エリオット波動理論とは|相場の波を理解して利益につなげる方法

エリオット波動理論とは、「相場にはリズムがあり、5つの上昇波と3つの下降波の合計8つの波で1つのサイクルが形成される」という考え方に基づき、相場を予測するテクニカル分析です。

実は、相場の変動は、ランダムなように見えて、一定のリズムで動いています。このリズムが、エリオット波動です。

エリオット波動は、テクニカル分析の中枢を占める理論で、エリオット波動のリズムを知らずして相場の予測をすることは不可能である、といっても過言ではありません。

もし、エリオット波動を知らないでトレードしていたのなら、この記事を読むことで、驚くほどトレードが上達する可能性があります。7つの項目で説明しますので、ぜひ参考にして下さい。

執筆者
ぶせな

ぶせな

FXの専業トレーダー。認定テクニカルアナリスト。 本格的にFXを開始してから10年で1億6,500万円の利益を突破。著書に、『最強のFX 1分足スキャルピング』『最強のFX 15分足デイトレード』(共に、日本実業出版社)がある。ツイッターアカウントは、『@busena_fx』、ブログは『億トレーダーぶせなブログ』。

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1.エリオット波動はデイトレードにも活用できる

エリオット波動は、値動きの本質を説明しています。それゆえ、エリオット波動を理解すると、デイトレードで勝てる確率がアップします。

ただし、エリオット波動それ単体でトレードルールにすることは難しいです。しかし、他のテクニカル分析を組み合わせると、ものすごい武器になります。

エリオット波動を少し応用するだけで、値幅やチャートパターンなどの他のテクニカル分析も派生して使いこなせるようになります。実際に、私のデイトレード手法はエリオット波動に基づいています。

また、エリオット波動を理解することが、相場のリズムを知ることに繋がるので、他のテクニカル分析のスキルが大幅にアップします。相場のリズムを知ることが、トレードで利益を上げるための全ての土台になるでしょう。

あなたがスキャルピングをやろうが、デイトレードスイングトレードをやろうが、この相場のリズムを理解すれば、適切な売買戦略を立てることができます。もし理解して使いこなせるようになると、あなただけの最高の手法ができるかもしれません。

1.1.相場にはリズムがある

エリオット波動を考案したのは、アメリカ人のラルフ・ネルソン・エリオットという会計士です。彼は、病気を患って海を眺めて療養していた時、波には引いては押し寄せるリズムがあることに気付き、次のように考えたそうです。

経済に好景気と不景気があるように、相場にも良い時期、悪い時期がある。
それが上昇と下降のリズムになる。

確かに、相場にはリズムがあります。下のチャートをご覧下さい。

下降トレンド

一方向へ進み続けることはなく、下げたら上げていますよね。一見、ランダムに動いているように見えますが、全体としては高値と安値をきれいに切り下げていて、一連の下降トレンドを形成しています。

このように、トレンドが進むにしても、一定のリズムがあります。まずは、このリズムを知ることが、トレード戦略を立てる基礎になります。逆に、リズムを知ることで、エントリーからイグジットまでのルールを決めることができ、結果、期待値の高いトレードができるのです。

1.2.リズムはNの字を描く

そして、この下降トレンドを分解してみると、いくつもの上下動は、1つの上げ下げが繋がったものだと分かります。先ほどのチャートの黄色の箇所を見ると「下げ→上げ→下げ」という流れで、アルファベットの「N」に見えますね。

トレンドは、必ずNの字を描き、この値動きを「N波動」と言います。

トレンドは、いくつものN波動が連続してできています。N波動は、エリオット波動の最も基本になる捉え方で、非常に重要です。

そして、N波動を詳しく知ることがエリオット波動の理解へつながり、結果、デイトレードで勝てるようになると認識して下さい。

2.エリオット波動の基本

エリオット波動で具体的に何ができるのか、メリットとデメリットから見ていきます。

2.1.エリオット波動のメリットとデメリット

《メリット》

  • どの時間軸でも分析可能
  • 相場の流れがわかる
  • 見方がシンプル
  • トレンドの方向性と転換点も予測できる
  • 先の展開を何パターンか予測できる 
  • 後付けではなくこの先を予測できる

