円 (15%) | 29,200円 (18%) | 29,100円 (20%) | 43,800円 (25%) | 43,800円 (30%) |
あり | 23,200円 (15%) | 32,000円 (21%) | ||||
最大月1万円 (年間12万円) | なし | 18,100円 (15%) | 24,300円 (20%) | 24,200円 (20%) | 36,500円 (30%) | 36,500円 (30%) |
あり | 19,600円 (16%) | 27,200円 (21%) | ||||
最大月5千円 (年間6万円) | なし | 9,000円 (15%) | 12,200円 (20%) | 12,100円 (20%) | 18,200円 (30%) | 18,200円 (30%) |
あり | 10,500円 (18%) | 15,000円 (25%) |
3.5.専業主婦(夫)の場合
専業主婦(夫)のiDeCoの掛け金の上限は、月23,000円です。
この対象の中には、税金の支払いが発生する年収103万円の基準を下回るようにして働いているパートも含みます。このような専業主婦は、そもそも所得税や住民税を払っていないので、「掛け金が全額所得控除」の節税メリットはありません。
しかし、「運用益が非課税になる」メリットは享受できるので、お金を増やして老後に豊かな生活をしたい人は、iDeCoは有効な手段になります。
4.iDeCoのデメリット・注意点
メリットが多いiDeCoですが、デメリットもあります。しかし、それを裏を返せば、メリットにもなります。詳しく解説します。
4.1.60歳までは引き出せない
iDeCoはあくまでも老後資産の形成を目的にした私的年金制度なので、拠出・運用したお金は、原則として60歳まで引き出せません。
そのため、節税の恩恵を最大限受けるために、無理して毎月の掛け金を最大にするのは止めましょう。結婚資金や住宅資金、子育て資金などの今後のライフイベントに伴う大きな支出も考慮して、余裕資金の範囲内で決めることが大切です。
しかし、60歳まで引き出せないという”強制力”があると、「相場が暴落して含み損になったから売却しよう」「旅行に行くお金が欲しいからちょっとだけ取り崩そう」といった感情に左右される心配がありません。そのため、年金資産を着実に積み上げられます。
《つみたてNISAについて》
つみたてNISAは、iDeCo同様、老後の資産形成の選択肢の一つです。ただし、つみたてNISAはいつでも売却することで現金化できます。そのため、万が一の大きな出費に備えて、つみたてNISAも上手く併用して、老後2,000万円問題に備えることが大切です。
4.2.手続きに数カ月かかる
iDeCoは、証券会社ではなく、国民年金基金連合会が運営主体になっています。国の年金制度が関わってくるので、色々と審査が必要になり、申し込んでから始めるまでに2カ月くらいかかります。そのため、始めようと思ったら、なるべく早く取り組むことをおすすめします。
《iDeCo専用口座について》
証券会社には、iDeCoの運用しかできない「iDeCo専用口座」があります。しかし、iDeCoの他に、つみたてNISAや通常の株式取引、IPO(新規公開株)の申し込みに興味がある方は、総合口座(2~3営業日で開設可能)を作ってから、iDeCo口座の申請をすると良いでしょう。また、当面はiDeCoの運用しか考えていない方は、iDeCo専用口座のみの開設でも大丈夫です。その場合でも、あとから総合口座の開設もできます。
5.iDeCoにかかる手数料
iDeCoにかかるコスト(手数料)は、次のように、加入時に1回だけかかるものと、運用期間中に必ずかかるものとに分けて考えるとわかりやすいです。
iDeCo にかかる 手数料 |
| 運用期間中 | |||
収納 手数料 | 事務委託 手数料 | 口座 管理料 | |||
支払い先 | 国民年金 基金連合会 | 運営管理機関 (証券会社・銀行など) | 国民年金 基金連合会 | 信託銀行 | 運営管理機関 (証券会社・銀行など) |
金額 | 2,829円 (共通) | 一部の金融機関 のみ発生 | 月105円 (共通) | 月66円 (共通) | 金融機関による |
このように、iDeCoの加入時には、必ず2,829円がかかります(表の左下)。
また、どの金融機関を選んでも、毎月171円(=105円+66円)のランニングコストがかかり、年間にすると2,052円になります。
そのため、加入時の手数料かかからない金融機関を選ぶなど、自分でコントロールできるコストを下げることが、運用の成果を最大化するカギになります。毎月の差は僅かでも、10年や20年と経つと、大きなパフォーマンスの差となって現れます。
