相場の波を徹底的に理解するためのエリオット波動理論の全て【最新版】

トレードで稼ぎたい!

FXをやったことがある方なら、誰でも考えることです。しかし、チャートを見ても、どこでトレードしていいのか、全く分からないという方は多いのではないでしょうか。

そのため、ルールを作れず、目先の利益を求めてなんとなくトレードしているのではないでしょうか。

これでは、時間ばかりが過ぎていき、あなたが描いているような利益を出すことはできません。

実は、為替相場の変動は、ランダムであるように見えて、ある一定のリズムで動いています。

このリズムにはパターンがあり、エリオット波動といいます。エリオット波動は、テクニカル分析の中枢を占める理論で、エリオット波動のリズムを知らずして相場の予測をすることは不可能である、といっても過言ではありません。

もし、これまでにエリオット波動を知らないですトレードしていたのなら、この機会に知ることで、驚くほどトレードが上達する可能性があります。ぜひ参考にして下さい。

1.エリオット波動でデイトレードが勝てる

先にお伝えすると、エリオット波動を理解すると、デイトレードで勝てるようになります。

エリオット波動は、それ単体では、トレードルールにすることは難しいです。しかし、他のテクニカル分析を組み合わせると、ものすごい武器になります。

エリオット波動を少し応用するだけで、値幅やチャートパターンなどの他のテクニカル分析も派生して使いこなせるようになります。事実として、私は、デイトレード手法の基礎がエリオット波動です。

また、エリオット波動を理解することが、相場のリズムを知ることに繋がるので、他のテクニカル分析のスキルが大幅にアップします。リズムを知ることが、トレードで利益をあげるための全ての土台になるでしょう。

あなたがスキャルピングをやろうが、デイトレードスイングトレードをやろうが、このリズムを理解すれば適切な戦略を立てることができます。もし理解して使いこなせると、あなただけの最高の手法ができるかもしれません。その可能性を秘めています。

1.1.相場にはリズムがある

エリオット波動を考案したのは、アメリカ人のラルフ・ネルソン・エリオットという会計士です。彼は、病気を患って海を眺めて療養していたところ、波には引いては押し寄せるリズムがあることに気付き、次のように考えたそうです。

「経済に好景気と不景気があるように、相場にも良い時期、悪い時期がある。
それが上昇と下降のリズムになる。」

たしかに、相場にはリズムがあります。下図を見て下さい。

一方向へ進み続けることはなく、下げたら上げています。一見、ランダムに動いているように見えますが、全体としては高値と安値をきれいに切り下げていて、一連の下降トレンドを醸し出しています。

このように、トレンドが進むにしても、一定のリズムがあります。まずは、このリズムを知ることが、トレード戦略を立てる基礎になります。逆に、リズムを知ることで、エントリーからイグジットまでのルールを決めることができ、結果、期待値の高いトレードができるのです。

1.2.リズムはNの字を描く

そして、この下降トレンドを分解してみると、いくつもの上下動は、1つの上げ下げが繋がったものだと分かります。黄色のポイントを見て下さい。次のような流れです。

下げ→上げ→下げ

この流れ、アルファベットの「N」に見えますね。

トレンドは、必ずNの字を描き、この値動きを『N波動』と言います。下降トレンドは、いくつものN波動が連続してできています。N波動は、エリオット波動の最も基本になる捉え方で、非常に重要です。詳しくは後述します。

まず、相場はN波動が基本となる、と覚えて下さい。そして、エリオット波動の理解することが、デイトレードで勝つための土台になると認識して下さい。

2.エリオット波動でできること

これからエリオット波動について詳しく説明しますが、具体的に何ができるようになるのか、メリットとデメリットを見ていきます。

2.1.メリットとデメリット

《メリット》

  • どの時間軸でも分析可能
  • 相場の局面がわかる
  • 見方がシンプル
  • トレンドの方向性と転換点も予測できる
  • 先の展開を何パターンか予測できる 
  • 後付けではなくこの先を予測できる

《デメリット》

  • 理論であり客観的な根拠がない
  • 複数の見方ができる
  • エリオット波動自体はトレードルールにできない
  • 他のテクニカル指標と組み合わせる必要がある

2.2.一番の強みは局面が分かること

エリオット波動の強みは、なんといっても、局面の把握ができることです。局面とは、相場環境のことで、今がどんな状況にあるかということです。状況次第で、これからやるべきことが変わってきます。