《デメリット》

  • 理論であり客観的な根拠がない
  • 複数の見方ができてしまう
  • エリオット波動自体はトレードルールにできない
  • 他のテクニカル指標と組み合わせる必要がある

2.2.相場の局面を把握すると売買戦略が立てられる

エリオット波動の強みは、なんといっても、局面の把握ができることです。局面とは、相場環境のことで、今がどんな状況にあるかということです。局面を把握すると、これからやるべきことが自ずと分かってきます。

例えば、レンジ相場だとしても、5分足と日足では、レンジの意味合いは大きく異なります。そのレンジが、上昇トレンドの小休止になるのか、それとも上昇トレンド終焉後のレンジかにより、その後の戦略は大きく異なります。

つまり、局面を把握することこそが、エントリーからイグジットまでの戦略を具体的に立てられることに他なりません。逆に、局面を把握できなければ、パターンを予測できないため、どのようにトレードしていいか分からないでしょう。

迷子になった時、まずは自分の居場所を知ることが何よりも大事ですよね。居場所が分かるから、どこにどうやっていけばいいか、決めることができます。トレードもそれと同じで、エリオット波動でまず局面をしっかり把握することが重要です。

2.3.五つの上昇波と三つの下降波がある

トレンドは、ひとたび発生すると、往々にしてその流れが否定されるまで続きます。そして、トレンドが終わると、ある程度反転します。

例えば、上昇トレンドが出始めると、買い圧力を否定する材料が出ない限り、上昇を続けます。そして、買いが一服して上昇トレンドが終了すると、利食い売りや新規の売りが多くなり、下げるというわけです。これが、一連の上昇トレンドになります。

エリオット波動は、この一連の上昇トレンドを、次のように捉えます。

《エリオット波動理論の基本》

相場は「5つの上昇波」と「3つの下降波」の「計8つの波」を1つの周期として形成される

ちなみに、下降トレンドの場合は、5つの下降波と3つの上昇波になります。

エリオット波動の相場サイクル

上昇トレンドのスタートから終焉まで、5つの波に分かれます。そして、5つの上昇波は、それぞれ次のようにお考え下さい。

  • 第1波:上げ始め(推進波)
  • 第2波:押し目(調整波)
  • 第3波:上昇トレンド回帰(推進波)
  • 第4波:押し目(調整波)
  • 第5波:最後の上昇(推進波)

上昇トレンドは、一方向に上げ続けることはなく、押し目をつけて上げます。その押し目が第2波ということです。なお、トレンド方向へ進む波(第1波・第3波・第5波)を推進波、押し目をつけるための下げ(第2波・第4波)を調整波といいます。

ちなみに、右側の青の下降3波は、上昇が終了した後の下げのことです。実際の相場では、下降第1波から第2波にかけて、まだ上昇トレンドの最中である可能性もあります。そのため、上昇トレンドの終了は、下降第3波が出てから確認できます。

このように、トレンドには上下動があり、上昇5波と下降3波を描く。これが、エリオット波動の基本です。

4.エリオット波動の使いこなすコツ

8つの波、という定義を詳しく分析すると、次のような定義があります。

  • 第2波は第1波の安値を下回らない
  • 第3波が最も値幅が出ることが多い
  • 第2波と第4波の形は異なる
  • 8つの波の中に34の小波がある・・・

とても難解ですね。エリオット波動は、突き詰めて調べていくと、非常に細かい定義がいくつもあります。しかし、トレードで利益を上げるために全て覚える必要はありません。

繰り返しになりますが、エリオット波動は5つの上昇波と3つの下降波の8つの波であると認識していれば、問題ありません。

あなたにとって重要なことは、エリオット波動の理論を研究することではありません。理論に精通しても、FXで勝てるようにはなりません。実践で必要なことだけ覚えれば良いのです。

