窓開け・窓埋めとは|効果的な活用方法と注意点

「窓開け」とは、隣り合うローソク足の間に、窓のようにぽっかり穴が開いてしまうことです。一方、「窓埋め」とは、窓開けによって空いた窓が、その後、相場が戻って閉じることです。

これらは、多くのFXトレーダーが狙っている値動きの特徴なので、窓を開けた時に戦略を立てることは、トレードをする上で避けては通れません。

相場において窓開けは有名で、窓開けしたら必ず埋まるという安易な考えから、「窓埋め理論」というものまであります。

結論から言うと、窓埋め理論を鵜呑みにすると、最終的に待っているのは、大損です。

窓開けは、安易な窓埋め理論に使うのではなく、強烈なサポートラインやレジスタンスラインとして機能します。重要なことなので、もう一度言います。

窓 = 強烈なサポートライン/レジスタンスライン

これさえ押さえておけば、窓開けが発生した時は、大きなチャンスとなります。とても分かりやすい動きをするので、何度か実践して利益を得ると、次回の窓開けが楽しみになるほどです。

窓開けは、それぐらい重要な知識なので、このページでしっかりと吸収して下さいね。

執筆者
ぶせな

ぶせな

FXの専業トレーダー。認定テクニカルアナリスト。 本格的にFXを開始してから10年で1億6,500万円の利益を突破。著書に、『最強のFX 1分足スキャルピング』『最強のFX 15分足デイトレード』(共に、日本実業出版社)がある。ツイッターアカウントは、『@busena_fx』。

1.窓開けとは

早速ですが、下のチャートをご覧下さい。

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矢印の部分で、ローソク足の間に、不自然に大きな空間ができていることが分かりますね。これが、窓開けです。FXでは、窓開けは、週末に為替市場がクローズした時の終値と、翌週にオープンした時の始値に価格差がある時に発生します。

窓開けができる理由は、為替市場がクローズしている土日の間に、相場を大きく動かすような好材料・悪材料があって、週明けのオープンと同時に、売買が急増することにあります。

1.1.窓は強いサポート/レジスタンスラインになる

結論からお伝えすると、窓は強いサポートライン/レジスタンスラインになります。これを知っておくと、その週の戦略を立てやすくなります。

逆に、窓を確認しないままトレードを行ってしまうと、その週はトレードが上手くいかない可能性が高くなります。なぜなら、窓が、節目(=多くのトレーダーに意識されるポイント)になっていることを見落としているからです。

チャートに窓ができたら、その価格帯が相場の転換点になることを強く意識して下さい。特に、FXの場合は、市場がオープンする月曜日の日本時間早朝から、クローズする土曜日早朝までの1週間を区切りとして、相場が形成されます。

つまり、窓開けがあると、その週にどのような戦略を取るべきかの目安になるということです。

重要!
窓は、強烈なサポートラインまたはレジスタンスラインになる。サポートラインとレジスタンスラインについては、『サポートラインとレジスタンスラインで相場の反転を見抜くコツ』で確認しておきましょう。

1.2.窓開けには二種類ある

なお、窓開けには、次の2種類があります。

  • ギャップアップ
  • ギャップダウン

それぞれ、具体的に見ていくことで、より深い理解につながるので説明しますね。

1.2.1.ギャップアップ

ギャップアップは、窓開けの中で、直前のローソク足よりも高い価格で次のローソク足が始まることを言います。

下のチャートでご確認下さい。

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これは、ある日のドル円の4時間足です。ギャップアップは、市場のオープンと同時に現れました。ちなみに、この時のギャップアップの原因は、米国市場の材料によるものでした。

週末に市場がクローズして、オープンするまでの間に材料が発生して買いが急増し、70pipsほどのギャップアップが発生したのです。

1.2.2.ギャップダウン

ギャップダウンは、ギャップアップの反対です。窓開けの中で、直前のローソク足よりも安い価格で次のローソク足が始まることを言います。

これも、下のチャートでご確認下さい。

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これは、ポンドドルの4時間足です。ギャップダウンは、週明けの市場のオープンと同時に現れました。ちなみに、この時のギャップダウンは、欧州によるイベントリスクによるものでした。

