FXのエンベロープで1億以上稼いだ具体的な使い方

エンベロープとは、株式やFXのチャートで、移動平均線からどれくらい乖離しているかを表したテクニカル指標です。

移動平均線を上下に一定の割合離しただけなので、移動平均線と同じ動きをするのが特徴です。

元々、エンベロープには「包む」「封筒」という意味があり、その名の通り、移動平均線を上下に包んでいるインジケータです。

このエンベロープは、私にとっては、FXで勝てるトレードルール作りの根幹となったテクニカル指標で、エンベロープのお陰で、スキャルピングで億を超える資産を築くことができました(参考:「スキャルピングで5年で1億稼いだ私のトレード手法の全て」)。

そこで、この記事では、

  • エンベロープの具体的な説明
  • エンベロープを使った私のトレード手法
  • この手法を実践する時の注意点

の3つに重点を置いて解説していきます。ぜひ、最後までお読み下さい。

執筆者
ぶせな

ぶせな

FXの専業トレーダー。認定テクニカルアナリスト。 本格的にFXを開始してから10年で1億6,500万円の利益を突破。著書に、『最強のFX 1分足スキャルピング』『最強のFX 15分足デイトレード』(共に、日本実業出版社)がある。ツイッターアカウントは、『@busena_fx』。

1.エンベロープの基本

まずは、エンベロープとはどんなテクニカル指標なのか、定義を押さえておきましょう。

1.1.エンベロープとは

エンベロープは、価格が移動平均線からどの程度離れているかを測るインジケータです。

チャート上では、移動平均線を包み込むように上下に表示されます。下図をご覧下さい。

真ん中にローソク足が走っていますね。そのローソク足に沿うように描かれている赤線が、移動平均線です。そして、その移動平均線と同じ動きで上下に走っている青い線が、エンベロープです。エンベロープを一つ設定すると、移動平均線の上下に、2本表示されます。

このように、エンベロープは、真ん中の移動平均線をそのまま上下に一定の割合だけ離したものです。そのため、エンベロープは移動平均線と全く同じ動きをします。違いは、移動平均線から上下に乖離していることだけです。

なお、移動平均線との乖離をはかる、似たようなインジケータがいくつかあります。代表的なものは、ボリンジャーバンドです。

 ボリンジャーバンドとの違い
エンベロープは、移動平均線から一定の割合だけ離した線ですが、ボリンジャーバンドは、「標準偏差」という考え方で、バンドが収縮します。詳細は、『ボリンジャーバンドとは』をお読み下さい。

1.2.私のエンベロープのパラーメータ数値

どれだけ乖離しているかの割合を「乖離率」と言いますが、これは自由に設定できます。私は、エンベロープを、1つではなく6つ設定します。先に、6つのパラメータをお伝えします。

  • 0.10%
  • 0.15%
  • 0.20%
  • 0.25%
  • 0.30%
  • 0.40%

ちなみに、ローソク足は1分足で、移動平均線はEMA(指数平滑移動平均線)を使っており、期間は「20」に設定しています。

整理すると、次のようになります。

【私のスキャルピングのチャート設定】
・ローソク足:1分足
・移動平均線:パラメータ期間は20で、Exponencial(EMA)を使う
・エンベロープ:パラメータ期間は20で、偏差は0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.4

そして、これを設定すると、次のようなチャートになります。

移動平均線をはさんで、上下に6つのエンベロープが表示されました。そうすると、エンベロープとエンベロープの空間ができますので、5つのゾーンとして認識します。

5つのゾーンに分ける理由は後述しますが、移動平均線との乖離を5つのゾーンに分けることで、期待値の算出や資金管理を明確にすることができます。私のスキャルピング手法は、このように5つのゾーンに分けることで、勝つことができるのです。

なお、移動平均線の期間は25でも良いと思いますが、私はずっと20に設定して使ってきたので、20にしています。決して20と25を比較した結果、25が使えないというわけではありません。ご自身のトレード経験や、その他の得意なツールとの組み合わせで、期間設定は考えていただくのが良いです。

私は、このチャートで2009年からスキャルピングを行ない、現在に至ります(参考:『スキャルピングで5年で1億稼いだ私のトレード手法の全て』)。スキャルピングのコツは、『 FXのスキャルピングのコツ|勝つために初心者が最初にやるべき2つのこと』を参考にしてください。