例えば、レンジ相場だとしても、5分足と日足では、レンジの意味合いは大きく異なります。また、そのレンジが、上昇トレンドの小休止になるのか、それとも上昇トレンド終焉後のレンジかにより、その後の戦略は大きく異なります。

仮に、15分足で上昇トレンドが出始めた後の小休止だとしたら、その後のパターンを予測することができます。

つまり、エントリーからイグジットまでの戦略を、具体的に立てられることに他なりません。逆に、局面を把握できなければ、パターンを予測できないため、どのようにトレードしていいか分からないでしょう。

このように、トレンドのどの局面にあるのかを理解することは、非常に重要になります。エリオット波動は、この局面を把握することができるのです。

迷子になった時、まずは自分の居場所を知ることが何よりも大事ですよね。居場所が分かるから、どこにどうやっていけばいいか、決めることができます。トレードもそれと同じで、エリオット波動で、まず局面をしっかり把握することが重要です。

なお、エリオット波動はダウ理論の延長上にあるもの、という考え方もあります。他の理論も知ることで、エリオット波動の良さを引き出せるかもしれません。

ダウ理論を知らない方は、『ダウ理論とは|株価上昇の波をつかむための基礎知識』を参考にして下さい。株を例に説明していますが、FXにも同じことがい言えるので、読み替えて下さい。

3.エリオット波動は5つの上昇波と3つの下降波

トレンドは、ひとたび発生すると、往々にしてその流れが否定されるまで続きます。そして、トレンドが終わると、ある程度まで反転します。

例えば、上昇トレンドが出始めると、買い圧力を否定する材料が出ない限り、上昇を続けます。そして、買いが一服して上昇トレンドが終了すると、利食い売りや新規の売りが多くなり、下げるというわけです。これが、一連の上昇トレンドになります。

エリオット波動は、この一連の上昇トレンドを、次のように捉えます。

相場は「5つの上昇波」と「3つの下降波」の「合計8つの波」
を1つの周期として形成される』

ちなみに、下降トレンドの場合は、5つの下降波と3つの上昇波になります。

下図をご覧頂くと、イメージしやすいでしょう。

上昇トレンドのスタートから終焉まで、5つの波に分かれます。

5つの上昇波は、それぞれ次のように考えて下さい。

第1波:上げ始め(推進波)

第2波:押し目(調整波)

第3波:上昇トレンド回帰(推進波)

第4波:押し目(調整波)

第5波:最後の上昇(推進波)

上昇トレンドは、一方向に上げ続けることはなく、押し目をつけて上げます。その押し目が2回ということです。なお、トレンド方向へ進む波(第1波・第3波・第5波)を推進波、押し目をつけるための下げ(第2波・第4波)を調整波といいます。

下降3波は、上昇が終了した後の下げです。

実際の相場では、下降第1波から第2波にかけて、まだ上昇トレンドの最中である可能性もあります。そのため、上昇トレンドの終了は、下降第3波が出てから確認できます。

このように、トレンドには上下動があり、上昇5波と下降3波を描く。それがエリオット波動である、とお考え下さい。

4.エリオット波動の使い方のコツ

エリオット波動は、上述のように「5つの上昇波と3つの下降波の8つの波」があります。

その他にも、次のような定義があります。

  • 第2波は第1波の安値を下回らない
  • 第3波が最も値幅が出ることが多い
  • 第2波と第4波の形は異なる
  • 8つの波の中に34の小波がある・・・

とても難解ですね。エリオット波動は、突き詰めて調べていくと、非常に細かい定義がいくつもあります。

しかし、トレードで利益を上げるために全て覚える必要はありません。

上述した、5つの上昇波と3つの下降波の8つの波であることだと認識していれば、問題ないでしょう。あなたにとって重要なのは、エリオット波動の理論を研究することではありませんね。

理論に精通することが、FXで勝てることにはなりません。実践で必要なことだけ覚えれば良いので、安心して下さい。

エリオット波動で利益を上げるために、私が実践していることは、以下の3つです。

1. エリオット波動(=相場のN字)を全てのトレードの基盤にする

2. フィボナッチでより正確にエリオット波動を捉える

3. 他のテクニカル分析を組み合わせる

この3つが、トレードで勝てるようになるための最大のポイントです。

上述したように、エリオット波動の強みは、なんといっても、相場の局面が分かることです。局面を把握しつつ、この3つにフォーカスすることで、エントリーポイントまで絞り込めるようになります。

4.1.エリオット波動の真髄は「相場のN字の動き」にある

それでは、FXで勝つためにエリオット波動をどのように活用すれば良いのでしょうか?