では、私がエリオット波動のどこに注目しているかというと、以下の3つになります。この3つが、トレードで利益をあげるための最大のポイントです。

《利益を上げるためのポイント》

  1. エリオット波動(=相場のN字)を全てのトレードの基盤にする
  2. フィボナッチを使って正確にエリオット波動を捉える
  3. 他のテクニカル分析を組み合わせる

繰り返しになりますが、エリオット波動の強みは、なんといっても、相場の局面が分かることです。局面を把握しつつ、上の3つに注目すると、エントリーポイントまで絞り込めます。

一つ一つ詳しく解説していきます。

4.1.「相場はN字で動く」ことを原理原則にする

FXで勝つために、エリオット波動をどのように活用すれば良いのでしょうか?

答えは非常に簡単です。「エリオット波動を全てのテクニカル分析の基盤にする」ことです。

なぜでしょうか?

相場は常に上下動を繰り返し、ジグザグにNの字で動きながら、トレンドを形成します。そして、エリオット波動ができると、トレンドが終了します。その逆で、トレンドが終了すると、エリオット波動ができている、という解釈もできますね。

トレードの局面が分かると、他のテクニカル分析の確度が急激に上がります。

そして、エリオット波動を分解すると、1つのN波動になります。N波動の集合体が、エリオット波動と言っていいでしょう。つまり、小さなN波動を捉えることが、エリオット波動の認識に繋がり、それが局面の把握になるということです。そのため、N波動が重要になってくるのです。

N波動は、テクニカル分析というよりも、理論です。

この理論をベースにテクニカル分析を行うと、テクニカル分析の確度が上がります。どんなテクニカル指標を使おうが、N波動にならなければ、局面の把握はできません。そして、N波動を把握した上で、他のテクニカル指標を使うと、予測が可能になってきます。

つまり、「相場はN字で動く」というN波動を相場の原理原則とし、全てのトレードの軸にするということです。下のチャートをご覧下さい。

エリオット波動の形成

2つのN波動が繋がり、エリオット波動が形成されています。そして、右下の黄色のAのポイントまで、下降5波が出ていますね。

N波動が繋がってエリオット波動になる、という認識があれば、このAまでの予測が立てられるようになります。あとは、エントリーポイントを絞るために他のテクニカル分析を組み合わせるのです。

このように、N波動、ならびにエリオット波動を意識すると、流れに沿った下降トレンドラインが引けるようになります。さらに、トレンドラインを応用したチャネルライン(上図では3本の青色ライン)も引けるようになり、値幅計算も自然にできます(値幅計算は後述)。

以上のように、他のテクニカル分析をちょっと組み合わせるだけでも、エントリーからイグジットの大きなヒントを得ることができます。

《エリオット波動の原理原則》

「相場はN字で動く」は全てのトレーダーが押さえておくべき相場の原理!

4.2.フィボナッチを組み合わせて反転ポイントを判断する

フィボナッチ比率は、「黄金比」「黄金分割」といわれ、人間が安心感を持ち、心地よいと感じる比率のことです。

身近な例では、ピラミッドの高さと底辺の比、パルテノン神殿の高さと幅の比などの歴史的建造物もフィボナッチ比率です。身の回りでは、たばこの箱や書籍の長方形にも使われています。確かに、書籍は縦と横がちょうどよい長さですね。

さて、エリオット波動の大前提は、「相場はN字で動く」でした。そして、このN字を認識することで、相場の大局(トレンドかレンジか)を正確に判断できるようになることは上述しました。

ただし、1つ問題があります。

それは、どこで反転するのか、どこが天井や底になってトレンド回帰するのかが分からないということです。

どこで反転して第5波が始まるか分からない

この問題を解決してくれるのが、フィボナッチ比率です。

黄金比を相場に当てはめると、N波動を形成する時も、程よい所で押し目からトレンド回帰するポイントが、黄金比になりやすいというわけです。チャートは人間が売買することにより形成されるので、高値と安値の切り上げ、切り下げ方も、心地よいと感じる価格帯で動き出すからです。