2.エンベロープを使ったスキャルピング

トレードで安定した利益をあげるためには、勝てるトレードルール作りが大事で、エンベロープは、私にとって、まさにトレードルールを作り上げるための核となったものです。

具体的に解説していきます。

2.1.ゾーンにタッチした時が売買のサイン

ローソク足には、「移動平均線から離れ過ぎたら、バネのように元に戻ろうとする力が働く」という習性があります(参考:「移動平均線乖離率とは|逆張り戦略で利益を出すコツ」)。

エンベロープを使うと、その「習性」が、具体的にどこで発生するかを高い確率で判断できるようになります。例えば、次のチャートをご覧下さい。

このチャートの中の矢印の箇所は、全てトレードチャンスになります。

2.1.1.ローソク足がラインに接触してヒゲができた時にエントリー

①②は、ローソク足のヒゲが下のゾーンに到達してから反発しているポイントです。また、③は、ローソク足のヒゲが上のゾーンに到達してから反落しているポイントです。

前者では、ローソク足がラインに接触してヒゲができた時がエントリータイミングになります。ここでは、買いでエントリーして、数pipsの値動きで決済します(pipsの参考記事:「FXの単位pips(ピップス)とは|読み取り方のコツ」)。一方、後者では、売りでエントリーします。

いずれにしても、「ヒゲを確認してからエントリーすること」が鉄則です。

例えば、①の箇所で、ローソク足がラインに到達した瞬間にはエントリーはしません。なぜなら、この時点では、まだそこで反発するか判断できないからです。そのため、ヒゲをつけて、実際の反発を確認してからエントリーします。

つまり、反落・反転の確認をヒゲで行うということです。

2.1.2.ゾーンによってエントリー判断時のヒゲの長さを変える

ただし、どのゾーンでも、ヒゲが出たら即エントリーというわけではありません。ゾーンが外側になればなるほど相場は乱高下するので、上下のブレが大きくなります。

そのため、外側のゾーンになるほど、ヒゲが出たとしてもダマシになり、エントリー直後に逆行してしまう確率も高くなります。そこで、ゾーンの外側寄りでエントリーする時は、ヒゲの長さを長めに取ってダマシを防ぐことがポイントになります。

厳密に数pipsと決めてはいませんが、目安としては、5つのゾーンのうち、ゾーン①②は1ティック、ゾーン③④⑤は2ティックとしています。ちなみに、ティックとは、1回の反転のことです。つまり、外側のゾーンでは、ヒゲができて少し反転し(1回目)、反転した方向へもう一回値を刻む(2回目)ことを確認した時にエントリーします。

このやり方だと、ヒゲが少々伸びた時のエントリーになるため、一番高いところや一番安いところではエントリーできません。しかし、元々これらの外側のゾーンは利幅も大きく取れるため、さほど気になりません。

それよりも、ダマシを防げるというメリットのほうが大きいと私は考えています。

2.2.ゾーンごとに勝率と値幅が異なる

なお、エンベロープのそれぞれのゾーンでは、勝率が異なります。

全てを正確に記録しているわけではないので、体感での数字になりますが、私が今まで何十万回とトレードを行ってきた経験則では、それぞれのゾーンでの勝率は次の表のようになります。

ゾーン 勝率 利食い損切り幅
(目安)
ゾーン① 60% 2pips
ゾーン② 65% 3pips
ゾーン③ 70% 4pips
ゾーン④ 75% 5pips
ゾーン⑤ 80% 6pips

ゾーン①では、利食い損切り幅の目安は2pipsです。しかし、ゾーン②、③と離れるほど、その目安も広くなります。

このように、外側のゾーンにいくほど勝率が高くなり、利食い損切り幅も大きくなります。これは、先ほど述べたように、ローソク足には移動平均線から離れ過ぎたらバネのように元に戻ろうとする力が働く習性があり、離れれば離れるほど戻ろうとする力が強くなるからです。

つまり、移動平均線から離れると元に戻ろうとする力が強くなるので、反転する確率も上がるのです。また、ゾーン①では、移動平均線からの乖離はせいぜい10~20pips程度ですが、ゾーン⑤になると40~50pipsはあります。

最初は同じ長さのバネがあったとして、長く伸ばされた場合と短く伸ばされた場合では、長く伸びたバネのほうが戻る時の初速が早くなりますよね。それと同じで、より離れたゾーンにあるローソク足のほうが利幅も大きくなります。