答えは非常に簡単です。「エリオット波動を全てのテクニカル分析の基盤にする」ことです。

なぜでしょうか?

FX相場は常に上下動を繰り返し、ジグザグにNの字で動きながら、トレンドを形成します。そして、エリオット波動ができると、トレンドが終了します。その逆で、トレンドが終了すると、エリオット波動ができている、という解釈もできますね。

トレードの局面が分かると、他のテクニカル分析の確度が急激に上がります。

そして、エリオット波動を分解すると、1つのN波動になります。N波動の集合体が、エリオット波動と言っていいでしょう。つまり、小さなN波動をとらえることが、エリオット波動に認識に繋がり、それが局面の把握になるということです。そのため、N波動が重要になってきます。

N波動は、テクニカル分析というよりも、理論です。

この理論をベースに、テクニカル分析を行うと、テクニカル分析の確度が上がります。どんなテクニカル指標を使おうが、N波動にならなければ、局面の把握はできません。N波動を把握した上で、他のテクニカル指標を使うことで、予測が可能になってきます。

つまり、「相場はN字で動く」というN波動を、相場の原理原則とし、全てのトレードの軸にするということです。

下図を見て下さい。

2つのN波動が繋がり、エリオット波動が形成されています。

Aのポイントまで、下降5波がでていますね。N波動が繋がってエリオット波動になる、という認識があれば、Aまでの予測が立てられるようになります。あとは、エントリーポイントを絞るために、他のテクニカル分析を組み合わせるのです。

N波動、ならびにエリオット波動を意識すると、流れに沿った下降トレンドラインを引くことができるようになります。さらに、トレンドラインを応用したチャネルライン(上図では3本の青色ライン)も引けるようになり、値幅計算も自然にできます(値幅計算は後述します)。

このように、他のテクニカル分析をちょっと組み合わせるだけでも、エントリーからイグジットの大きなヒントを得ることができます。

なお、トレンドラインとチャネルラインの引き方や使い方は、次の記事を参考にして下さい。

「相場はN字で動く」は全てのトレーダーが押さえておくべき相場の原理!

これを原理原則とし、チャート分析をしてみて下さい。

なお、「相場は常にN字を描きながら動く」という値動きは、トレンドとレンジを理解していることが前提になります。『トレンド相場の3つのパターンと2つのルール』で詳しく解説しているので、相場の見方の理解が不十分だと感じられる方は、先に、そちらをご覧下さい。

4.2.フィボナッチでエリオット波動(=相場のN字)を正確に捉えられる

フィボナッチ比率は、「黄金比」「黄金分割」といわれ、人間が安心感を持ち、心地よいと感じる比率のことです。

ピラミッドの高さと底辺の比、パルテノン神殿の高さと幅の比などの歴史的建造物もフィボナッチ比率です。身の回りでは、たばこの箱や書籍の長方形にも使われています。確かに、書籍は縦と横がちょうどよい長さですね。

エリオット波動の大前提は、「相場はN字で動く」です。

このN字を認識することで、初めて相場の大局(トレンドかレンジか)を正確に判断できるようになることは上述しました。ただし、1つ問題があります。それは、どこで反転するのか、どこが天井や底になってトレンド回帰するのかが分からないということです。

この問題を解決してくれるのが、フィボナッチ比率です。

黄金比を相場に当てはめると、N波動を形成する時も、程よい所で押し目からトレンド回帰するポイントが、黄金比になりやすいというわけです。チャートは人間が売買することにより形成されるので、高値と安値の切り上げ、切り下げ方も、心地よいと感じる価格帯で動き出すからです。

フィボナッチは、まさにどのポイントで相場が反転するのかの指標なので、エリオット波動と切っても切り離すことができません。そして、トレードで重要になるフィボナッチ比率は、次の4つです。