《投資信託の手数料》
投資信託の手数料には、次のようなものがあります。金額の目安と併せてご確認下さい。
- 口座管理手数料:無料~月600円程度
- 販売手数料:無料(ノーロード)が多い
- 信託報酬(運用手数料):0.1~1.5%くらい
- 信託財産留保額:解約時にかかる場合がある
《投資信託の手数料》
投資信託の手数料には、次のようなものがあります。金額の目安と併せてご確認下さい。
- 口座管理手数料:無料~月600円程度
- 販売手数料:無料(ノーロード)が多い
- 信託報酬(運用手数料):0.1~1.5%くらい
- 信託財産留保額:解約時にかかる場合がある
6.iDeCoの商品を選ぶ時のポイント
iDeCoは10年や20年の長期運用が基本となるので、運用する商品を選ぶ際も、コストを意識する必要があります。この章では、iDeCoの商品の選び方のポイントをお伝えします。
6.1.元本変動型で値上がり益を狙う
iDeCoで運用する金融商品は、大きく次の2つに分かれます。
- 元本保証型:定期預金や保険など
- 元本変動型:投資信託など
年金資産を1円でも減らしたくない場合、選択肢は元本保証型の定期預金しかありません。
しかし、定期預金の金利は0.2%くらいしか期待できず、日本全体の物価が将来的に2%上がった(=インフレ)としたら、その分だけ多くのお金を出さないとモノが買えないので、積み立てた年金資金の価値は実質的に下がってしまうことになります。
そのため、iDeCoでは、元本変動型で積極的に値上がり益を狙いにいくことをおすすめします。
6.2.投資信託を選ぶ
結論からいうと、iDeCoは、低コストのインデックスファンドかバランス型の投資信託の中から選んで運用しましょう(インデックスファンドとバランス型については後述)。
投資信託なら、世界中の株や債券など多様な資産に簡単に分散投資できます。人間がより豊かな暮らしを求めて便利なサービスを生み出す限り、株価も長期的には右肩上がりになる傾向があります。
そして、その世界経済の成長の果実の一部を得るための手段が、株式型の投資信託なのです。
次の表は、2000年5月から2020年4月末までの過去20年間の主要9資産の年平均リターンです。
出所:myINDEX「世界の主な投資資産リターン」
ご覧のように、株式、特に上から3番目の外国株式は、20年間でも4.9%と高いリターンとなっています(ここ1年のリターンはコロナショックでマイナス)。
今後成長が見込める世界の優良企業を自分で探して、1社ずつ投資するのは、初心者には困難です。もし探すことができたとしても、値上がりを当て続けることはできません。
そこで、「株価は予想できない」と割り切って、iDeCoでドルコスト平均法の考えのもと、投資信託を積立投資で毎月コツコツ買っていけば、10年や20年といった長期で見ると、金融庁が示した次のグラフのように、利益になる確率は高くなります。
しかも、積立投資なら、買うタイミングを図る必要がない上、コロナショックやリーマンショック、大震災、テロなどで暴落が起こって評価損になったとしても、多くの口(くち・株数のこと)が買えて平均単価が下がるので、その後株価が回復すれば評価益に転じやすくなります。
つまり、iDeCoなら、商品選びさえ間違えなければ、分析にほとんど時間をかけず、また、株価の変動に一喜一憂するストレスから解放されて、老後の資産を作ることができるのです。
次のグラフは、30歳の会社員を想定して、月23,000円を30年間積み立てた時の商品によるパフォーマンスを比べたものです。30年間の投資元本828万円がいくらになったか、運用収益と合わせてご覧下さい。
- 青:定期預金(年利0.02%):830万円(+2万円)
- 黄色:投資信託(年利3%):1,340万円(+512万円)
- 赤:投資信託(年利5%):1,914万円(+1,086万円)
- 青:定期預金(年利0.02%):830万円(+2万円)
- 黄:投資信託(年利3%):1,340万円(+512万円)
- 赤:投資信託(年利5%):1,914万円(+1,086万円)
※使用分析ツール:楽天証券の「積立かんたんシミュレーション」
※使用分析ツール:楽天証券の「積立かんたんシミュレーション」
ご覧のように、30歳の会社員の場合、iDeCoで月23,000円を5%の利回りで30年間運用できれば、1,914万円に増えることになり、老後資金で足りないとされている2,000万円に一気に近づきます。
これが定期預金だったら、掛け金が全額所得控除のメリットは受けることはできますが、30年間で2万円しか増えません。
6.3.低コストのインデックスファンドから選ぶ