2.3.勝率が高い時ほどロットを張って稼ぐ

私は、エンベロープを使ったスキャルピングで、勝率が高いチャンスの時は、大きな利益が得られるようにロット(通貨量)を大きく張り、利食い幅を広く取るようにします。

例えば、ゾーン①で10万通貨を基準として取引しているなら、ゾーン②で20万通貨…、ゾーン⑤では50万通貨という具合です。このように、勝率も利幅も大きいゾーンの外側へなるほどロットを増やすことで、利益を爆発的に増やすことができます。

しかし、ゾーン①に対するゾーン⑤でエントリーするロット(通貨量)の倍率は、最大5倍程度にしておくと良いです。なぜなら、この倍率が大き過ぎると、トレード全体のバランスに対するゾーン⑤の割合が大き過ぎてしまうからです。

つまり、ゾーン①や②のトレードがほとんど利益に貢献しなくなることを意味します。これでは、ゾーン④や⑤だけでトレードをするというルールになってしまいます。

逆に、倍率が小さ過ぎると、トレード全体に対するゾーン①の利益割合が大きくなります。これでは、せっかくゾーンが外側にいくほど勝率も利幅も取れるのに、メリハリがつきません。

ただし、倍率は必ず5倍ということはなく、私にとっては5倍が最適というだけです。ただし、相場によってロットは変えており、例えば、相場のボラティリティが小さくてゾーン⑤に到達する可能性が低い時期は、ゾーン①から③のロット数を増やしたりして調整しています。

では、この章の最後に、私のエンベロープのゾーンごとの勝率と利食い損切り幅の目安、そして、エントリーする通貨量の目安をまとめておきます。ぜひ参考にして下さい。

ゾーン 勝率 利食い損切り幅
(目安)
通貨量
(目安)
ゾーン① 60% 2pips 1万通貨
ゾーン② 65% 3pips 2万通貨
ゾーン③ 70% 4pips 3万通貨
ゾーン④ 75% 5pips 4万通貨
ゾーン⑤ 80% 6pips 5万通貨

 

ポイント!
5つのゾーンで勝率と値動きが異なるため、期待値がかわります。最大限の利益をたたき出すには、利食い損切り幅、ロットをかえることがとても重要です。

3.エンベロープを使ったスキャルピングの注意点

エンベロープを使った、私のトレード手法はご理解いただけたでしょうか?この章では、エンベロープを使う際の注意点を解説していきます。

3.1.トレード禁止の4つのポイント

私のスキャルピング手法には、トレード禁止ポイントが4つあります。

《私のスキャルピング禁止ポイント》
1. 経済指標発表時

2. 要人発言やイベント時

3. 高値安値などの節目をブレイクする時

4. 参加者が少なく流動性を保てない時

簡単に言うと、普通の値動きから逸脱している時です。プライスが飛んだり、突発的に動く場面は、エンベロープが機能しにくくなるためです。理由も含め、それぞれ解説していきます。

3.1.1.経済指標発表時

指標発表直後の数分間は、価格が急激に動きます。これは、指標の内容次第で相場が動くので、トレーダーにとっては、上がるか下がるかは完全に予測不能です。このような時は、どんなインジケータを使おうが、機能しにくくなります。

ただし、経済指標は、発表の時間が決まっています。欧州時間は17時、ニューヨーク時間は21時半などといった具合です。毎日のトレード前に、経済指標発表の時間を確認しておきましょう。

なお、経済指標を含めたFXのファンダメンタルについては、次の記事をお読み下さい。

≫ FXのファンダメンタル分析とは|初心者が必ずチェックすべき6つの情報

3.1.2.要人発言やイベント時

これも、経済指標と同じ考え方です。為替は、各国の要人が発言する度に急騰や急落があります。当然、インジケータはほとんど機能しません。このようなイベントがある日は、一日中相場が乱高下することもあるので、その日は、トレードは控えることをおすすめします。

ただ、特定のインジケータを使いこみ、ルールを明確にしていると、このような相場でも応用することができます。たとえ乱高下している相場でも、その値動きに合わせたトレードが可能になるので、一概にトレードを控えるわけではありません。基礎が確立しており、応用できるなら、トレードしてもいいでしょう。