  • 23.6%
  • 38.2%
  • 50.0%
  • 61.8%

下図を見て下さい。

簡単に言うと、第2波から第3波の値幅の38.2%にあたる、第4波が押し目の底になる、ということです。

エリオット波動とフィボナッチ比率は、どちらもはるか昔から続く市場の経験則を基に作られた理論です。それだけに相性も抜群です。エリオット波動(=相場のN字)を使いこなすということは、フィボナッチを使いこなすということを意味します。

これだけでもモノにすれば、あなたのトレード成績は大きく向上します。

《フィボナッチについて》
23.6%や38.2%はどのような意味があるのかなど、フィボナッチ比率の数字ついては、『フィボナッチとは|相場の反転を見抜く使い方を徹底解説』で詳しく解説しています。
4つのフィボナッチ比率をどうトレードで生かすか、全て書きました。当ページと合わせて徹底的に理解して下さい。

5.六つの波動と10のパターン|エントリーに活用する

ここからは、エリオット波動の8つの波(5つの上昇波と3つの下降波)の中の、一つ一つの小波動、および小波動が形成するチャートパターンに着目します。

8つの波の中の一部になるとお考え下さい。エリオット波動が完成形だとすると、それを構成している一部分になります。

実際のトレードでは、完成形を予想しつつ、さらに一部分を予測してエントリーからイグジットまでの戦略を立てます。一部分を理解することで、勝てるトレードが可能になるということです。

そして、これから説明する小波動は、どちらかというと、エントリーするために覚える必要があります(イグジットについては次章で説明します)。

それでは、見てきましょう。

5.1.エリオット波動の一つ一つの波には6つのパターンがある

エリオット波動の構成要素は、N波動を含め、以下の6つの波動があります。

  1. I波動
  2. V波動
  3. Y波動(別名「逆ペナント」「ブロードニング」)
  4. P波動(別名「ペナント」「トライアングル」)
  5. N波動
  6. S波動(別名「ロールリバーサル」)

N波動は、すでに説明しましたね。これらを図で示すと、以下のような値動きになります。

相場の値動きは、全てこれらで説明できるほど特徴を捉えています。このような仕組みを知ることで、相場に対する抵抗がなくなるのではないかと思います。

それでは、一つ一つ波動を見ていきましょう。ただ、この説明はサラッと流しても大丈夫です。それよりも、最後まで読み進めるのが重要です。

I波動とV波動

I波動は、上昇と下降を1本の直線で捉えたものです。V波動は、I波動が連続してV字を描いたものです。I波動が2本続いたらV波動になる、という関連性を認識しておくことが大事です。そして、このI波動とV波動が続くと、他の4つの波動が作られます。

Y波動(別名「逆ペナント」「ブロードニング」)

Y波動は、I波動とV波動が連続して続き、高値は切り上げながら、安値は切り下げながら形成される波動です。これは、単体で「逆ペナント」や「ブロードニング」といわれるチャートパターンでもあります。これは、トレンドの途中の小休止としてよく見られます。

P波動(別名「ペナント」「トライアングル」)

P波動は、Y波動の逆で、I波動とV波動が連続して続き、高値は切り下げながら、安値は切り上げながら、徐々に値幅が狭まっていくパターンです。これも、単体で「ペナント」や「トライアングル」と言われるチャートパターンです。

例えば、上昇トレンドの途中のP波動は単なる小休止で、その後また上昇を始める(=トレンド回帰する)可能性が高くなります。

P波動は三角持ち合い

P波動は、三角持ち合いのことです。P波動は、トレンド回帰の傾向が高いのですが、上下どちらにも動く可能性を想定した上で、しっかりと判断する必要があります。『三角持ち合いとは|見方とトレード戦略』をご覧頂くと、「P波動の時はこうやって相場を見れば良いのか!」ということが分かります。

N波動

N波動も、I波動とV波動が連続した波動です。上昇/下降トレンドでは、相場はサポートラインやレジスタンスラインをブレイクしたり、押し目や戻し目をつけたりしながら、最終的には必ずN波動を描きます。全ての波動の基本となる形です。トレンドが出ているN波動の相場では、トレンドラインやチャネルラインが有効に機能します。

S波動(別名「ロールリバーサル」)

N波動が形成されるプロセスでは、サポートラインやレジスタンスラインを度々ブレイクします。一度ブレイクすると、サポート/レジスンタンスは役割を転換します。この役割転換があった場合の形を、S波動と言います。S波動では、サポートラインとレジスタンスラインが役割(=ロール)を転換(=リバース)するので、「ロールリバーサル」とも言われています。