iDeCoで運用する商品を選ぶ上で、投資信託には、運用方針によって次の3種類があることを知っておく必要があります。
- インデックスファンド
- アクティブファンド
- バランス型
この中で、iDeCoで選ぶべき投資信託は、1.のインデックスファンドか3.のバランス型です。その理由を、それぞれの特徴を含めて解説します。
6.4.1.インデックスファンド
インデックスファンドは、市場全体の動きを示す指数(ベンチマーク)に連動した値動きになるように設計された投資信託です。指数には、例えば、次のようなものがあります。
- 日本株:日経平均、TOPIX(東証株価指数)
- 米国株:NYダウ、S&P500
- 先進国株:MSCIコクサイ
市場全体を保有するように機械的に運用されるので、運用会社やファンドマネージャーによるパフォーマンスの違いはほとんどありません。
また、インデックスファンドは、組み入れ銘柄を選定する調査費用などがかからないため、運用コストが低く、ノーロード(販売手数料ゼロ)や信託報酬1%以下の投資信託がほとんどです。
6.3.2.アクティブファンド
アクティブファンドは、市場全体の動きを示す指数を上回るパフォーマンスを目指して運用される投資信託です。ファンドマネージャーが組み入れる銘柄を調査するコストがかかるので、信託報酬は1%を超えるものがほとんどです。
指数を継続的に上回る投資信託があればいいのですが、長期的に見ると、コストの差でアクティブファンドはインデックスファンドよりパフォーマンスが劣る傾向があります。
その年で高いパフォーマンスが出せるアクティブファンドを予想し、毎年上手く乗り換えられればいいのですが、プロでも難しいです。そのため、初心者はインデックスファンドが断然おすすめです。
6.4.3.バランス型
バランス型は、株式・債券・不動産(REIT)など、複数の資産に国内外問わずバランス良く投資する投資信託です。次の図は、資産別の年次リターンを高い順に並べたものです。
※クリックすると拡大します
出所:モーニングスター「世界の株価指数」
ご覧のように、その年でどの資産が上位になるかはバラバラです。バランス型は、次に何の資産が上昇するか予想できないという前提のもと、どの資産が値上がりしてもいいように、次の円グラフのように幅広く世界の資産に投資する投資信託です。

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)の商品の配分比率
なお、バランス型の信託報酬はインデックスファンドよりは若干高く、0.5~1.0%が多いです。しかし、相場が上昇しても下落しても、常に市場のど真ん中のパフォーマンスが狙えるので、他のファンドと比べて上下の変動も小さく、初心者でも安心して運用できます。
《リバランスについて》
リバランスとは、複数のインデックスファンドを組み合わせてポートフォリオを作り、値上がりや値下がりによって、当初の配分比率から大幅に崩れた時に、元の比率に戻すように調整することです。年に1回は手動で実施することを勧めている本やサイトが多いのですが、バランス型なら自動でリバランスをしてくれるので、全く手間がかかりません。
6.4.成長が期待できる国の株式型を選ぶ
iDeCoでは、低コストのインデックスファンドやバランス型を選ぶことがセオリーだとお伝えしました。
しかし、指数が横ばいもしくは右肩下がりになることが予想されるファンドを選んでしまうと、いくら積立投資でも利益をあげることは難しいです。
そのため、人口が増えると共にGDP(国内総生産)が増えて経済成長が期待できる国に投資する、次のようなタイプの中から選ぶことをおすすめします。
- 全世界株式:アメリカを中心とした世界中の株式
- 米国S&P500株式:アメリカのみ
- 先進国株式:アメリカや日本、イギリスなど、経済が大きく発展している国
債券ではなく株式を選んだのは、iDeCoは60歳まで解約できず、10年や20年といった長期の運用が前提になるので、リスクを取って積極的に値上がり益を狙って年金資産を最大化すべきという私の考えからです。
iDeCoは、仕組み的に「長期・積立・分散」でリスクを抑えて安定的に運用できる方法なので、もし途中で暴落が起きても、その目減りを取り返せる時間も確保できる可能性は高いです。
さらに私は、50歳までは株式型1本でいいと思っています。「30代のおすすめポートフォリオ」といって、どの資産に何%ずつ配分するかのモデルがよく示されますが、正解がない上、人によってどれくらいリスクが取れるか異なり、最初から最適な配分比率を決めるのは難しいです。