フィボナッチは、まさにどのポイントで相場が反転するのかの指標なので、エリオット波動と切っても切り離すことができません。なお、トレードで重要になるフィボナッチ比率は、次の4つです。

《フィボナッチ比率で重要な数字》

  • 23.6%
  • 38.2%
  • 50.0%
  • 61.8%

下のイメージ図をご覧下さい。

フィボナッチ比率

簡単に言うと、トレンド回帰するポイントがフィボナッチ比率になりやすいということです。

エリオット波動とフィボナッチ比率は、どちらも昔から続く市場の経験則を基に作られた理論です。それだけに、相性も抜群です。

5.エントリータイミング|小波動6つと10のパターン

ここからは、エリオット波動の8つの波(5つの上昇波と3つの下降波)の中の、一つ一つの小波動、および小波動が形成するチャートパターンに着目します。小波動は、8つの波の中の一部のことで、エリオット波動が完成形だとすると、それを構成している一部分になります。

実際のトレードでは、完成形を予想しつつ、さらに一部分を予測してエントリーからイグジットまでの戦略を立てます。一部分を理解することで、勝てるトレードが可能になります。

そして、これから説明する小波動は、どちらかというと、エントリーする時に役立ちます。(イグジットについては次章で解説)。しっかり覚えましょう。

5.1.一つ一つの波にある6つの小波動

エリオット波動の構成要素は、N波動を含め、以下の6つの小波動があります。

《エリオット波動の6つの小波動》

  1. I波動
  2. V波動
  3. Y波動(別名「逆ペナント」「ブロードニング」)
  4. P波動(別名「ペナント」「トライアングル」)
  5. N波動
  6. S波動(別名「ロールリバーサル」)

《エリオット波動の6つの小波動》

  1. I波動
  2. V波動
  3. Y波動(別名「逆ペナント」「ブロードニング」)
  4. P波動(別名「ペナント」「トライアングル」)
  5. N波動
  6. S波動(別名「ロールリバーサル」)

N波動は、すでに説明しましたね。これらを図で示すと、以下のような値動きになります。

エリオット波動の波の6つのパターン

相場の値動きは、全てこれらで説明できるほど特徴を捉えています。このような仕組みを知ることで、相場に対する抵抗がなくなるのではないかと思います。

それでは、一つ一つ波動を見ていきましょう。ただ、この説明はサラッと流しても大丈夫です。それよりも、最後まで読み進めることのほうが重要です。

I波動とV波動

I波動は、上昇と下降を1本の直線で捉えたものです。V波動は、I波動が連続してV字を描いたものです。I波動が2本続いたらV波動になる、という関連性を認識しておくことが大事です。そして、このI波動とV波動が続くと、他の4つの波動が作られます。

Y波動(別名「逆ペナント」「ブロードニング」)

Y波動は、I波動とV波動が連続して続き、高値は切り上げながら、安値は切り下げながら形成される波動です。これは、単体で「逆ペナント」や「ブロードニング」といわれるチャートパターンでもあります。これは、トレンドの途中の小休止としてよく見られます。

P波動(別名「ペナント」「トライアングル」)

P波動は、Y波動の逆で、I波動とV波動が連続して続き、高値は切り下げながら、安値は切り上げながら、徐々に値幅が狭まっていくパターンです。これも、単体で「ペナント」や「トライアングル」と言われるチャートパターンです。

P波動は三角持ち合い

P波動は、三角持ち合いのことです。持ち合いを上下どちらかにブレイクするとトレンド回帰の傾向が高いのですが、上下どちらにも動く可能性を想定した上で、判断する必要があります。