《レジスタンスラインとサポートラインについて》

 

理解を深めたい方は『サポートライン/レジスタンスラインの正しい見方と使い方』で詳しく解説しておりますので、ご確認下さい。S波動の理解も進みます。

それぞれの波は関係しています。

まず、I波動が連続すると、V波動になります。V波動が連続すると、Y・P・N・S波動になります。そして、N波動が連続すると、エリオット波動が完成するというわけです。

実際のチャートで確認してみましょう。 

至る所に、小波動がありますね。

私は、いつもこのように波動やチャートパターンをイメージしながらチャートを見ています(詳細は後述)。そのため、どこで反転するか、ブレイクするのか、エントリーからイグジットまでのプロセスを描くことができるのです。

相場を分析する時に、「これはY波動だ」「あれはS波動だ」「 それはP波動だ」というように、自分の頭の中で分類しながら見られるようになれば、エントリーポイントを絞れるようになってきます。

5.2.波動の中のチャートパターンを見つければ8割勝てる

エリオット波動を形成する合計8波の中に、ここまでお伝えした6つの小波動が交互に出現することはお分り頂けたと思います。そして、この6つの小波動は、明確なチャートパターンを形成する時があります。

例えば、下図は、三角持ち合い(=トライアングル=P波動)というチャートパターンです。

そして、下図は、ヘッドアンドショルダーというチャートパターンです。

※どちらも詳しくは後述します。

このように、小波動が特定のチャートパターンを形成することが分かれば、エントリーポイントが絞れるようになってきます。

例えば、現在の相場が、エリオット波動の下降第4波の中にあることが分かりました。次に、今の相場はP波動だということが分かりました。そして、P波動の中でも「三角持ち合い」というチャートパターンになっていることが分かったとします。

つまり、今、あなたが取るべきトレード戦略は、三角持ち合い下方向へのブレイク戦略だということが分かります。この時、売りポジションを持つことで、非常に高い確率で、利益を手にすることができます。

このように、チャートパターンを見極めることができれば、その後のエントリーポイントが分かるということです。なお、三角持ち合いの詳しい解説は、『三角持ち合いとは?見方とトレード戦略』を復習して下さいね。

そして、6つの小波動の中に見られるチャートパターンは、以下の10個あります。

チャートパターン
  • トレンド回帰型

エリオット波動の第2波や第4波でよく見られる。トレンドの途中の小休止で、またトレンド回帰する場合が非常に多い。ただし、必ずトレンド方向へブレイクするわけではないので、チャート分析によってそれを予測することが重要

①トライアングル
②ブロードニング
③ペナント
④フラッグ
⑤ウェッジ
  • トレンド転換型

トレンドの天井や底(第3波や第5波)で現れる。これが出ると、非常に高い確率で現在のトレンドが終わり、反転する。

①ヘッドアンドショルダー
②ダブル
③ソーサー
④ライン
⑤スパイク

上5つはトレンド回帰型で、下5つはトレンド転換型のチャートパターンです。

注意してほしいのは、こうなりやすいというだけで、必ずそうなるものではない点です。トレンド回帰型といっても必ず回帰するわけではないですし、トレンド転換型も必ず転換するわけではありません。

また、チャートパターンの名前を覚えようとすると、億劫になると思います。そのため、チャートパターンの名前は、覚えていなくても大丈夫です。

実際は、この10個のパターンを個別に認識することは難しいので、なんとなく「今、もち合いを作っているな」という少しアバウト見方で良いでしょう。

そして、ラインを引いて、監視しながら「どちらにブレイクするのか」をイメージできれば良いでしょう。ラインを引いて、そのチャートパターンが完成するのを待つというイメージです。そして、もち合いをブレイクしたら、その後がトレードポイントになります。

5.2.1.トレンド回帰型の5つのチャートパターン

これらは、エリオット波動の第2波や第4波で出てくるチャートパターンで、トレンド回帰するための小休止を取っている状態です。

実際のトレードでは、これらのチャートパターンが完成する前に見つける必要があります。それには、コツがあります。「これはチャートパターンかな」と思ったら、以下の3つの観点で監視、分析するようにして下さい。