全世界株式1本でも、国や地域は分散されています。また、S&P500株式1本でも、GAFA(ガーファ)と呼ばれる、グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルをはじめとした米国の有名な企業に分散投資できます。
ただし、50歳を過ぎたあたりからは、安全資産とされている債券を組み入れ、例えば「株式型:債券型=50:50」のポートフォリオになるようにして、受け取る時に目減りするリスクを抑える対策も必要になっていきます。
7.おすすめの金融機関と参考商品
以上の内容を踏まえて、iDeCoを始めるのにおすすめの金融機関と、参考商品を紹介します(念のため、元本保証も載せています)。
iDeCoを利用できる金融機関は、証券会社、銀行、信用金庫、保険会社など、200社以上あります。複数の口座でiDeCo口座を開設することはできない上、買える商品やコスト、サポートが異なるので、長期的なお付き合いができる金融機関を選ぶ必要があります。
手数料の安さや商品の数だけでなく、利便性も考えて選んでいるので、ぜひ参考にして下さい。
7.1.SBI証券:低コストのeMAXIS Slimシリーズがある
- 加入時の運営管理手数料:なし
- 運用期間中の口座管理料:なし
- 移換時の手数料:4,400円
- 商品ラインナップ数:37本(セレクトプラン)
●SBI証券のiDeCo参考商品
タイプ | ファンド名と運用会社 | ベンチ マーク | 信託 報酬 | 純資産 残高 |
全世界 株式 | SBI・全世界株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま) SBIアセットマネジメント | FTSE グローバル | 0.1102% | 73 億円 |
米国 株式 | eMAXIS Slim米国株式(S&P500) 三菱UFJ国際投信 | S&P500 指数 | 0.0968% 以内 | 1,101 億円 |
先進国 株式 | eMAXIS Slim先進国株式インデックス 三菱UFJ国際投信 | MSCI コクサイ | 0.1023% 以内 | 1,059 億円 |
バラン ス型 | eMAXIS Slimバランス型(8資産均等型) 三菱UFJ国際投信 | ー | 0.154% 以内 | 546 億円 |
元本 保証 | あおぞらDC定期(1年) あおぞら銀行 | ー | 保証利率 0.02% | ー |
※セレクトプランの信託報酬は目論見書と異なり、安くなっています。
※純資産残高は、2020年6月時点
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iDeCoを始めるなら、SBI証券が最もおすすめです。私も実際に、iDeCoはSBI証券のセレクトプランで「SBI・全世界株式インデックス・ファンド(雪だるま)」1本で運用しています。
このSBI証券のiDeCoのサービスには、「セレクトプラン」と「オリジナルプラン」の2つがあり、違いは、次のようになっています。
私がセレクトプランを選択した理由は、三菱UFJ国際投信の「eMAXIS Slim(イーマクシス スリム)」シリーズを扱っているからです。
この投資信託は、「業界最低水準の運用コストを将来にわたって目指し続けるファンド」であることをコンセプトにしており、他社が信託報酬を引き下げたら追随してくれるので、「迷ったらこれを買っておけば大丈夫」という安心感で大人気です。
実際、投信ブロガーが選ぶ「Fund of the Year 2019」というイベントでは、上位5ファンド中、なんどeMAXIS Slimシリーズが4つを占めました。
このように、SBI証券のセレクトプランを選んでおけば、信託報酬が安いeMAXIS Slimシリーズで自分に合ったポートフォリオが低コストで組めるので、資金効率が抜群です。
>> SBI証券のホームページを見る <<
7.2.楽天証券:使いやすさ抜群の2大ネット証券の1つ
- 加入時の運営管理手数料:なし
- 運用期間中の口座管理料:なし
- 移換時の手数料:4,400円
- 商品ラインナップ数:32本
●楽天証券のiDeCo参考商品
タイプ | ファンド名と運用会社 | ベンチ マーク | 信託 報酬 | 純資産 残高 |
全世界 株式 | 楽天・全世界株式インデックス・ファンド 楽天投信投資顧問 | FTSE グローバル | 0.212% | 418 億円 |
米国 株式 | 楽天・全米株式インデックス・ファンド 楽天投信投資顧問 | CRSP USトータル | 0.0968% 以内 | 1,091 億円 |
先進国 株式 | たわらノーロード先進国株式 アセットマネジメントOne | MSCI コクサイ | 0.10989% | 558 億円 |