N波動

N波動も、I波動とV波動が連続した波動です。上昇/下降トレンドでは、相場はサポートラインやレジスタンスラインをブレイクしたり、押し目や戻し目をつけたりしながら、最終的には必ずN波動を描きます。全ての波動の基本となる形です。トレンドが出ているN波動の相場では、トレンドラインやチャネルラインが有効に機能します。

S波動(別名「ロールリバーサル」)

N波動が形成されるプロセスでは、サポートラインやレジスタンスラインを度々ブレイクします。一度ブレイクすると、サポート/レジスンタンスは役割を転換します。この役割転換があった場合の形を、S波動と言います。S波動では、サポートラインとレジスタンスラインが役割(=ロール)を転換(=リバース)するので、「ロールリバーサル」とも言われています。

以上が、エリオット波動を構成する6つの要素ですが、それぞれの波は関係しています。

どういうことかというと、まず、I波動が連続すると、V波動になります。V波動が連続すると、Y・P・N・S波動になります。そして、N波動が連続すると、エリオット波動が完成するというわけです。

実際のチャートで確認してみましょう。 

エリオット波動を構成する6つの要素

至るところに、小波動がありますね。

私は、いつもこのように波動やチャートパターンをイメージしながらチャートを見ています(チャートパターンは後述)。そのため、どこで反転するか、ブレイクするのか、エントリーからイグジットまでのプロセスを描くことができるのです。

相場を分析する時に、「これはY波動だ」「あれはS波動だ」「それはP波動だ」というように、自分の頭の中で分類しながら見られるようになれば、エントリーポイントを絞れるようになってきます。

5.2.小波動が形成する10のチャートパターン

先ほどの6つの小波動は、明確なチャートパターンを形成する時があります。そして、波動の中のチャートパターンが見つけられると、8割は勝てるようになります。

例えば、下のチャートは、三角持ち合い(=トライアングル=P波動)というチャートパターンです。

三角持ち合い

そして、下のチャートは、ヘッドアンドショルダーというチャートパターンです。

ヘッドアンドショルダー

このように、小波動が特定のチャートパターンを形成することが分かれば、エントリーポイントが絞れるようになってきます。

例えば、現在の相場が、エリオット波動の下降第4波の中にあることが分かりました。次に、今の相場はP波動だということが分かりました。そして、P波動の中でも三角持ち合いというチャートパターンになっていることが分かったとします。

つまり、今、あなたが取るべきトレード戦略は、三角持ち合い下方向へのブレイク戦略だということが分かります。この時、売りポジションを持つことで、非常に高い確率で利益を手にすることができます。

このように、チャートパターンを見極めることができれば、その後のエントリーポイントが分かるということです。

そして、6つの小波動の中に見られるチャートパターンは、以下の10個あります(チャートパターンの名前は覚えていなくても大丈夫です)。

チャートパターン
  • トレンド回帰型

エリオット波動の第2波や第4波でよく見られる。トレンドの途中の小休止で、またトレンド回帰する場合が非常に多い。ただし、必ずトレンド方向へブレイクするわけではないので、チャート分析によってそれを予測することが重要

①トライアングル
②ブロードニング
③ペナント
④フラッグ
⑤ウェッジ
  • トレンド転換型

トレンドの天井や底(第3波や第5波)で現れる。これが出ると、現在のトレンドが終わり、反転する確率が高くなる。

①ヘッドアンドショルダー
②ダブル
③ソーサー
④ライン
⑤スパイク

6つの小波動の中に見られるチャートパターン

上5つはトレンド回帰型で、下5つはトレンド転換型のチャートパターンです。

注意していただきたいのは、こうなりやすいというだけで、必ずそうなるものではないということです。トレンド回帰型といっても必ず回帰するわけではないですし、トレンド転換型も必ず転換するわけではありません。

実際は、上の10個のパターンを個別に認識することは難しいので、なんとなく「今、もち合いを作っているな」という少しアバウトな見方で良いでしょう。

そして、ラインを引いて、監視しながら「どちらにブレイクするのか」をイメージできれば良いでしょう。ラインを引いて、そのチャートパターンが完成するのを待つというイメージです。そして、もち合いをブレイクしたら、その後がトレードポイントになります。