1. 高値同士・安値同士のラインを引く

2. 高値ライン・安値ラインが持ち合いの形になっていくかを監視する

3. チャートパターン名は意識不要。監視していると、チャートパターンになるかどうか分かるので、後はどちらにブレイクするか分析する。

これらを意識すれば間違いありません。言葉では難しく感じるかもしれませんが、以上の通りにラインを引いて、パターンが完成するかを監視することを徹底すれば、意外と簡単に見つかります。あとは、実践しながら慣れていきましょう。

①トライアングル

まずトライアングルです。これは、下図のように3種類あります。

いずれも、高値同士と安値同士のラインを引き、もち合いの形になっていますね。そして、価格が行き詰ると、持ち合いの先端でブレイクします。なお、三角持ち合いについては、『三角持ち合いとは?見方とトレード戦略』に書いている戦略を用いて、上下どちらにブレイクするのかを見極めれば良いです。

②ブロードニング

ブロードニングはY波動と同じで、高値切り上げ、安値切り下げです。相場ではよく現れる形ですが、最初はY波動を認識するのは難しいかもしれません。ただ、Y波動が出た後にトレンド方向が決まると、大きく動くことがあります。そのため、Y波動が出る時は、ボラティリティが高くなる傾向にあります。

③ペナント
④フラッグ
⑤ウェッジ

これらは、それぞれ以下のようなチャートパターンです。

ペナントとウェッジは非常に似ていますね。上述の通り、名前は気にしなくてよいので、もち合いの先端で上下どちらにブレイクするのか、監視していれば良いでしょう。フラッグは、もみ合いであると同時に、チャネルラインでもあります。引き方や見方など、『チャネルラインでトレンドの値幅を知り利益を伸ばすための知識と方法』でも説明しているので、お読み下さい。

5.2.2.トレンド転換型の5つのチャートパターン

次に、トレンド転換型の5つのチャートパターンです。

これらはトレンドの天井圏や底値圏で現れます。この5つに共通していることは、全てに「ネックライン」があることです。ネックラインは非常に強力なサポート/レジスタンスラインです。ネックラインは後述しますので、このまま読み進めて下さい。

①ヘッドアンドショルダー

ヘッドアンドショルダーは、下図のように、ヘッド部分とショルダー部分で構成されており、トレンドが終わる時に見られる非常に強力なチャートパターンです。

ヘッドアンドショルダーの見方とトレード戦略』で解説していますので、確認して下さい。リンク先ページでは、ネックラインについても解説しています。繰り返しになりますが、これは非常に強力なチャートパターンなので、稼ぎ逃しがないよう、しっかりと理解しておいて下さい。

なお、以下に続くダブルもソーサーも、考え方は同じで、肝はネックラインにあります。

②ダブルトップ・ダブルボトム

ダブルトップは、上昇トレンドの終わりを示唆するパターンです。下図のように、2つ目の山が高値を更新するかどうかによって3種類あります。真ん中の谷がネックライン(サポートライン)になり、それを下抜けるとダブルトップの完成です。

次に、ダブルボトムです。これが完成すると、下降トレンドの終わりを示唆します。

ダブルトップもダブルボトムも、原理はヘッドアンドショルダーと同じです。セットで覚えておくようにしましょう。トレードのポイントは、全てネックラインです。

《ダブルについての詳細》

 

ダブルには、山が3つになったトリプルトップやトリプルボトムの形もあります。『ダブルトップ・ダブルボトム・トリプルトップ・トリプルボトムとは』で確認しておきましょう。

③ソーサー
④ライン
⑤スパイク

これらも全て、相場の天井(上昇トレンドの終わり)または底(下降トレンドの終わり)を表すチャートパターンです。

繰り返しですが、この3つも含めて、トレンド転換型のチャートパターンは、全てネックラインが決め手になります。

ただし、トレンド転換型のチャートパターンだからといって、必ず転換するわけではありません。例えば、ヘッドアンドショルダーが形成されている過程で、ネックラインを下抜けずに反発し、さらに上昇トレンド回帰して高値を更新していくことも多々あります。

しかし、チャートパターンが形成されていることを認識することは、とても重要です。そうすることで、ネックラインの箇所が予め分かり、そこに価格が来るまで待つことができるからです。

そして、「ネックラインを抜けたらエントリーしよう」「チャートパターンが読めないので、しばらく様子見しよう」というように、色々なパターンを冷静に考えることができます。 