バラン ス型 | セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド セゾン投信 | ー | 0.59% | 2,060 億円 |
元本 保証 | みずほDC定期預金(1年) みずほ銀行 | ー | 適用金利 0.02% | ー |
※楽天証券で扱っているiDeCo商品一覧はこちら(公式)
※純資産残高は、2020年6月時点
楽天証券は、SBI証券と並んで2大ネット証券といわれており、サービス内容も口座数も競い合っています。そのため、資産運用を始めるなら、どちらかを選んでおけば間違いありません。
ただし、楽天証券のつみたてNISAを楽天カード決済ですると、楽天スーパーポイントがお得に貯まるので、私はつみたてNISAでは楽天証券を使っています。
>> 楽天証券のホームページを見る<<
7.3.イオン銀行:買い物ついでに相談や手続きができる
- 加入時の運営管理手数料:なし
- 運用期間中の口座管理料:なし
- 移換時の手数料:無料
- 商品ラインナップ数:24本
●イオン銀行のiDeCo参考商品
タイプ | ファンド名と運用会社 | ベンチ マーク | 信託 報酬 | 純資産 残高 |
先進国 株式 | たわらノーロード先進国株式 アセットマネジメントOne | MSCI コクサイ | 0.10989% | 558 億円 |
バラン ス型 | たわらノーロード バランス(8資産均等型) アセットマネジメントOne | ー | 0.154% | 89 億円 |
元本 保証 | イオン銀行iDeCo定期預金 5年 みずほ銀行 | ー | 年利 0.05% | ー |
※イオン銀行の店舗の検索はこちら(公式)
※イオン銀行で扱っているiDeCo商品一覧はこちら(公式)
※純資産残高は、2020年6月時点
iDeCoを始めるなら、SBI証券(セレクトプラン)か楽天証券のどちらかを選んでおけば間違いありません。
しかし、「ネットで色々手続きをするのは面倒」「対面で相談したい」という方は、全国のイオンモールで土日祝日問わず直接相談できて、書類の記入も一緒にできるイオン銀行(来店予約が必要)がおすすめです。
商品数はやや少なくなりますが、「たわらノーロード バランス(8資産均等型)」1本を選べば充分だと思っています。
>> イオン銀行のホームページを見る<<
7.4.ゆうちょ銀行:街中で気軽に相談や手続きができる
- 加入時の運営管理手数料:なし
- 運用期間中の口座管理料:月260円
- 移換時の手数料:なし
- 商品ラインナップ数:34本
●ゆうちょ銀行のiDeCo参考商品
タイプ | ファンド名と運用会社 | ベンチ マーク | 信託 報酬 | 純資産 残高 |
先進国 株式 | DC外国株式インデックスファンドL 三井住友トラスト・アセットマネジメント | MSCI コクサイ | 0.275% | 654 億円 |
バラン ス型 | セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド セゾン投信 | ー | 0.59% | 2,060 億円 |
元本 保証 | 期間によって8種類 | ー | 0.001~ 0.032% | ー |
※郵便局でiDeCoの相談ができる店舗の検索はこちら(公式)
※ゆうちょ銀行で扱っているiDeCo商品一覧はこちら(公式)
※純資産残高は、2020年6月時点
ちょっと大きめの郵便局に入っているゆうちょ銀行でも、iDeCoの相談や手続きができます。全国に約1,800局の投資信託の取扱窓口があるので、街中で気軽にiDeCoが始められます。
元本保証の定期預金が多いのが特徴ですが、50歳以下であれば、「DC外国株式インデックスファンドL」か「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」を選んで積極的に値上がり益を狙うことをおすすめします。
>> ゆうちょ銀行のホームページを見る<<
なお、iDeCoを扱っているその他の金融機関や手数料、商品を知りたいという方は、モーニングスターの「金融機関比較ガイド」が便利です。
《引き落し日について》
iDeCoの掛け金の支払いは、口座引き落としのみです。引き落し日は、どの金融機関でも毎月26日と決まっています(26日が休業日の場合は翌営業日)。引き落し日に残高不足だと、その月の掛け金は拠出されません。その場合、罰則はありませんが、後から払い込むことができない上、節税効果が減ってしまため、口座残高には注意しましょう。
8.よくある質問
最後に、iDeCoでよくある質問を、私が実際に受けた質問を交えて紹介します。
Q1.どんな場合に途中解約できるの?