5.2.1.トレンド回帰型の5つのチャートパターン

上の5つのトレンド回帰型は、エリオット波動の第2波や第4波で出てくるチャートパターンで、トレンド回帰するための小休止を取っている状態です。

実際のトレードでは、これらのチャートパターンが完成する前に見つける必要があります。しかし、それにはコツがあります。それは、「これはチャートパターンかな?」と思ったら、以下の3つの観点で監視し、分析することです。

  • 高値同士・安値同士のラインを引く
  • 高値ライン・安値ラインが持ち合いの形になっていくかを監視する
  • 後はどちらにブレイクするか継続して見る

これらを意識すれば間違いありません。言葉では難しく感じるかもしれませんが、以上の通りにラインを引いて、パターンが完成するかを監視することを徹底すれば、意外と簡単に見つかります。あとは、実践しながら慣れていきましょう。

チャートパターンを一つ一つ簡単に解説していきます。

①トライアングル

まずは、トライアングルです。これは、下図のように3種類あります。

3種類のトライアングル

いずれも、高値同士と安値どうしのラインを引き、もち合いの形になっていますね。そして、価格が行き詰ると、持ち合いの先端でブレイクします。

②ブロードニング

ブロードニングはY波動と同じで、高値切り上げ、安値切り下げです。相場ではよく現れる形ですが、最初はY波動を認識するのは難しいかもしれません。ただ、Y波動が出た後にトレンド方向が決まると、大きく動くことがあります。そのため、Y波動が出る時は、ボラティリティ(=相場変動率)が高くなる傾向にあります。

③ペナント
④フラッグ
⑤ウェッジ

これらは、それぞれ以下のようなチャートパターンです。

ペナント・フラッグ・ウェッジ

ペナントとウェッジは非常に似ていますね。上述の通り、名前は気にしなくてよいので、もち合いの先端で上下どちらにブレイクするのかを監視しておきましょう。フラッグは、もみ合いであると同時に、チャネルラインでもあります。

5.2.2.トレンド転換型の5つのチャートパターン

次に、トレンド転換型の5つのチャートパターンです。

これらはトレンドの天井圏や底値圏で現れます。この5つに共通していることは、全てに「ネックライン」があることです。このネックラインは、非常に強力なサポート/レジスタンスラインになります(詳しくは後述)。

①ヘッドアンドショルダー

ヘッドアンドショルダーは、下図のように、ヘッド部分とショルダー部分で構成されており、トレンドが終わる時に見られる非常に強力なチャートパターンです。

ヘッドアンドショルダー

なお、以下に続くダブルもソーサーも考え方は同じで、肝はネックラインにあります。

②ダブルトップ・ダブルボトム

ダブルトップは、上昇トレンドの終わりを示唆するパターンです。下図のように、2つ目の山が高値を更新するかどうかによって3種類あります。真ん中の谷がネックライン(サポートライン)になり、ネックラインを下抜けるとダブルトップの完成です。

3種類のダブルトップ

次に、ダブルボトムです。これが完成すると、下降トレンドの終わりを示唆します。

3種類のダブルボトム

ダブルトップもダブルボトムも、原理はヘッドアンドショルダーと同じです。セットで覚えて下さい。

③ソーサー
④ライン
⑤スパイク

これらも全て、相場の天井(上昇トレンドの終わり)または底(下降トレンドの終わり)を表すチャートパターンです。

ソーサ―ボトム・ラインボトム・スパイクトップ

繰り返しになりますが、この3つも含めて、トレンド転換型のチャートパターンは、全てネックラインが決め手になります。

ただし、トレンド転換型のチャートパターンだからといって、必ず転換するわけではありません。例えば、ヘッドアンドショルダーが形成されている過程でネックラインを下抜けずに反発し、さらに上昇トレンド回帰して高値を更新していくことも多々あります。