3.1.3.高値安値などの節目をブレイクする時

チャートの節目のブレイク時に様子見すべき理由は、どれぐらいのローソク足が伸びるか分からないからです。ゾーン①に入ったと思ったら、あっという間に⑤まで飛ぶこともあります。

勢いが強ければすぐに20~30pipsは動く上、1分間で50pips以上も動く時さえあります。このような時は、どこで価格が反転するか分からず、運任せになるので、トレードは控えるべきです。

なお、節目の見つけ方は、ラインを引くと良いでしょう。次の記事を参考にしてください。

≫ サポートラインとレジスタンスラインで相場の反転を見抜くコツ

3.1.4.市場参加者が少なく流動性を保てない時

市場参加者が少ない時とは、例えば機関投資家が夏休みやクリスマス休暇を取る時期です。機関投資家が参加していないような場合は、ちょっと大きめの注文が入るだけで、価格が簡単に動いてしまいます。特に、8月のお盆の時期や12月後半は注意が必要です。

また、中長期的にレンジ相場になって膠着している時は、トレンドが発生するまで流動性が低いことがあります。これらは、日々マーケットニュースを見ていれば分かりますし、毎日トレードしていれば、流動性が薄いか厚いか、感じ取れるようになります。

ポイント!
通常の値動きを逸脱するときは、エンベロープなどのインジケータは機能しにくくなります。全ての相場で期待値が高いわけでは無いので、シグナルを見送る判断も必要です。

3.2.値動きのあるメジャー通貨ペアを選ぶ

私のスキャルピング手法には、マイナーな通貨ペアは適しておらず、売買ボリュームがあるメジャーな通貨ペアを選ぶことがポイントです。その際、最もメジャーなドル円だけでなく、ある程度メジャーな通貨ペアであれば、ドル円以外でもトレードの候補にすることをおすすめします。

ちなみに、私は、次の6通貨ペアをスキャルピングのトレード対象にしています。

《私のスキャルピング対象の通貨ペア》

1. ドル円

2. ユーロドル

3. ポンドドル

4. ユーロ円

5. ポンド円

6. 豪ドル円

上の3つはドルストレートで、下の3つはクロス円です。違いがわからない場合は、『通貨ペアとは|FXで勝つための正しい選び方』で解説しているので、参考にして下さい。

私が複数の通貨ペアを対象にしている理由は、それぞれの通貨のボラティリティが時期によって異なるからです。ドル円だけだと、ボラティリティが高く値動きが大きい時はいいのですが、ドル円に対する注目度が下がってボラティリティが小さくなる時期が必ずやってきます。

ボラティリティが小さいと、トレードサインが出にくいので、稼げるチャンスは圧倒的に少なくなります。このような時期は、場合によっては、数ヶ月から1年も続く時さえあります。もし、専業トレーダーの場合は、仕事が無い状態と同じことなので、焦りますよね。

そうならないように、複数の通貨ペアでスキャルピングする意識を持っておくと、ボラティリティが高い通貨ペアを対象にトレードすることができます。ボラティリティが高いということは、値動きが大きくてトレードチャンスも多いことを意味します。

ただし、マイナーな通貨ペアはスキャルピングに不向きです。なぜなら、マイナー通貨はスプレッドが広過ぎてトレード1回あたりのコストが高くなり、何回も売買を繰り返すスキャルピングでは利益が残りにくいからです。

通貨ペアに関しては、この項でお伝えしたことを守れば、トレードチャンスが全く来ないという事態は無くなるはずです。

ポイント!

スキャルピングは、マイナーな通貨ペアは向いていません。メジャーな通貨ペアを選択するようにしましょう。

まとめ

この記事でお伝えした、エンベロープを使った私のスキャルピング手法は、非常にシンプルで、真剣に取り組んでいただければ、誰にでも実践可能です。

しかし、実際にトレードしてみると、知識だけでは知りえなかった気付きがあるはずです。そうした一つ一つの経験が、これから稼げるようになるための、非常に重要な教訓になります。

ぜひ、エンベロープをあなたのテクニカル分析に取り入れて、トレード手法の構築のヒントにして下さい。また、スキャルピングのさらに詳しい説明は、『スキャルピングで5年で1億稼いだ私のトレード手法の全て』を、スキャルピングのコツについては、『 FXのスキャルピングのコツ|勝つために初心者が最初にやるべき2つのこと』を、ぜひお読みください。

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