実は、このイベントリスクによってギャップダウンする前に、すでにポンドドルは大暴落しました。それが、ギャップダウン直前の大陰線です。

2.窓埋めとは

さて、窓開けが発生すると、今度は、窓埋めするかどうか注目されます。そのため、窓空けと窓埋めはセットで覚えておきましょう。早速、下のチャートをご覧下さい。

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これは、ユーロドルの15分足です。

市場がギャップアップでスタートし、その後、価格は上昇しています。しかし、15時間後には、ギャップアップした価格と同じ位置まで戻ってきました。このように、開いた窓を閉めるように、価格が窓開けの起点となった水準まで戻ることを、“窓埋め”といいます。

窓開けが発生すると、その窓は埋まるケースがとても多いです。そのため、トレードをする時には、窓開けがあれば窓埋めを意識しておくことは有用です。

しかし、これまでに少し触れましたが、注意点があります。

  • 窓は必ずしも埋まるとは限らないということ
  • いずれにせよ根拠のないトレードで勝てるほど甘くないということ

この2点について、詳しくお伝えします。

2.1.窓は必ずしも埋まるとは限らない

「開けた窓は、その後、埋まる」という窓埋め信仰は、FXの世界で根強いものがあります。そのため、窓埋め専門のFXトレーダーもいるぐらいです。何を隠そう、トレードを始めたばかりの頃の私も、一時期、窓埋め理論に強く惹かれ、「必ず埋まる」と思い込み、飛びついていました。

しかし、結果は散々なものでした…。

窓が埋まるケースもあれば、埋まらないケースもあり、「窓は必ず埋まる」という根拠のない迷信を前提としたトレードで勝てるほど、FXの世界は甘くないということ痛感しました。

例えば、下のチャートをご覧下さい。

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これは、ポンド円の15分足です。

マーケットオープンと同時にギャップダウンが発生し、その週の相場がスタートしました。そして、ここを起点として下降トレンドが発生しています。チャートを左から見てみると、上昇・横ばい・下降の順番で、相場が推移していることが分かりますね。

ギャップダウンで開いた窓は、埋まることなく下げ続けています。この時、相場は下降トレンドなので、窓埋め理論を当てにして買い注文をすると、大損していたことが分かりますね。

2.2.根拠のないトレードで勝てるほど甘くない

そもそも、窓埋め理論は、現在の相場と逆向きに張る“逆張り理論”です。

ギャップアップするということは、買い圧力(=上昇圧力)が強い証拠です。そこで売りポジションを持つということは、その買い圧力に逆らっているということです。

一方、ギャップダウンは、売り圧力(=下降圧力)が強い証拠です。そこで買いポジションを持つのは、売り圧力に逆らっています。

FXで勝つためには、トレンドの流れに乗ることが鉄則です。

トレンドの流れに逆らう逆張り理論は、窓埋めに限らず、上手くいくものではありません。特に、上記のように、横ばいの後に売り注文が急増して、価格を大きく下げているのですから、レンジ相場をブレイクして下降トレンドが発生する可能性を第一に想定すべきです。

また、仮に開いた窓が必ず埋まるにしても、それが1週間も先になったとしたら、ポジションを持っている間の恐怖は甚大で、とても耐えられるものではありません。窓開けが発生するまでの相場の流れを理解して、適切な戦略を立てるからこそ、トレードで勝つことができるのです。

ただ、注意してほしいのは、安易な窓埋め理論が使えないからといって、ギャップアップやギャップダウンを軽視してはいけません。窓空けは、やはり非常に重要なテクニカル指標です。

なぜなら、冒頭でもお伝えした通り、窓開けの価格帯は、その後、高い頻度で、サポート(支持体)やレジスタンス(抵抗帯)になるからです。

次から、この点について詳しくお伝えしていきましょう。

注意:レンジからのブレイクについて
レンジからのブレイクについては、『三角持ち合いとは|見方とトレード戦略』をお読みいただくと理解が深まります。

3.窓は強力なサポートまたはレジスタンスになる

窓開けができた価格帯は、将来的にサポート(支持帯)、またはレジスタンス(抵抗帯)になります。実は、窓開けの本当の有効性は、窓埋め理論ではなく、この点にあります。

具体的に見ていきましょう。

3.1.窓の価格帯がレジスタンスとなりブレイクしたケース

早速、下のチャートをご覧下さい。ギャップダウンができた時の日足チャートです。

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ご覧のように、ギャップダウンした価格帯がレジスタンスラインになり、8日後の、大陽線Aの時点で上にブレイクしています。