しかし、チャートパターンが形成されていることを認識することは、とても重要です。そうすることで、ネックラインの箇所が予め分かり、そこに価格が来るまで待つことができるからです。

そして、「ネックラインを抜けたらエントリーしよう」「チャートパターンが読めないので、しばらく様子見しよう」というように、色々なパターンを冷静に考えることができます。 

ネックラインは、支持線/抵抗線と何度も役割転換しているラインなので、見つけるのは難しくありません。サポート/レジスタンスラインを引くことを習慣にしていれば、「ここはネックラインになりそうだ」と分かります。

6.イグジットのタイミング|4つの値幅観測

チャートパターンがエントリーポイントのヒントになるとしたら、値幅観測はイグジットの目安になる分析方法です。

値幅観測とは、上昇トレンドであれば価格がどこまで上昇するか、もしくは、下降トレンドであれば価格がどこまで下落するのかを、値幅を使って予測することです。

「そんなことができるの!?」と思うかもしれませんが、エリオット波動が作られる時に出る値幅を使うと、この予測を簡単に行うことができます。

6.1.基本的な4つの値幅観測方法

初心者の多くは、エントリーポイントを探すことに躍起になり、イグジットポイントまでしっかり決めてからトレードすることをしません。入口は決めても、出口まで戦略を立てないのです。そのため、イグジットで苦戦する方が多いです。

もし、値幅観測ができるようになれば、利益を確定するポイントが分かるようになります。これで、入口から出口まで戦略を立てることができるので、一貫性のあるルールで淡々と利益を上げるという状態に限りなく近づくことを意味します。

エントリーしてから右往左往し、冷静さを失うこともなくなるでしょう。

さて、エリオット波動には、次の4つの値幅観測方法があります。

《エリオット波動の4つの値幅観測》

①N計算
②NT計算
③V計算
④E計算

チャートでは、以下のように現れます。この図は重要なので、必ず覚えて下さい。ただし、計算方法を図で見ても分かりにくいと思います。なので、後でチャートを使って解説しますので、考え込まずにそのまま読み進めて下さいね。

エリオット波動の4つの値幅観測

ポイントは、次の2つです。

  1. 全てN波動が基準となっている
  2. 基準の値幅の2倍になっている

違いは、「上昇・下降・上昇」という3つの波の中で、どこを基準に計算するのかということだけです。最初は混乱するかもしれませんが、何度か実践すると、すぐに身に付きます。

実際のチャートに当てはめると、次のようになります(全て同じチャートで解説)。

①NT計算

NT計算

②V計算

V計算

③N計算

N計算

④E計算

E計算

どこを観測の起点にするのかの違いはありますが、どの計算方法も、元の値幅の2倍まで伸びていることが分かります。

なお、値幅観測する方法は、チャネルラインを使います。そして、エリオット波動の値幅観測は、チャネルラインの応用になります。そのため、チャネルラインが引けるMT4などのチャートソフトを準備しておくと良いでしょう。

6.2.値幅観測の精度を上げるためのポイント

さて、ここで注目していただきたいのが、それぞれの計算方法での値幅の大きさです。

E計算が、一番値幅が大きいです。また、4つの値幅は、以下の順番で大きくなります。

NT ≠ V < N < E

V計算よりもE計算のほうが値幅が大きく、達成までの時間も長いので、相場の達成感もより大きくなります。

ここで重要になってくるのが、値幅観測をしてそれが達成されてもトレンドが反転するわけではない、ということです。

例えば、上昇トレンドで値幅観測した後、一度押し目をつけて、さらに上方向にブレイクすることもあります。値幅を達成しても、全く押し目をつけずに、さらにスーッと上昇していくこともあります。

仮に、最も値幅が小さいV計算だけを見て、その値幅を達成したら逆張りばかりしていると確実に勝てません。そのため、どの値幅計算を達成したのかは、確実に分析できるようにして下さい。