原則として、iDeCoは60歳にならないと受け取れません(10年以上の加入が条件)。しかし、障害者になった場合は、60歳前でも積み立てたお金を障害給付金として引き出すことができます。
Q2.掛け金の変更はできるの?
掛け金の変更は、年に1回できます。また、金銭的に最低拠出額の5,000円も払えない状態になった場合は、新たな拠出を止めて、それまで積み立てたお金の運用に専念することもできます(引き出しは不可)。
Q3.一括で支払うこともできるの?
掛け金は「月払い」が基本ですが、「半月払い」や「年払い」もできるので、ボーナス月などに多く拠出することもできます。
ただし、その場合、ドルコスト平均法の効果が薄れ、まとめて購入した時の価格のウェイトが高くなるので、個人的にはおすすめしません。
Q4.金融機関の変更はできるの?
金融機関の変更はできます。ただし、手続きに1~2カ月かかる上、積み立てた商品をいったん売却して現金化する必要があります。また、変更手続き中は新たな拠出ができません。そのため、iDeCoを始める時は、長くお付き合いができる金融機関をよく考えて選びましょう。
Q5.60歳より前に死亡したらどうなるの?
加入者が亡くなった場合は、それまで積み立ててきた資産が死亡一時金として遺族に支払われます。その場合、加入者が亡くなってから5年以内に遺族が手続きをする必要があります。
Q6.転職したらどうなるの?
転職先に企業型確定拠出年金があれば、これまでiDeCoで積み立ててきた資産を企業型に移管できます。なお、転職先に企業型があっても、規約で認めている場合は、そのままiDeCoを継続することも可能です。
また、転職先に企業型確定拠出年金がなければ、そのままiDeCoを継続できます。
Q7.会社で何か手続きは必要?
iDeCoを始める際、会社に「事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書」という書類を提出して、印鑑を押してもらう必要があります。この書類には、企業年金の有無を証明する意味合いがあります。
Q8.50歳から始めるのは遅い?
50歳以上の方であっても、iDeCoの掛け金が全額所得控除になる節税効果は大きいので、始めるメリットは充分あると思っています。ただし、その場合、株式を100%にするのではなく、債券も50%組み入れるなどして、目減りするリスクを抑えることをおすすめします。
Q9.受給しようとした時に暴落したらどうするの?
受け取るタイミングを遅らせて、70歳までに相場が回復して利益になったタイミングで売却して利益を確保する方法が考えられます。このように、iDeCoは60歳以降は新たに掛け金を拠出することはできませんが、今まで積み立てた資産の運用の指示は70歳まで可能です。
Q10.ふるさと納税と併用できるの?
iDeCoとふるさと納税は併用できます。ただし、iDeCoをやっている場合、ふるさと納税の寄附額の上限が下がるので、「ふるさと納税シミュレーション」で確認してみましょう。このことは意外と知られていないので、注意が必要です。
Q11.つみたてNISAとどちらを優先したらいいの?
その人の家計状況や今後のライフプランによって違ってきますが、できれば、節税メリットが大きいiDeCoから始めることをおすすめします。そして、金銭的に余裕が出てきたら、つみたてNISAの併用も考えましょう。
まとめ
この記事では、iDeCoの基本から節税効果、商品を選ぶポイント、おすすめの金融機関と参考商品、法改正情報まで網羅的にお伝えしました。
私は、国が合法的な節税を認めているiDeCoという素晴らしい仕組みをもっと多くの方に利用していただき、老後のお金の不安を少しでも解消してほしいと本気で願っています。
そのため、まずは詳しい人に聞いて始められるように、主流のネット証券だけでなく、あえてイオン銀行やゆうちょ銀行などの対面の金融機関も紹介しました。
使える制度はフル活用して、少しでも税金を取り戻し、豊かな老後に備えましょう。
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