Aでブレイクしているということは、ギャップダウンした価格帯がレジスタンスラインとなっていたことを意味します。もし、窓開けした価格帯が意識されていないとすれば、Aのローソク足が、ここまで長くなることは考えにくいのです。

なぜなら、ブレイクは、通常、サポートライン(支持帯)またはレジスタンスライン(抵抗帯)で、何度も反転を繰り返した末に、そのラインを突き抜けることで起こるからです。

つまり、ブレイクが起きるには、必ずサポートラインかレジスタンスラインが存在するのです。

3.2.窓開けがサポートになりブレイクしたケース

次に、先ほどと反対のケースを説明します。下のチャートをご覧下さい。

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これは、ポンド円の15分足です。

週明けマーケットオープンの時に、ギャップアップしています。そこから相場が上昇した後、何度も上下動を繰り返して、窓を埋めそうになっていますね。しかし、その度にギャップアップの価格帯がサポートライン(支持帯)となって反発しています。

結局、この後、丸2日間、窓は開いたままの状態でした。

実は、これは注意して見ていれば予測することができます。実は、チャートの左端から右端までよく見てみると、相場は上昇トレンドになっているのです。

ご覧のように、ABと安値を切り上げていて、上昇トレンドが発生していました。

ギャップアップは、実は、上昇トレンドの最中に現れたものだと分かります。また、ギャップアップした価格帯に水平のサポートラインを引くと、上昇トレンドラインと重なるポイントであることが分かりますね。Cのポイントです。

もし、Cを下抜けると、上昇トレンドを突然終わらせるほど強い売り圧力が必要になります。しかし、いきなりトレンドが終了するとは考えにくため、Cで反発する可能性が高いと予測できます。

このように、窓開けした場合は、安易に埋まると判断せずに、それまでの流れを把握しておく必要があります。トレンドの方向へ窓を開けたのか、それともトレンドとは反対方向に開けたのかをチェックするようにしましょう。

まとめ:窓開けは売買の偏りによるトレードチャンス

結論として、窓開けは、しっかりとした分析をもとに根拠をもってトレードをする人にとっては、非常に重要度の高いチャンスです。

ただし、安易な窓埋め理論に走る人には、手痛い大損を経験する可能性のある罠になります。そのため、安易な窓埋め理論には絶対に走らないようにしましょう。窓が開いたら、冷静になって、窓開けができた理由を考えてみましょう。

例えば、ギャップアップは、買い注文が急増することにより発生します。相場が開いている時であれば、買いが急増しても、注文自体は成立するため、窓を開けることなく、価格は上がっていきます。

しかし、土日は市場がクローズしているので、注文は成立しません。そのため、月曜日のオープンまで買い注文がどんどん溜まっていきます。そして、オープンと同時に、溜まっていた買い注文が溢れ出てくるのです。これが、週末の終値と週始めの始値が乖離する理由です。

ここで注目していただきたいのは、この時、ポジションを持ったトレーダーが急増しているということです。買いポジションを持ったトレーダーにとっては、ギャップアップの価格帯が損益ゼロ地点になります。そこから上昇すれば利益になりますし、下落すれば損失になります。

つまり、今後、ギャップアップの価格帯での、トレーダーどうしの売りと買いのせめぎ合いが激化するのです。これが、窓空けが、強烈なサポート(支持帯)または、レジスタンス(抵抗帯)となるメカニズムです。

このページでお見せした8つのチャートを、改めて振り返ってご覧下さい。

窓開けした価格帯が、節目(=多くのトレーダーに意識されるポイント)になって、その後の相場に影響を与えています。このことを知って、相場の流れを見極めることができれば、正しいトレード戦略を立てることができます。

窓開けの価格帯は、何度もサポート帯またはレジスタンス帯となるので、一度だけではなく何度も利益を得ることも可能になります。

このように、窓開けができた時の本当のセオリーを知っていれば、毎週、市場のオープンが楽しみになることでしょう。月曜日が楽しみになるなんて、サラリーマンにとっては、滅多にないことですよね。

このページでお伝えしたことをしっかり吸収して実践できれば、あなた自身の手で、そのような状況を作り出すことができます。

ぜひ、真剣に取り組んでみて下さい。

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