そして、長い時間軸のチャートのトレンド方向と、他のテクニカル指標を組み合わせて、総合的に利益確定を判断しましょう。

いずれにせよ、値幅が小さい計算方法から順に見ていくことがコツです。値幅観測を活用することで、イグジットに対する見方がかなり楽になるはずです。

これで、エントリーからイグジットまでトレードしてみたくなりましたか?ここまでのポイントを整理してみましょう。

  • エリオット波動を活用するとデイトレードで勝てる
  • 相場にはリズムがある
  • リズムはN波動である
  • エリオット波動の強みは局面が分かる
  • 5つの上昇波と3つの下降波の合計8波ある
  • フィボナッチ比率や他のテクニカル分析と組み合わせる
  • エリオット波動の構成は6つの波動である(I・V・P・Y・N・S)
  • チャートパターンは2種類ある(トレンド回帰型・転換型)
  • エントリーはチャートパターンを認識すると可能になる
  • イグジットは値幅観測を使う

7.エリオット波動を使ったチャート分析の実践

期待値の高いトレードをするには、トレードを開始してチャートを表示した時、相場の大局とその中にある細かい流れを、具体的に説明できるようになることが大切です。そうすると、エントリーからイグジットまでのイメージが湧き、一貫性のあるトレードができるようになります。

実際のチャートで見ていきましょう。

エリオット波動の実践1

移動平均線を3本表示していますが、情報はローソク足だけですね。ただし、これを見ただけでは、どこでトレードできそうか分からないですね。下げ相場というのはわかりますが、エントリーポイントは読めません。

ここから、エントリーからイグジットまでの戦略を立てていきましょう。以下のチャートをご覧下さい。

エリオット波動の実践2

下降5波が発生し、エリオット波動が出ていると認識できます。チャートを開くと、エントリーポイントを探したくなりますが、このように大局を認識することが先です。

まず、高値と安値が一定のリズムで切り下げているので、チャネルラインを引きました。下降トレンドが、このチャネル幅で進んできたことが分かります。AからGまで、原理原則に従ってN波動で進んでいます。全てのトレードは、まず局面を把握することから始まります。

それから、どこでトレードできそうかを詰めていきます。このように、N波動が連続している時は大きなトレードチャンスになります。

では、この下降トレンドのエリオット波動を分解し、一つ一つの値動きを見てみましょう。

エリオット波動の実践3

少し複雑に感じるかもしれませんが、左から順番に一つ一つ見ていくと、大局の中の小さな局面が分かります。

まず、Y波動を下にブレイクして下降のN波動(青色の部分)が出ました。小さなエリオット波動といえますね。それからレンジ幅を形成し(白い部分)、下にブレイクしてS波動になった、という流れです(白丸のポイント)。

S波動の後は、値幅観測できます。この値幅はちょっと応用していますが、E計算です。そして最後に、底値圏でダブルボトムを形成して反転していますね。

これくらい把握できるようになると、トレードポイントを絞り込めるようになります。

しかし、これは完成された過去のチャートで、実際のトレードでは、チャートはまだ出来上がっていません。そのため、チャートパターンやN波動など、形成途中の段階で予測していく必要があります。これは、実践で練習を積んでいくしかありません。

現在進行形のリアルタイムチャートで毎日練習していれば、できるようになるので、粘り強く実践して下さい。

まとめ

エリオット波動は、単体ではトレードすることは難しいです。

しかし、エリオット波動を細分化し、構成要素まで遡って分解すると、局面を把握することができます。その上で、他のテクニカル分析を組み合わせると、ものすごい信頼度が上がります。

利益を上げるまでの3ステップを整理しておきます。

1. N字を発見する(=大局を把握する)

2. トレンドの中のチャートパターンを発見する(=エントリーする)

3. チャネルラインを引いて値幅観測する(=イグジットする) 

トレードは、これが全てです。常にこのステップで行い、相場の流れをしっかり把握してからトレードに臨んで下さい。これを前提に実践していけば、すぐに手応えが感じられるはずです。

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