支持線/抵抗線と、何度も役割転換しているラインなので、見つけるのは難しくありません。サポート/レジスタンスラインを引くことを習慣にしていれば、「ここはネックラインになりそうだ」と分かります。

6.四つの値幅観測で到達を予測|イグジットに活用する

チャートパターンがエントリーポイントのヒントになるとしたら、値幅観測は、イグジットの目安になる分析方法です。

値幅観測とは、上昇トレンドであれば価格がどこまで上昇するか、もしくは、下降トレンドであれば価格がどこまで下落するのかを、値幅を使って予測することです。

「そんなことができるの?!」と思われるかもしれませんが、エリオット波動が作られる時に出る値幅を使うと、この予測を簡単に行うことができます。

6.1.値幅観測の実践

初心者の多くは、エントリーポイントを探すことに躍起になり、イグジットポイントまでしっかり決めてからトレードすることをしません。入口は決めても、出口まで戦略を立てないのです。そこまで頭が回らないのでしょう。そのため、イグジットで苦戦する方が多いです。

もし、値幅観測ができるようになれば、利益を確定するポイントが正確に分かるようになります。これで、入口から出口まで戦略を立てることができるので、一貫性のあるルールで淡々と利益を上げる、という状態に限りなく近づくことを意味します。

エントリーしてから右往左往し、冷静さを失うこともなくなるでしょう。

さて、エリオット波動には、次の4つの値幅観測方法があります。

①N計算
②NT計算
③V計算
④E計算

チャート上では、以下のように現れます。この図は重要なので、必ず覚えて下さい。ただ、計算方法を図で見ても分かりにくいと思います。この後チャートで解説しますので、考え込まずにそのまま読み進めて下さい。

ポイントは、

  • 全てN波動が基準となっている
  • 基準の値幅の2倍になっている

ということです。「上昇・下降・上昇」という3つの波の中で、どこを基準に計算するのか、という違いだけです。最初は混乱するかもしれませんが、何度か実践すると、すぐに身に付きます。

実際のチャートに当てはめると、次のようになります。4つのチャートがありますが、全て同じチャートを使っています。

①NT計算

②V計算

③N計算

④E計算

どこを観測の起点にするのかの違いはありますが、どの計算方法も、元の値幅の2倍まで伸びていることが分かります。

なお、値幅観測する方法は、チャネルラインを使います。チャネルラインを引き、そのチャネルラインを上に動かすことで、観測できます。まずは、チャネルラインが引けるチャートソフトを準備しましょう。ちなみに、私が使っているのは、MT4(メタトレーダー)です。

チャネルラインの引き方や値幅の取り方など、詳しくは『FXチャートのおすすめ|MT4でテクニカル分析を最大限に活かす方法』で説明しています。また、チャネルラインを使ったことがない方は、『チャネルラインの見方と効果的な活用方法』も合わせてお読み頂くと理解が進みます。

なお、エリオット波動の値幅観測は、チャネルラインの応用です。

6.2.コツは値幅が小さい計算方法から先に見ていくこと

さて、ここで注目して頂きたいのが、それぞれの計算方法での値幅の大きさです。

E計算が、一番値幅が大きいです。また、4つの値幅は、以下の順番で大きくなっていきます。

NT ≠ V < N < E

V計算よりもE計算のほうが値幅が大きく、達成までの時間も長いので、相場の達成感もより大きくなります。

ここで重要になってくるのが、値幅観測をしてそれが達成されてもトレンドが反転するわけではない、ということです。

例えば、上昇トレンドで値幅観測した後、一度押し目をつけて、さらに上方向にブレイクすることもあります。値幅を達成しても、全く押し目をつけずに、さらにスーッと上昇していくこともあります。

仮に、最も値幅が小さいV計算のみを見て、その値幅を達成したら逆張りばかりしていると、確実に勝てません。どの値幅計算を達成したのかは確実に分析できるようにして下さい。

そして、長い時間軸のチャートのトレンド方向と、他のテクニカル指標を組み合わせて、総合的に利益確定を判断しましょう。

いずれにせよ値幅が小さい計算方法から順に見ていくことがコツです。値幅観測を活用することで、イグジットに対する見方がかなり楽になるはずです。これで、エントリーからイグジットまで、トレードしてみたくなりますね。

7.エリオット波動の実践

期待値の高いトレードを行うためには、あなたがトレードを開始してチャートを表示した時、相場の大局とその中にある細かい流れを、具体的に説明できるようになることです。

そうすると、エントリーからイグジットまでのイメージが沸き、一貫性のあるトレードができるようになります。

実際のチャートで見ていきましょう。

その前に、これまで説明したことを思い出して下さい。箇条書きにしました。

  • エリオット波動を活用するとデイトレードで勝てる
  • 相場にはリズムがある
  • リズムはN波動である
  • エリオット波動の強みは局面が分かる
  • 5つの上昇波と3つの下降波の合計8波ある
  • フィボナッチ比率や他のテクニカル分析と組み合わせる
  • エリオット波動の構成は6つの波動である(I・V・P・Y・N・S)
  • チャートパターンは2種類ある(トレンド回帰型・転換型)
  • エントリーはチャートパターンを認識すると可能になる
  • イグジットは値幅観測を使う

それでは、以下のチャートをご覧下さい。

移動平均線を3本表示していますが、情報はローソク足だけですね(参考:「移動平均線で初心者が知っておくべき正しい見方と使い方の全て」)。ここから、エントリーからイグジットまでの戦略を立てていくことになります。

ただ、これを見ただけでは、どこでトレードできそうか分からないですね。下げ相場というのはわかりますが、エントリーポイントは読めません。

では、以下のチャートではどうでしょうか?

下降5波が発生し、エリオット波動が出ていると認識できます。チャートを開くと、エントリーポイントを探したくなりますが、このように大局を認識することが先です。

まず、高値と安値が一定のリズムで切り下げているので、チャネルラインを引きました。下降トレンドが、このチャネル幅で進んできたことが分かります。AからGまで、原理原則に従ってN波動で進んでいます。全てのトレードは、まず局面を把握することから始まります。

それから、どこでトレードできそうかを詰めていきます。このように、N波動が連続している時は、大きなトレードチャンスです。

では、この下降トレンドのエリオット波動を分解し、一つ一つの値動きを下図で見ていきます。

少し複雑に感じられるかもしれませんが、左から順番に一つ一つ見ていくと、大局の中の小さな局面が分かります。

まず、Y波動を下にブレイクして下降のN波動(青色の部分)が出ました。小さなエリオット波動といえますね。それからレンジ幅を形成し(白い部分)、下にブレイクしてS波動になった、という流れです(白丸のポイント)。

S波動の後は、値幅観測できます。この値幅はちょっと応用していますが、E計算です。そして最後に、底値圏でダブルボトムを形成して反転しましたね。

これくらい把握できるようになると、トレードポイントを絞り込めるようになります。この記事で説明した方法だけでも、流れをつかむことができますね。

しかし、これは完成された過去のチャートで、実際のトレードでは、チャートはまだ出来上がっていません。そのため、チャートパターンやN波動など、形成途中の段階で予測していく必要があります。これは、実践で練習を積んでいくしかありません。

ただ、現在進行形のリアルタイムチャートで毎日練習していれば、できるようになるので安心して下さい。

まとめ

エリオット波動は、それ単体では、トレードすることは難しいです。

しかし、エリオット波動を細分化し、構成要素まで遡って分解すると、局面を把握することができます。その上で、他のテクニカル分析を組み合わせると、ものすごい信頼度が上がります。

利益を上げるまでの流れは、次の3ステップです。

1. N字を発見する(=大局を把握する)

2. トレンドの中のチャートパターンを発見する(=エントリーする)

3. チャネルラインを引いて値幅観測する(=イグジットする) 

トレードはこれが全てです。常にこのステップで行い、相場の流れをしっかり把握してからトレードに臨んで下さい。これを前提に実践していけば、すぐに手応えを感じるはずです。

なお、デイトレードについてさらに詳しい説明は、次の記事をお読み下さい。FXで確実に利益を上げたいなら、必ず読むことをおすすめします。

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執筆者
ぶせな

ぶせな

専業トレーダー。認定テクニカルアナリスト。 本格的にFXを始めて10年で1億6,500万円の利益を突破。 自身のブログ『FX億トレーダーぶせなブログ』では、定期的にトレードの損益を公開中。著書に、『最強のFX 1分足スキャルピング』『最強のFX 15分足デイトレード』(共に、日本実業出版社)がある。ツイッターアカウントは、『@busena_fx』。

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